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本編

はじめての森

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「今日から森に入っていいが最悪4時までには戻ってこい。」
何故4時かと言うとこの街には
午前は6時、9時、11時半、
午後は2時、4時、10時に町の真ん中にある鐘がなり、午前は6時に門が開き、午後は4時に門が閉じるからだ。
『我の前に姿を表せ。黒虎』
できるだけ早く森に行くために門を出た後、黒虎に乗り、森に向かった。

「さてと、先ずは強奪スキルの実験からだな。ひとまずわかっているのは見たものを覚えられる感じだったよな?...取り合えず仮説として魔物を狩ってみるか。えっと、取り合えず薬草集めながら少しずつ奥に進めばいいかな?」
そう独り言を言いながら、あ薬草だ。あ、こっちにもある。と次々に薬草を採取しては父から事前に貰っていた籠に入れていった。
 少し奥に行くと黒虎の耳がピクッと動き、周りを警戒し始めた。
『主様、恐らくゴブリンが近くまで来ています。一応警戒していますがもう近くまで来ているので武器を構えてください。...魔法が飛んできます。避けてください!』
そう言われて直ぐにその場から飛び退き、魔法が放たれた方を見ると杖を持ったゴブリンと剣を持ったゴブリンが合わせて5匹居た。
「慎重に倒していくぞ。取り合えずメイジに斬りかかるから援護してくれ。...じゃあ、開始!」
『抜刀術 壱の型 一閃』
ザシュッ
まず一匹。手前のゴブリンを倒した。それに合わせて黒虎も一匹倒し、カムラは一気にメイジの方に駆け抜けていき、黒虎はカムラに斬りかかろうとしたゴブリンを倒した。
「次はお前だ。」
そう言ってもう一度同じ様に攻撃した。
『抜刀術 壱の型 一閃』
ザシュッ
『戦闘が終了しました。今回は火属性魔法、剣術-小-を獲得しました。』
メイジを倒したと思うといきなり頭の中にアナウンスが流れて驚いたが、仮説が正しかった事を確認でき、黒虎がいる後ろを確認すると黒虎がゴブリンの魔石を器用に取り出していた。
「よし、終わったな。ん?ゴブリンの魔石なんか取り出してどうしたんだ?」
すると一つの魔石を食べてから答えてくれた。
『神器には核があるのですが生物型の神器は魔石を食べて成長するんです。魔石には必ず魔力があるのでそれを吸収している感じですね。』
カムラは小並み程度に凄いな、と思い魔石を全部食べるように進めたが残りは錬金術などにも使えるので残しておいてくださいと言われたのでポケットにしまった。
初戦闘では敵の血を見て気持ち悪くなると思ったが何故かそのような感情は一切無く只冷たい目でその死体を見るだけだった。
 少し休憩していると町の方から2時の鐘が鳴り響いたのを確認して探索を進めた。

「あのあと結局ゴブリンは出なかったし、今日の報酬としては薬草とスキルと魔石か。そろそろ3時になる頃だし家に帰って錬金術でも調べるか。よし、黒虎...先に名前を決めるか。うーん、クロは安直だし...そうだ。ゼネットでどうだ?」
『...名前を頂き有り難う御座います。さて、門まで送りますので乗ってください。』
その時のゼネットの顔は少し赤くなっていた。

「お父様、ただいま帰りました。強奪スキルについてですが俺の予想は当たっていたらしく敵を倒すとスキルを手に入れられました。あと、ついでに薬草をとってきたので錬金術に挑戦してみたいのですがなにか良い本はありませんか?」
そう聞くと父は少し考えて地下にある図書館に行ってみると良いと言われたので場所を聞き、地下に向かった。
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