傀儡といしの蜃気楼 ~消えた王女を捜す旅から始まる、夢の世界のものがたり~

遠野月

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悪夢の回廊

泉からはじまる

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   ≪悪夢の回廊≫


 そこは、静かな圧迫感に満ちていた。

 暗闇の中から意識を取りもどした三人は、ドーム状の石室の中にいた。壁として組まれている石はひとつひとつなめらかに磨かれていて、ふれると氷のように冷たかった。

 ラトスはぐるりと見回してみたが、そこには出入口のような扉はなかった。隅のほうに、三人を転送させた黒い転送石があるのみである。

 石室の中央には、円形の小さな泉があった。泉の中心からは、水が湧きあがっていた。湧くいきおいが増して、ゆっくりと水が隆起する。水はそのまま宙に浮きあがって、大きな水の球体になり、空中で静止した。そしてゆっくりと降りて、泉の中にもどっていく。大きな波紋を作って、泉は元の姿にもどった。
 しばらくながめていると、泉はまたゆっくりと隆起した。大きな水の球体が、宙に浮きあがったり、下がったりするのを繰り返しているようだった。
 それはずいぶんと不思議な光景だったが、ラトスとメリーはあまり驚かなかった。

「慣れてきましたね。なんか、こういうの……」
「本当にな」

 慣れというよりは、麻痺に近いかもしれないとラトスは思った。
 ラトスもメリーも、何かに心がゆれるほどの余裕は、とうに使い果たしていた。ラトスは自嘲気味に口元をゆがませる。メリーも絞るような笑い声をこぼして、上下する水の球体を目で追うのだった。

 不思議な泉の前には、真っ白で長い髭をたくわえた老人が立っていた。
 老人は泉のほうを見てじっとしていたが、ラトスたちが近付いてくるのを感じると、頭を少しだけゆらした。皴の中に隠れていたほそい目を薄っすらと開け、視線だけ三人のほうに向ける。

 セウラザは先行して、老人に声をかけた。老人は顔を動かさず、細長い皴のような目の中から視線だけをセウラザに向けた。

「今は、扉を開けられるだろうか」

 黙っている老人に向かって、セウラザは静かな声で言った。
 扉とは何だろうか。ラトスは不思議に思って、その場で改めて見回してみた。黒い転送石以外に、扉になるようなものは見当たらない。

「少し待てば……開けられるじゃろう」
「助かる」

 老人の言葉に、セウラザは礼を言う。
 ふり返って、少し離れたところで待っていたラトスとメリーに、大丈夫そうだと声をかけた。

「少し待つみたいだが?」
「そうだが、すぐに開けるはずだ」

 セウラザはそう言うと、理由はこの先ですぐに分かるとだけ言い加えて、もう一度老人のほうに向き直った。

 ラトスとメリーは、狭い石室の中でただ待っているのも疲れるので、セウラザの後につづいて泉の近くに歩み寄った。三人が近寄ってきても、老人はじっと動かず、泉の中をのぞいていた。

「この方は、回廊の番人だ」

 老人を横目にして泉をのぞく二人に、セウラザは番人と呼んだ老人を手のひらで指しながら言った。そして悪夢の回廊につづく扉を封じているのだと言い加えた。

「どこに扉があるんだ?」
「それは、ここだ」

 セウラザは、目の前にある泉を指差した。
 指の動きにつられて泉を見下ろすと、足首までしか浸からないほどの浅い泉が目に入った。だが、湧きあがっている水と、宙に浮きあがっている水を足すと泉からあふれるほどの水量なのではないかと思えた。ラトスは水の中に扉があるのかと問うと、セウラザは似たようなものだと言ってうなずいた。

「……今なら、開けるじゃろう」

 泉の底をじっと見ていた番人の老人が、小さな声をこぼした。

「ありがたい。では、開いていただけるだろうか」
「……行先は、どうするね」

 番人の老人は少しだけ顔を上げ、皴のようなほそい目をセウラザに向けて言った。
 老人の言葉を受けて、セウラザはラトスのほうへふり返る。目的地である王女の個の夢の世界につなげるため、王女の名を番人に示すようにと言った。
 なるほどと思い、ラトスは隣にいたメリーを一度見た。彼女はラトスとセウラザの顔を交互に見ると、何も言わずに小さくうなずいた。

「……それなら、行先は」

 セウラザからラトスに視線を移していた老人の顔を見て、ラトスは口を開いた。
 老人は、真っ白な長い髪と髭の中に、皴だらけの顔を収めていた。
 表情はまったく読み取れなかったが、皴の中にあるほそい目は深く鋭く光っていた。その鋭い光は、ラトスが口を少し動かすたびに、ほそい目の奥で細かく左右にふるえた。ラトスはその鋭い光が、自分の唇をとおして心の奥底まで読み取ろうとしているのではないかと思った。

「行先は……エイスガラフ王国の第一王女。フィノア=エル=エイスザードの夢の世界」

 老人の目に気圧されながら、ラトスは王女の名を伝えた。
 老人はその声を最後まで聞いてから、しばらくラトスの顔をのぞいていた。やがて泉に顔を向けると、水の底をじっと見はじめた。
 すると、足首よりも浅かったはずの泉は、突然底が見えないほど深くなった。メリーは大きな声をあげて驚き、泉の底をのぞきこんだ。石室の中はあまり明るくなかったので、泉の底には光がとどかず、真っ黒な水になったようにも見えた。

 やがて宙に浮きあがっていた大きな水の球体が、ゆっくりと降りてきた。水面に、少しふれる。水面は水の球体の動きに合わせて、何度も波紋を広がらせた。泉を取り囲んでいる石の淵に、水の波を何度も打ち付ける。
 水面に降りてきた水の球体は、表面を波立たせながらとどまっていた。番人の老人が、水の球体に向けて両手を伸ばす。その手の動きにあわせて、水の球体の中心がゆっくりと凹みはじめた。凹んだところは、徐々に大きく凹んでいく。老人が腕を伸ばし切ったところで、水の球体に大きな穴が開き、泉の上には大きな水の輪ができあがった。

「これが……扉?」

 メリーは目を大きく見開いて、深く息を吐きだしながら言った。
 泉の上にできあがった水の輪は、人一人がやっととおれるくらいの穴を維持していた。よく見てみると、完全に穴が開いているわけではなく、薄い水の膜が穴をふさいでいた。水の膜はメリーから吐きだされた声に合わせて、ゆらゆらと表面をふるわせた。

「感謝する」

 セウラザは、番人の老人に一礼した。
 老人は水の輪に向かって両手を伸ばしたまま、少しだけ頭を縦にふった。

「長くは開けられない。行こう」

 水の輪を背にして、セウラザはラトスとメリーに声をかけた。
 メリーは少し呆けた顔をして水の輪を見ていたが、セウラザの声を受けて我に返ったようだ。跳ねるようにして彼に向き直り、深くうなずいた。その彼女の動きで、肩の上に乗っていたペルゥは目を覚ましたらしい。大きくあくびをすると、目の前にできあがっている水の輪を見て、小さな前足を屈伸させた。

「行くんだね」
「行きましょう! ペルゥ!」
「よーし! 飛び込めー!」

 ペルゥの元気な声に乗せられて、メリーは泉の石の淵に足をかけた。
 一度、ラトスとセウラザにふり返る。行きましょうと声をかけると、飛ぶように水の輪へ身を投げた。
 飛び出したメリーの身体が、水の輪に張っている薄い膜にふれる。膜はかすかにゆれて、破れることなくメリーの身体を飲みこんだ。ラトスは反射的に水の輪の反対側に首を伸ばしてみたが、そこにメリーの姿は無かった。

 気持ちの勢いだけで走り出せるのはすごいものだと、ラトスは感心した。間を置かずに、セウラザが彼女の後を追おうとしている。どうやらゆっくり考えている時間もないほど、扉は開けていられないらしい。

 泉の石の淵を蹴って、セウラザも水の輪に飛び込む。
 薄い膜はまたかすかにゆれたが、水の音もせず、波紋も作らずにセウラザの身体を飲みこんだ。その光景は、よく考えてみると恐ろしいものに思えたが、逡巡している暇はなさそうだった。ラトスは泉の石の淵に足をかけて、上体を少し下げた。

 石の淵にかけた足に、力を入れる。
 飛び出す直前、横目で番人の老人を見た。老人は両手を伸ばしたまま、少しだけ頭をラトスのほうに向けていた。その顔はやはり、表情を読み取ることができなかった。皴のようなほそい目の奥に、黒い光がかすかにゆれていた。

 ラトスは石の淵を蹴って、飛び上がった。
 水の輪がせまってくる。右手を少し前にだして薄い膜にふれさせると、膜はかすかにゆれた。膜にふれた部分は、何も感じなかった。何にもふれた感覚もなく、水の冷たさも感じず、ラトスの身体は右手を先頭にして膜の中に吸いこまれた。

 水の輪を通過した瞬間、ラトスの目に映った場所は、小さな石室ではなかった。
 そこは暗い空間で、先に水の輪へ飛びこんだ二人が立っていた。ラトスは暗闇に足元をとられないように、前方と足元を確認しながら、片手を突いて着地した。その音に気付いて、少しはなれて立っていたメリーがラトスのほうにふり向いた。

 足の下は、黒い石が敷き詰められていた。
 手のひらでその黒い石畳をなでてみると、黒い塵がふわりと立ち上がった。塵はしばらく手にまとわりつくようにただよっていたが、何処からか流れてきた重苦しい風に運ばれて、消えた。
 風に運ばれていく黒い塵を追うようにして、ラトスは顔を上げる。すぐ傍にまで、メリーが駆け寄ってきていた。彼女は不安そうな表情で彼を見る。少し目をほそめながら肩をすくめ、おびえるように辺りを見回した。

「ここが悪夢の回廊か」

 メリーと同じように辺りを見回しながら、ラトスは深く息を吐きだした。

 辺りは陰気な暗さが広がっていた。
 足元の黒い石畳は、どうやら道の一部らしい。薄暗い空間をつらぬくように、黒い道が伸びていた。道は上下左右に曲がりくねっていて、急な斜面になっているようなところもあった。道の左右には、道に添うように等間隔に柱がならんでいた。

 ラトスは目をほそめて、遠くのほうまで伸びている黒い石畳の道をじっと見た。石畳の道も、道に沿ってならんでいる柱も、遠くになればなるほどゆがんでいた。それは、まるで陽炎のようだった。

 後ろをふり向くと、この陰気な場所に来る前に見た不思議な泉があった。
 しかし、そこには水の輪は無かった。泉は隆起もせず、水の塊が浮かびあがってもいなかった。ただ静かに、水が湧きあがっているだけの泉だった。

 どこに水の輪が消えたのだろうと思って、ラトスは泉にふれようとしたが、隣にいたセウラザがそれを止めた。

「泉に触れるときは、帰る時だ」
「これが出入り口なのか?」
「そうだ。回廊の番人は泉を通してこちらを見ている」

 セウラザは泉を指差しながら言うと、そこからひるがえった。
 彼は、薄暗い空間に伸びている黒い石畳の道を見る。釣られてラトスもひるがえった。すると黒い石畳の道のずいぶん先のほうに、異様な姿形をした獣が立っているのが見えた。獣はじっとこちらを見据えながら、ひたひたと歩き、近付いてきた。

 獣は、陽炎のようにゆらゆらとゆれていた。
 近付いてくると、その姿ははっきりとした形になって見えてきた。
 獣は狼のような姿をしていたが、前足は短く、地に足が付いていなかった。だが、前足が地に付いているかのようにして、四つ這いのかっこうで歩いてきていた。獣の頭を見ると、右にひとつ、左にふたつ、目があった。口は閉じていたが、口の中に収まりきらないのか、三本の舌がだらりと口の隙間から垂れ下がっていた。

「あれは、≪夢魔≫だ」
「≪夢魔≫……。あいつが」
「泉の扉は、夢魔が出入りできないように常に閉ざされている。回廊の番人は、夢魔が近くにいない時だけ扉を開けられるのだ」
「……なるほど、ね」

 セウラザの言葉にうなずきながら、ラトスは腰の短剣に手をかけた。
 まだ夢魔が現れたことに気付いていないメリーに声をかけ、後ろに下がるように言う。

「うわ!? 何ですか、あれ!?」

 メリーが叫ぶと同時に、狼のような獣が走りだした。
 あわててメリーは腰の剣をぬこうとしたが、彼女の動きはおそいかかる獣に間にあいそうもない。ラトスは獣に向かって走りだし、腰の短剣をぬいた。柄を強くにぎり、剣先を獣に向ける。

「伏せろ!」

 ラトスの声と共に、空気を切り裂くような音が鋭くひびきわたった。
 その音は、ラトスの手から発していた。鋭い音に驚いたメリーは、おそいかかってくる獣からラトスのほうに目を向けた。そこにはラトスの短剣があった。短剣の刃は空気を切り裂くようにして、一直線にメリーに向かって伸びてきていた。メリーは驚いて身をすくめ、上体を後ろに引いた。引くと同時に、迫ってくる獣のほうに顔を向ける。眼前には、狼のような獣の頭がせまってきていた。

 獣は大きく口を開いていた。口からはだらりと下がった三つの舌がゆれていて、赤黒い唾液がしたたっていた。その上には三つの目がメリーの姿をしっかりととらえていて、ギラリと鈍く光りながら彼女に突進してきた。
 メリーはあまりの恐ろしさに声をあげようとしたが、ほそい息が口から途切れ途切れにぬけていくだけだった。

 直後、メリーに向かって伸びてきていたラトスの短剣の剣先が、獣の頭部に横から突き刺さった。獣は口元をゆがませて頭をねじったが、横から突き立てられた刃は深く食いこんでいって、やがて獣の頭部をつらぬいた。

 ビクリと何度も脈打つように頭と身体をふるわせて、狼のような獣の動きは止まった。垂れ下がった三つの舌からは、赤黒い唾液とあざやかな血がしたたり、獣の下にいるメリーの顔にぼたぼたと重々しい音をたてながら落ちていた。
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