人魚姫とよばれた美少女は、王子様を助けた為に魔女にゴブリンにされましたが全く問題ありません

ハートリオ

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第三章

3の01 離宮は朝から大騒ぎ!

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「なッッ、何て事だ!
何て事をしてくれたんだァァァッ!?」



王家の離宮 ”湖の貴婦人 ”に、第二王子フラットの怒号が響く。

『妖しの沼の魔女』が口を尖らせる。



「何だよ、僕は、第二王子殿下の注文通りに魔法を掛けただけだよ!
誰にも文句言われる筋合いなんて無いよッ!
モーレイ、そうだろうッ!」



『妖しの沼の魔女』にそう言われ、モーレイはいつもより高めの声を張り上げて、大袈裟に困った様子をして見せる。



「まぁぁ、とんだ手違いですわぁ!
まだ魔法を解くための準備が出来ていなかったんですのよぉぉ?
準備が済んでから、魔法を掛けて頂きたかったんですのにぃぃ‥‥」

「はぁぁ!?
そんな事、言ってなかったろう!?
当然、準備済みだろうって思うじゃん!
モーレイ、アンタ大至急だとしか‥‥」

「私もビックリなんですのぉ!
だって、フラット殿下ったら、まだシレーヌ様にキスすらしていなかったなんて!
3年間、ほぼ毎日離宮に通っておいでになって、キスもまだなんて、誰も思いませんでしょう!?
もう、とーーーっくにキスぐらい、済ませていると思っていましたの!
わざわざ『準備』する必要なんて無いって‥‥」

「あ―――ッ、煩い!
したくたって、シレーヌ姫はいまだ15才!
子供に手を出すわけにいかないだろうがッ!
今回、魔法を掛ける前に、事情を話してキスするつもりだったのにッ!」


「ちゅまい、わーちは、もう人間に戻いぇゆ、一生ゴブインのまま、ってこと?」



第二王子、その従姉のモーレイ、実はモーレイとは三つ子の姉妹の『妖しの沼の魔女』の3名がガァガァ言い争っている側で、小さなゴブリンが核心に迫る。

この小さなゴブリンは、朝起きて、朝食の為に食堂に向かおうとしていたところ、突然現れた黒目黒髪の見知らぬ人に魔法を掛けられ、人間からゴブリンに変身させられた少女――

ゴブリンになりたてホヤホヤのシレーヌである。
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