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1 「運命を… 動かしてみようか」
17 謎の修道女を連れ出せ! 2
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カード宮殿小謁見室。
ブリッジ修道院に潜入した第13騎士団の3名が馳せ参じ調査結果を報告する。
その内容は――
現在、ブリッジ修道院に4公国が隠している女性は8名。
名前、年令、容姿、出自など個人情報は完全に伏せられている。
誰が誰を隠しているのかも。
分かっているのは隠している側の貴人は4公国の君主――
スペード公王、ハート公王、ダイヤ公王、クローバー公王であるという事。
以上。
ブァキィッ
「「「ヒィィッ」」」
「申し訳ございません!」
「手は尽くしたのですが」
「何分ガードが固くて‥」
第13騎士団の3名は半ベソ状態で俯く。
自分達の不甲斐無い調査報告に陛下はご不満なのだと胸を痛めている。
「‥誰が‥」
「――は?」
「彼女は8才の時にこの宮殿から拉致されたのだ。
犯人は4公国の君主のいずれかであったか!
一体4公国の誰が彼女を拉致したのだ!?」
美しい手に形を変えた金属製のカップを握りしめた皇帝は銀眼に危険な光を走らせる。
第13騎士団は常に危険な任務を担っている。
中でもこの3人は凶悪犯――ヤバい奴と闘う事が多い。
だが…
3人は揃って思う。
今まで出会ったどの凶悪犯よりも静かに怒る陛下の方がずっと怖いッ!!
剛の者として豪胆に生きて来た3人。
『縮み上がる』感覚を初めて知る。
「陛下、今は一刻も早くその女性を確保する事が肝要かと。
我が修道院から研修の名目でブリッジ修道院に修道女を送り込むのは如何でしょう?――修道女が8名の中からその女性を特定し、第13騎士団が連れ出すのは?」
ポーカー修道院長が提案する。
別に呼ばれていないのだが『乗り掛かった舟』とばかりに今日の報告会に自ら手を挙げ参加して来たのである。
(何せ、帝国の将来がかかっている最重要案件だからな――
帝国修道院としても出来る限り力になりたい)
――というのは建前で、どうやら陛下を前にした痺れる様な緊張感がクセになってしまった変態さんの様である。
チ、と第13騎士団の一人が小さく舌打ちする。
「簡単に仰ってくれますな。
警備が異常と言っていいブリッジ修道院から女性を連れ出すのはかなり難しい――
大きな危険を伴います。それに第一、その『預け人』の8名だって特定できていないのです――そこから始めなければならないのですよ?」
「では他に何かいい案でもお持ちかな?」
「それは――
い、今考え中だ!」
「気の長い事だな。
だが陛下はお急ぎなのだ。
他に名案が無いのなら――」
「失敗した時のリスクの話をしているのです!
その女性が危険に晒される様な事は避けねばならぬと!」
「何故失敗すると決めつけているのだ?
第13騎士団は団長が変わってから随分と不甲斐無くなったものだ」
「「「何ぃ!?」」」
「あの、私に一つ考えがございます」
強面のポーカー修道院長と第13騎士団の精鋭3名が一触即発の状態で睨み合うなか、ヒリつく空気をものともせず爽やかな声を上げたのは若手近衛騎士。
若手と言っても超難関である近衛騎士になれた超優秀な彼は赤紫の瞳に鴇色の髪を持つ華やかで爽やかなイケメン、25才。
名は――そう、レケンスである。
そんなキラキラしい若手近衛騎士に対し、ポーカー修道院長と第13騎士団3名が『若造は黙ってろ』とばかりに睨みつける。
若手近衛騎士は恐いお兄さん達の鬼の様な視線を無視して恐ろしくも美しい銀眼だけを訴える様に見つめる。
「自信がある様だな。
言ってみろ」
声を張っているわけでもないのに何故か床から壁から天井に響き渡るバス。
部屋にいる全員がその声に従い傾聴の姿勢を取る。
「‥はい。
『連れ出す』のではなく、『連れて来させる』というのはどうでしょう?」
――!?――
何を言っているのだ?
それが出来ないから困っているのではないか!
愚かな若造が!
恐いお兄さん達が睨み殺す勢いで見て来るがレケンスは真っ直ぐに銀眼だけを見つめる。
お兄さん達の目よりもずっと恐ろしい銀眼。
その銀眼を真っ直ぐ見つめるレケンスの眼は忠誠心で満ちている。
実際、レケンスの忠誠心は皇帝ではなくアステリスカスに対するものだが、皇帝は気付くはずもなく。
フと『影』を思い出し皇帝の胸に痛みが走る。
(あれもこんな眼で俺を見たな…)
「…詳しく話せ」
「!!‥はいっ!
先ずは――」
レケンスは『策』を進言する。
ブリッジ修道院に潜入した第13騎士団の3名が馳せ参じ調査結果を報告する。
その内容は――
現在、ブリッジ修道院に4公国が隠している女性は8名。
名前、年令、容姿、出自など個人情報は完全に伏せられている。
誰が誰を隠しているのかも。
分かっているのは隠している側の貴人は4公国の君主――
スペード公王、ハート公王、ダイヤ公王、クローバー公王であるという事。
以上。
ブァキィッ
「「「ヒィィッ」」」
「申し訳ございません!」
「手は尽くしたのですが」
「何分ガードが固くて‥」
第13騎士団の3名は半ベソ状態で俯く。
自分達の不甲斐無い調査報告に陛下はご不満なのだと胸を痛めている。
「‥誰が‥」
「――は?」
「彼女は8才の時にこの宮殿から拉致されたのだ。
犯人は4公国の君主のいずれかであったか!
一体4公国の誰が彼女を拉致したのだ!?」
美しい手に形を変えた金属製のカップを握りしめた皇帝は銀眼に危険な光を走らせる。
第13騎士団は常に危険な任務を担っている。
中でもこの3人は凶悪犯――ヤバい奴と闘う事が多い。
だが…
3人は揃って思う。
今まで出会ったどの凶悪犯よりも静かに怒る陛下の方がずっと怖いッ!!
剛の者として豪胆に生きて来た3人。
『縮み上がる』感覚を初めて知る。
「陛下、今は一刻も早くその女性を確保する事が肝要かと。
我が修道院から研修の名目でブリッジ修道院に修道女を送り込むのは如何でしょう?――修道女が8名の中からその女性を特定し、第13騎士団が連れ出すのは?」
ポーカー修道院長が提案する。
別に呼ばれていないのだが『乗り掛かった舟』とばかりに今日の報告会に自ら手を挙げ参加して来たのである。
(何せ、帝国の将来がかかっている最重要案件だからな――
帝国修道院としても出来る限り力になりたい)
――というのは建前で、どうやら陛下を前にした痺れる様な緊張感がクセになってしまった変態さんの様である。
チ、と第13騎士団の一人が小さく舌打ちする。
「簡単に仰ってくれますな。
警備が異常と言っていいブリッジ修道院から女性を連れ出すのはかなり難しい――
大きな危険を伴います。それに第一、その『預け人』の8名だって特定できていないのです――そこから始めなければならないのですよ?」
「では他に何かいい案でもお持ちかな?」
「それは――
い、今考え中だ!」
「気の長い事だな。
だが陛下はお急ぎなのだ。
他に名案が無いのなら――」
「失敗した時のリスクの話をしているのです!
その女性が危険に晒される様な事は避けねばならぬと!」
「何故失敗すると決めつけているのだ?
第13騎士団は団長が変わってから随分と不甲斐無くなったものだ」
「「「何ぃ!?」」」
「あの、私に一つ考えがございます」
強面のポーカー修道院長と第13騎士団の精鋭3名が一触即発の状態で睨み合うなか、ヒリつく空気をものともせず爽やかな声を上げたのは若手近衛騎士。
若手と言っても超難関である近衛騎士になれた超優秀な彼は赤紫の瞳に鴇色の髪を持つ華やかで爽やかなイケメン、25才。
名は――そう、レケンスである。
そんなキラキラしい若手近衛騎士に対し、ポーカー修道院長と第13騎士団3名が『若造は黙ってろ』とばかりに睨みつける。
若手近衛騎士は恐いお兄さん達の鬼の様な視線を無視して恐ろしくも美しい銀眼だけを訴える様に見つめる。
「自信がある様だな。
言ってみろ」
声を張っているわけでもないのに何故か床から壁から天井に響き渡るバス。
部屋にいる全員がその声に従い傾聴の姿勢を取る。
「‥はい。
『連れ出す』のではなく、『連れて来させる』というのはどうでしょう?」
――!?――
何を言っているのだ?
それが出来ないから困っているのではないか!
愚かな若造が!
恐いお兄さん達が睨み殺す勢いで見て来るがレケンスは真っ直ぐに銀眼だけを見つめる。
お兄さん達の目よりもずっと恐ろしい銀眼。
その銀眼を真っ直ぐ見つめるレケンスの眼は忠誠心で満ちている。
実際、レケンスの忠誠心は皇帝ではなくアステリスカスに対するものだが、皇帝は気付くはずもなく。
フと『影』を思い出し皇帝の胸に痛みが走る。
(あれもこんな眼で俺を見たな…)
「…詳しく話せ」
「!!‥はいっ!
先ずは――」
レケンスは『策』を進言する。
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