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第三章
3の15 聖女はサッサと言いくるめたい
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沈黙。
まるで質量の無い、だからこそ軽くない沈黙が場を満たし、やがて除けられる。
「‥‥なッ!?
何を言っている!?
行方不明になってから3年間、手を尽くして探しても見つからなかったレイが、ゴ」
「王宮敷地内でのゴブリンの目撃情報は私の耳にも届いています。
神殿が保護しているという事も‥‥
まさか、そのゴブリンが、私のレイだと!?
何故レイがゴブリンに?」
ズバリ真実を口にした聖女マーリン。
対して国王陛下は狼狽え、王妃陛下は目を吊り上げる。
「『妖しの沼の魔女』の仕業ですわ。
『真実の愛』を見極める為の魔法‥‥」
「なッ‥‥!?
『テュナ王国』を滅ぼしたという、あの!?
ああ、そんな恐ろしい魔法をレイに!?
一体、誰が、何の為に‥」
「それは分かりませんわ!
それは分かりません!
それは分かりませんけど‥‥
解く方法はあるんです!」
「何ッ、真実か!?」
「確か、ゴブリンに変身する前に口付けした事がある相手と‥‥」
「ええ、私と口付けすればいいのです!
幸い、この私が婚約式で口付けを交わしています!
さすがに王妃陛下は御存知ですのね!」
「今日‥試して‥失敗‥した」
「「「‥‥ッ!」」」
力無く聖女の隣に座る第二王子が既に試してダメだった事をばらしてしまう。
(よ‥‥余計な事を!
ま、また魅了が解けかかってる!?
さっき掛け直したばかりなのに!?
何なのよ、王族!
国王や王妃も掛かりづらいし、頑張れば掛けられるけど、こちらの体力がガッツリ持ってかれるのよ!
上手く言いくるめるのがベストなのに、邪魔しないでよ!
ああもう、サッサと話を終わらせないと‥‥!)
ボロが出る前に話を終わらせたい聖女。
それなのに、今度は王妃が厳しい声で訊いて来る。
「そうね‥‥多くのカップルが挑戦したけど、成功した例は無いはずよ。
『我らの愛こそ真実』と豪語するカップルたちが挑戦しては悲惨な結末を迎えた。
殺人事件や無理心中事件にまで発展するに至って、その魔法は禁止された‥‥
いいえ、確か禁止された一番の理由は、魔法を掛ける対価として、カップルたちは貧民街で買った人を魔女に支払ったから。
あまりの非人道的行為に、絶対禁止になったはず。
何故、私のレイがその禁忌の魔法の犠牲に!?」
まるで質量の無い、だからこそ軽くない沈黙が場を満たし、やがて除けられる。
「‥‥なッ!?
何を言っている!?
行方不明になってから3年間、手を尽くして探しても見つからなかったレイが、ゴ」
「王宮敷地内でのゴブリンの目撃情報は私の耳にも届いています。
神殿が保護しているという事も‥‥
まさか、そのゴブリンが、私のレイだと!?
何故レイがゴブリンに?」
ズバリ真実を口にした聖女マーリン。
対して国王陛下は狼狽え、王妃陛下は目を吊り上げる。
「『妖しの沼の魔女』の仕業ですわ。
『真実の愛』を見極める為の魔法‥‥」
「なッ‥‥!?
『テュナ王国』を滅ぼしたという、あの!?
ああ、そんな恐ろしい魔法をレイに!?
一体、誰が、何の為に‥」
「それは分かりませんわ!
それは分かりません!
それは分かりませんけど‥‥
解く方法はあるんです!」
「何ッ、真実か!?」
「確か、ゴブリンに変身する前に口付けした事がある相手と‥‥」
「ええ、私と口付けすればいいのです!
幸い、この私が婚約式で口付けを交わしています!
さすがに王妃陛下は御存知ですのね!」
「今日‥試して‥失敗‥した」
「「「‥‥ッ!」」」
力無く聖女の隣に座る第二王子が既に試してダメだった事をばらしてしまう。
(よ‥‥余計な事を!
ま、また魅了が解けかかってる!?
さっき掛け直したばかりなのに!?
何なのよ、王族!
国王や王妃も掛かりづらいし、頑張れば掛けられるけど、こちらの体力がガッツリ持ってかれるのよ!
上手く言いくるめるのがベストなのに、邪魔しないでよ!
ああもう、サッサと話を終わらせないと‥‥!)
ボロが出る前に話を終わらせたい聖女。
それなのに、今度は王妃が厳しい声で訊いて来る。
「そうね‥‥多くのカップルが挑戦したけど、成功した例は無いはずよ。
『我らの愛こそ真実』と豪語するカップルたちが挑戦しては悲惨な結末を迎えた。
殺人事件や無理心中事件にまで発展するに至って、その魔法は禁止された‥‥
いいえ、確か禁止された一番の理由は、魔法を掛ける対価として、カップルたちは貧民街で買った人を魔女に支払ったから。
あまりの非人道的行為に、絶対禁止になったはず。
何故、私のレイがその禁忌の魔法の犠牲に!?」
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