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第一章
1の05 第二王女 スメルト
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私とスメルトは同じ年という事で、小さな頃はよく一緒に過ごした。
ほぼ毎日、勉強も遊びも食事も一緒だった。
同じ年でも、スメルトが生まれる少し前に私が拾われたので、私が姉となる。
だが、成長速度はスメルトの方が圧倒的に早かった。
ラメール人は元々他民族より成長が早いらしい。
その中でもスメルトは特に早熟だったのだろう。
5才の時には、スメルトは10才位の感じ。
倍ぐらいの成長の差があった。
早熟な分賢く、一度私を打ったら私の侍女が騒いだので、それ以降は私の侍女にバレない様に言葉による暴力を浴びせる様になった。
――あの時は、私の侍女はその場にいなかった。
その場から離れる様に仕向けられていた様だ。
私の侍女の監視の目が無いなか、スメルトはいつもより大声でいつも通りの言葉を浴びせて来た。
『その髪も目も超キモチワル~~イ!』
『アンタの肌、何なの? 白すぎ。 オエッ』
『アンタさァ、みんなにバケモノって言われてるよ』
『みんなアンタの事、大っ嫌いって言ってる』
『死ねばいいってみんな思ってるから』
『そんな‥‥
髪も目もお母様は『綺麗だ』って言ってくれて‥』
『同情よ!
そんな気持ち悪い色、キレイなワケないじゃん!
それとさ、王妃様はアンタのお母様じゃないから!
王妃様はアンタを拾っただけ!
アンタは捨て子なの!』
『そ、そんな‥‥
お母様は、私のお母様だって言ってた‥』
『お母様ァ、ちょっと来てぇ!』
『どうしたの、スメルト?
ソレに虐められたの?』
『ふふん、ほら!
私のお母様と私、ソックリでしょ?
でもアンタと王妃様は何にも似てないじゃん!
分かった?
アンタにはお母様なんていないの!』
『ま~~、スメルトったら!
そのバカに説明したって分かるワケないでしょう?
バカなんだから!
うわ、気持ち悪いからコッチ見てんじゃないよ!
このバケモノがッ!』
スメルトの母はスメルトよりも感情に正直で、私を踏み潰そうと足を上げた。
後ろから体も倍大きいスメルトにガッチリ捕まえられて逃げることも出来ない。
私の顔目掛けて迫って来る靴底を、すんでのところで駆け込んで来た私の侍女が間に入ってくれて、私の代わりに骨を折る事になった。
この事件があって以来、スメルトと過ごさなくてもよくなった。
が、それでもスメルトは顔を合わせる度に耳元で罵詈雑言を囁いて来た。
王妃陛下が亡くなってからは、誰に気兼ねする事もなくなったとばかりに、わざわざ私を待ち伏せしてはギャンギャンと大声でがなり立てて来る。
『早くここを出て行けよ!
バケモノがッ!
陛下の子供でもないクセに、図々しいんだよッ!』
『みんな『気持ち悪い』って言ってる!
今までは王妃陛下に忖度して言わなかっただけ!
アンタの友達だって、影では『死ねばいいのに』って言ってるからね!』
『さっさと王妃陛下の後を追えよ!
死ね死ね死ね死ね死ね‥‥あぁ早く!
早く死ねーーーーッ!』
顔を歪ませ怒鳴り続けるスメルト。
狂っている様にしか見えない。
それとも狂ったふりをしているのか‥‥
皆と違う自分の色‥‥
王妃陛下が私を第一王女にした事。
そのいずれも自分ではどうする事も出来ない。
どうする事も出来ない!
‥‥だから、気にしたってしょうがない。
そう自分に言い聞かせるのも間に合わないほど、
『みんなが気持ち悪い、醜い、見たくないと言っている、存在自体が罪、死ね!』
とスメルトに怒鳴られる。
‥‥‥お前こそ死ね。
ほぼ毎日、勉強も遊びも食事も一緒だった。
同じ年でも、スメルトが生まれる少し前に私が拾われたので、私が姉となる。
だが、成長速度はスメルトの方が圧倒的に早かった。
ラメール人は元々他民族より成長が早いらしい。
その中でもスメルトは特に早熟だったのだろう。
5才の時には、スメルトは10才位の感じ。
倍ぐらいの成長の差があった。
早熟な分賢く、一度私を打ったら私の侍女が騒いだので、それ以降は私の侍女にバレない様に言葉による暴力を浴びせる様になった。
――あの時は、私の侍女はその場にいなかった。
その場から離れる様に仕向けられていた様だ。
私の侍女の監視の目が無いなか、スメルトはいつもより大声でいつも通りの言葉を浴びせて来た。
『その髪も目も超キモチワル~~イ!』
『アンタの肌、何なの? 白すぎ。 オエッ』
『アンタさァ、みんなにバケモノって言われてるよ』
『みんなアンタの事、大っ嫌いって言ってる』
『死ねばいいってみんな思ってるから』
『そんな‥‥
髪も目もお母様は『綺麗だ』って言ってくれて‥』
『同情よ!
そんな気持ち悪い色、キレイなワケないじゃん!
それとさ、王妃様はアンタのお母様じゃないから!
王妃様はアンタを拾っただけ!
アンタは捨て子なの!』
『そ、そんな‥‥
お母様は、私のお母様だって言ってた‥』
『お母様ァ、ちょっと来てぇ!』
『どうしたの、スメルト?
ソレに虐められたの?』
『ふふん、ほら!
私のお母様と私、ソックリでしょ?
でもアンタと王妃様は何にも似てないじゃん!
分かった?
アンタにはお母様なんていないの!』
『ま~~、スメルトったら!
そのバカに説明したって分かるワケないでしょう?
バカなんだから!
うわ、気持ち悪いからコッチ見てんじゃないよ!
このバケモノがッ!』
スメルトの母はスメルトよりも感情に正直で、私を踏み潰そうと足を上げた。
後ろから体も倍大きいスメルトにガッチリ捕まえられて逃げることも出来ない。
私の顔目掛けて迫って来る靴底を、すんでのところで駆け込んで来た私の侍女が間に入ってくれて、私の代わりに骨を折る事になった。
この事件があって以来、スメルトと過ごさなくてもよくなった。
が、それでもスメルトは顔を合わせる度に耳元で罵詈雑言を囁いて来た。
王妃陛下が亡くなってからは、誰に気兼ねする事もなくなったとばかりに、わざわざ私を待ち伏せしてはギャンギャンと大声でがなり立てて来る。
『早くここを出て行けよ!
バケモノがッ!
陛下の子供でもないクセに、図々しいんだよッ!』
『みんな『気持ち悪い』って言ってる!
今までは王妃陛下に忖度して言わなかっただけ!
アンタの友達だって、影では『死ねばいいのに』って言ってるからね!』
『さっさと王妃陛下の後を追えよ!
死ね死ね死ね死ね死ね‥‥あぁ早く!
早く死ねーーーーッ!』
顔を歪ませ怒鳴り続けるスメルト。
狂っている様にしか見えない。
それとも狂ったふりをしているのか‥‥
皆と違う自分の色‥‥
王妃陛下が私を第一王女にした事。
そのいずれも自分ではどうする事も出来ない。
どうする事も出来ない!
‥‥だから、気にしたってしょうがない。
そう自分に言い聞かせるのも間に合わないほど、
『みんなが気持ち悪い、醜い、見たくないと言っている、存在自体が罪、死ね!』
とスメルトに怒鳴られる。
‥‥‥お前こそ死ね。
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