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本編
剣聖、吸血鬼
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キンッ…むぅ…幾ら狂戦士と言っても剣聖の力は衰えないか…これを殺さずに気絶させるって事は手加減しないと…さて、調整が難しいもんだ。
「これだけ攻撃手段を蝶で増やしていてもかなり防がれているな。これじゃあ気絶するまでダメージを与え続けるってのも無理か」
あ…うん、これなら行けそうだ。できるかは分からないが…取り敢えず思い付いたんだし試してみよう。
『爆撃蝶﹣巨蝶﹣』
SPの消費…はないな。てことは、技の改良にはSPは必要ないってことだ。
蝶を沢山出すんじゃなく、一つにまとめて大きくしてみたが…威力は十分、だが大きいせいかスピードが少し遅く、当たり判定もかなりデカくなってるせいで遠距離持ちとかには不利だな。
「…お?気絶…いや、ダメージ的にもこんなに早く終わるわけないんだが…ああ、なるほど。リミットが終わったか…うーん、勝負的には引き分け…いや、ダメージ量的に若干こっちが負けてるか」
まあ、こっちはノーダメな訳だが…
「さて、こいつが起きるまで攻めるまで待つのが筋なんだが…気配察知的にはもう1人で突っ込んだ方が良さそうだな。嫌な予感はしていたものの、確証はなかったが…ゴブリンがあの吸血鬼に従っている…感じだな」
ゴブリンは、繁殖力が高いがその分弱い…が、そこら辺の村人よりかは強い。
そして、男は食料、女は苗床となる…
うん、このまま放っておけば数が増えすぎて収拾が付かなくなりそうだな。
「ん…ッ!す、すまん…」
「いえ、大丈夫です。それより、貴方の友人の救出の件ですが…予定変更です。今すぐにでも彼を殺しに向かいます。
嫌な予感はしていましたが…」
「待て、何故そうなる?」
「…彼は敵です。貴方のでも私のでもないですが…まあ、人間の敵ですね。
しかも、厄介な方の…そのため、ここで排除します。着いてきますか?」
「…」
放心状態、か…こうなったらここに放置していかないとな。
「一応言っておきますが、彼は吸血鬼で、その吸血鬼はゴブリンを支配下に置いています。そのため、ここで全て倒しきらなければ近くの村や街を襲って増殖します。そうなると、こちらも面倒なので諦めて下さい。
まあ、私としては人間がいくら死のうが関係ありませんが」
「…ガッ」
「おや、まさかとは思いますが、まだ彼を信じているのですか?私に攻撃してくるとは…」
「お前は敵だ…」
「…ああ、なるほど。それは勘違いです。
私は、人間の敵なのではなく、正しく言えば興味がないので関係ないといった感じですね。
まあ、助けを求められたのならば私の暇つぶしなどになる場合は手を貸す場合もあるでしょうけど」
「…つまり、人間の味方をするということか?」
「いえ、違います。私は、どの種族からでも暇つぶしならば助けます」
「…なら、〈誘惑の魔女〉の味方をもか?」
「さあ、どうでしょう。
私はこの森に住んでいますので、その方が誰かは知りませんので」
「…魔王の幹部だ。生まれた時、忌み子として捨てられた者が魔王に拾われて俺たち人間に牙を剥いた…化け物だ」
「忌み子、ですか」
俺も忌み子だが…どうも俺とは違う感じっぽいな。
「どういった力を持っているのですか?」
「…詳しくは分からない。だが、スキル名は【色欲】。敵も味方も魅了して戦争を滅茶苦茶にしていくってのはわかっている」
「なるほど…興味深いスキルですね」
「…味方をするのか?」
「さあ、気分次第じゃないですかね?私とは違うようですが、私も一応その忌み子という分類に入るらしいですし」
「…待て、それはおかしい。忌み子は全部で7人と決まっているんだ。しかも、その7人はまだ健在している筈だから…」
「そんなこと言われても、私も忌み子と言われてますので知りませんよ。
ああ、ついでです。その忌み子について、情報を少しくれませんか?」
「…確か、傲慢・強欲・憤怒・暴食・怠惰・色欲・嫉妬の7人で、確認されている中で男は全部で傲慢、強欲、憤怒の3人。
女は色欲、嫉妬、怠惰の3人な筈だ」
「…暴食はどうなのですか?」
「忌み子の連中は知っているらしいが…俺には分からない」
「なるほど、ありがとうございました」
やっぱ、俺のスキルはその中にはなかったな。となると…1度会ってみたいものだ。ついでにそれらのスキルの回収も…
「ちなみに、魔王の手下に居るのは色欲と嫉妬だ」
『気配察知』
…ふーむ、魔王が集めているって言っていたが、どうやら魔王自体が暴食の忌み子っぽいな。他の4人は…全員が人間の味方っぽい?
というか、その内の2人、傲慢・強欲に至っては王国と帝国の国王…ん?待てよ、何故忌み子なのに加護を…ああ、なるほど。個人にでは無く、王族に与えているのか。となると…この2人は直ぐに見つけられる。
だが、残りの2人を探すのは少し骨が折れそうだな。
「…ああ、なるほど。これは本当に厄介ですね」
「?お、おい…」
あの吸血鬼、水晶かなにかにずっと語り掛けていると思っていたら、魔力を通して通信する魔道具だったっぽいな。
しかも、相手は魔王と…うん、干渉さえ出来たら能力だけならコピーできそうだな。
「うーん、水晶に魔力を通しているが…あそこに俺も魔力を入れたら干渉出来そうだな」
…よし、干渉完了。しかも、気付かれてないな。
『鑑定』
『
強奪Lv.2に上昇しました。
存在を強奪しました。
存在を獲得した為、その存在が所持していた物を獲得しました
』
…ん?存在を強奪?それに、なんかマークが目線上に…まあ、これは後でで良いか。
よし、それじゃあ早速この吸血鬼を殺し…あ、そうだ。吸血鬼で閃いた。
『吸年樹』
…うん、設置型として使う技だから動いてない奴かそこに嵌るのを待たないといけないが、良さそうだな。
『
寿命を吸収しました。
魔力を吸収しました。
SPを吸収しました。
』
「…へぇ、こりゃ便利だな」
強奪でも同じようにスキルとSPを同時に回収出来てるようだな。
「…あ、しまった。ゴブリンの方にも技が反映されているな。まあ、別に良いか」
さて、ここは…うん、全部埋めておくか。
『無限収納、土魔法』
「…これで終了と。それでは、これで解散としましょう…
あ、一つだけ。
私の事を噂してもよろしいですが、魔女という名だけは付けないでください」
「お、男だったのか!?」
「いえ、違いますよ。今は女です。ですが、私は男にも女にもなれますので、魔女というのはこの姿限定になるんですよね。
例えば…ほら、これなら貴方も知っているような孤独な少年の姿になるだろ?ま、孤独ではないが」
「ッ!?な、何故お前がこんな所に…」
「これだけ攻撃手段を蝶で増やしていてもかなり防がれているな。これじゃあ気絶するまでダメージを与え続けるってのも無理か」
あ…うん、これなら行けそうだ。できるかは分からないが…取り敢えず思い付いたんだし試してみよう。
『爆撃蝶﹣巨蝶﹣』
SPの消費…はないな。てことは、技の改良にはSPは必要ないってことだ。
蝶を沢山出すんじゃなく、一つにまとめて大きくしてみたが…威力は十分、だが大きいせいかスピードが少し遅く、当たり判定もかなりデカくなってるせいで遠距離持ちとかには不利だな。
「…お?気絶…いや、ダメージ的にもこんなに早く終わるわけないんだが…ああ、なるほど。リミットが終わったか…うーん、勝負的には引き分け…いや、ダメージ量的に若干こっちが負けてるか」
まあ、こっちはノーダメな訳だが…
「さて、こいつが起きるまで攻めるまで待つのが筋なんだが…気配察知的にはもう1人で突っ込んだ方が良さそうだな。嫌な予感はしていたものの、確証はなかったが…ゴブリンがあの吸血鬼に従っている…感じだな」
ゴブリンは、繁殖力が高いがその分弱い…が、そこら辺の村人よりかは強い。
そして、男は食料、女は苗床となる…
うん、このまま放っておけば数が増えすぎて収拾が付かなくなりそうだな。
「ん…ッ!す、すまん…」
「いえ、大丈夫です。それより、貴方の友人の救出の件ですが…予定変更です。今すぐにでも彼を殺しに向かいます。
嫌な予感はしていましたが…」
「待て、何故そうなる?」
「…彼は敵です。貴方のでも私のでもないですが…まあ、人間の敵ですね。
しかも、厄介な方の…そのため、ここで排除します。着いてきますか?」
「…」
放心状態、か…こうなったらここに放置していかないとな。
「一応言っておきますが、彼は吸血鬼で、その吸血鬼はゴブリンを支配下に置いています。そのため、ここで全て倒しきらなければ近くの村や街を襲って増殖します。そうなると、こちらも面倒なので諦めて下さい。
まあ、私としては人間がいくら死のうが関係ありませんが」
「…ガッ」
「おや、まさかとは思いますが、まだ彼を信じているのですか?私に攻撃してくるとは…」
「お前は敵だ…」
「…ああ、なるほど。それは勘違いです。
私は、人間の敵なのではなく、正しく言えば興味がないので関係ないといった感じですね。
まあ、助けを求められたのならば私の暇つぶしなどになる場合は手を貸す場合もあるでしょうけど」
「…つまり、人間の味方をするということか?」
「いえ、違います。私は、どの種族からでも暇つぶしならば助けます」
「…なら、〈誘惑の魔女〉の味方をもか?」
「さあ、どうでしょう。
私はこの森に住んでいますので、その方が誰かは知りませんので」
「…魔王の幹部だ。生まれた時、忌み子として捨てられた者が魔王に拾われて俺たち人間に牙を剥いた…化け物だ」
「忌み子、ですか」
俺も忌み子だが…どうも俺とは違う感じっぽいな。
「どういった力を持っているのですか?」
「…詳しくは分からない。だが、スキル名は【色欲】。敵も味方も魅了して戦争を滅茶苦茶にしていくってのはわかっている」
「なるほど…興味深いスキルですね」
「…味方をするのか?」
「さあ、気分次第じゃないですかね?私とは違うようですが、私も一応その忌み子という分類に入るらしいですし」
「…待て、それはおかしい。忌み子は全部で7人と決まっているんだ。しかも、その7人はまだ健在している筈だから…」
「そんなこと言われても、私も忌み子と言われてますので知りませんよ。
ああ、ついでです。その忌み子について、情報を少しくれませんか?」
「…確か、傲慢・強欲・憤怒・暴食・怠惰・色欲・嫉妬の7人で、確認されている中で男は全部で傲慢、強欲、憤怒の3人。
女は色欲、嫉妬、怠惰の3人な筈だ」
「…暴食はどうなのですか?」
「忌み子の連中は知っているらしいが…俺には分からない」
「なるほど、ありがとうございました」
やっぱ、俺のスキルはその中にはなかったな。となると…1度会ってみたいものだ。ついでにそれらのスキルの回収も…
「ちなみに、魔王の手下に居るのは色欲と嫉妬だ」
『気配察知』
…ふーむ、魔王が集めているって言っていたが、どうやら魔王自体が暴食の忌み子っぽいな。他の4人は…全員が人間の味方っぽい?
というか、その内の2人、傲慢・強欲に至っては王国と帝国の国王…ん?待てよ、何故忌み子なのに加護を…ああ、なるほど。個人にでは無く、王族に与えているのか。となると…この2人は直ぐに見つけられる。
だが、残りの2人を探すのは少し骨が折れそうだな。
「…ああ、なるほど。これは本当に厄介ですね」
「?お、おい…」
あの吸血鬼、水晶かなにかにずっと語り掛けていると思っていたら、魔力を通して通信する魔道具だったっぽいな。
しかも、相手は魔王と…うん、干渉さえ出来たら能力だけならコピーできそうだな。
「うーん、水晶に魔力を通しているが…あそこに俺も魔力を入れたら干渉出来そうだな」
…よし、干渉完了。しかも、気付かれてないな。
『鑑定』
『
強奪Lv.2に上昇しました。
存在を強奪しました。
存在を獲得した為、その存在が所持していた物を獲得しました
』
…ん?存在を強奪?それに、なんかマークが目線上に…まあ、これは後でで良いか。
よし、それじゃあ早速この吸血鬼を殺し…あ、そうだ。吸血鬼で閃いた。
『吸年樹』
…うん、設置型として使う技だから動いてない奴かそこに嵌るのを待たないといけないが、良さそうだな。
『
寿命を吸収しました。
魔力を吸収しました。
SPを吸収しました。
』
「…へぇ、こりゃ便利だな」
強奪でも同じようにスキルとSPを同時に回収出来てるようだな。
「…あ、しまった。ゴブリンの方にも技が反映されているな。まあ、別に良いか」
さて、ここは…うん、全部埋めておくか。
『無限収納、土魔法』
「…これで終了と。それでは、これで解散としましょう…
あ、一つだけ。
私の事を噂してもよろしいですが、魔女という名だけは付けないでください」
「お、男だったのか!?」
「いえ、違いますよ。今は女です。ですが、私は男にも女にもなれますので、魔女というのはこの姿限定になるんですよね。
例えば…ほら、これなら貴方も知っているような孤独な少年の姿になるだろ?ま、孤独ではないが」
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