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2 四花繚乱
20 スペード公女カリステプス 1
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スペード公国、ハート公国、ダイヤ公国、クローバー公国。
馬車パレードの先頭だったのはスペード公国である。
スペード公王、公妃、そして公女カリステプスが案内を受けて謁見の間へ進む。
それほど歩かされず着いた部屋は宮殿を何度か訪れた事があるスペード公王も知らない部屋である。
公王が知っている広く豪奢な謁見の間とは別の、豪奢ではあるがこじんまりとした落ち着いた空間。
皇帝との距離もかなり近くなる。
公王自身も娘以上に緊張する。
皇帝とは何度か会った事はあるが、何度会っても初回と同様に緊張してしまう。
それほどに皇帝は尊い存在なのである。
「よく来てくれた。
突然の招待に応じてくれて感謝する」
「ははっ、ありがたき幸せ‥」
頭を垂れたまま公王が挨拶口上を述べ終わるのを待つ公妃と公女。
(お父様の口上は大体5分ぐらいよね。
待つのメンクサ。
それにしても皇帝陛下の声って低いのね‥
こ、声は随分と素敵よね?
静かだけど力があってオジサンの声も悪くないわね‥
違う、そうだわ、嫌われなきゃ!
フラフラして足腰の弱さをアピールよ!
足腰の弱いわたくしは妊娠出産に不利で~す!)
などと思いながらフラフラ…
と、低く素敵な皇帝の声が。
「堅苦しい挨拶は不要である。
公王の宝、家族の紹介をしてくれ」
「ははっ、こちらに控えますのは我が妃の‥」
(!…お父様の長挨拶を省略して下さった?
もしかしてわたくしがフラついているから気を遣って下さった!?
まさかね…そんなはずないわよね?
皇帝陛下もメンクサなだけよね?)
「‥ハゥッ‥」
(‥ん?
お母様が息を呑んだ?
そう言えばお母様も皇帝陛下に拝謁するのは初めてなのよね。
皇帝陛下は徹底した女嫌いでたとえ公王の家族でもカード宮殿に入る事を許して来なかったとか…となると、今回、4家族、計8名の女子がカード宮殿に招かれたって凄い事なのかしら…そう言えば宮殿侍女も年寄りばかりだったわ…男女共に年寄りになれば『性欲塗れの浅ましさ』は薄まるものね…それにしても彼女達が着てた制服可愛かったわぁ…)
「あ、あの、お初にお目にかかりますわぁ…
ここ、光栄、に存じますぅ…
わ、わ、わたくしはぁ…」
(‥はぁ!?
お母様の声が一オクターブ高い!?
しかも帝国語は堪能なくせに偽カタコト。
コレって獲物…見目麗しい殿方を前にしたお母様のクソあざといいつもの手。
ずっと頭を垂れているからよく分からないけど、皇帝陛下は玉座に座っておられて、その1段下の両隣りに多分近衛騎士が立っている様だったから…ソレね。
近衛騎士のどちらかもしくは両方がお母様の大好物――若いイケメンなんだわ。
お母様はこんな緊張の場面でも通常営業ね…)
「そしてこちらが我が娘、スペード公国第一公女カリステプス、18才になります。
カリステプス、皇帝陛下に御挨拶を」
(‥っと、わたくしの番ね。
首を刎ねられない程度に嫌われるって難しいけどやるしかないわ!)
「お初にお目に‥ハゥッ‥!」
父に促され、意識してガサツに顔を上げ、挨拶を口にし始めたスペード公国公女カリステプスは絶句する。
理由は明瞭。
時が止まったからだ。
馬車パレードの先頭だったのはスペード公国である。
スペード公王、公妃、そして公女カリステプスが案内を受けて謁見の間へ進む。
それほど歩かされず着いた部屋は宮殿を何度か訪れた事があるスペード公王も知らない部屋である。
公王が知っている広く豪奢な謁見の間とは別の、豪奢ではあるがこじんまりとした落ち着いた空間。
皇帝との距離もかなり近くなる。
公王自身も娘以上に緊張する。
皇帝とは何度か会った事はあるが、何度会っても初回と同様に緊張してしまう。
それほどに皇帝は尊い存在なのである。
「よく来てくれた。
突然の招待に応じてくれて感謝する」
「ははっ、ありがたき幸せ‥」
頭を垂れたまま公王が挨拶口上を述べ終わるのを待つ公妃と公女。
(お父様の口上は大体5分ぐらいよね。
待つのメンクサ。
それにしても皇帝陛下の声って低いのね‥
こ、声は随分と素敵よね?
静かだけど力があってオジサンの声も悪くないわね‥
違う、そうだわ、嫌われなきゃ!
フラフラして足腰の弱さをアピールよ!
足腰の弱いわたくしは妊娠出産に不利で~す!)
などと思いながらフラフラ…
と、低く素敵な皇帝の声が。
「堅苦しい挨拶は不要である。
公王の宝、家族の紹介をしてくれ」
「ははっ、こちらに控えますのは我が妃の‥」
(!…お父様の長挨拶を省略して下さった?
もしかしてわたくしがフラついているから気を遣って下さった!?
まさかね…そんなはずないわよね?
皇帝陛下もメンクサなだけよね?)
「‥ハゥッ‥」
(‥ん?
お母様が息を呑んだ?
そう言えばお母様も皇帝陛下に拝謁するのは初めてなのよね。
皇帝陛下は徹底した女嫌いでたとえ公王の家族でもカード宮殿に入る事を許して来なかったとか…となると、今回、4家族、計8名の女子がカード宮殿に招かれたって凄い事なのかしら…そう言えば宮殿侍女も年寄りばかりだったわ…男女共に年寄りになれば『性欲塗れの浅ましさ』は薄まるものね…それにしても彼女達が着てた制服可愛かったわぁ…)
「あ、あの、お初にお目にかかりますわぁ…
ここ、光栄、に存じますぅ…
わ、わ、わたくしはぁ…」
(‥はぁ!?
お母様の声が一オクターブ高い!?
しかも帝国語は堪能なくせに偽カタコト。
コレって獲物…見目麗しい殿方を前にしたお母様のクソあざといいつもの手。
ずっと頭を垂れているからよく分からないけど、皇帝陛下は玉座に座っておられて、その1段下の両隣りに多分近衛騎士が立っている様だったから…ソレね。
近衛騎士のどちらかもしくは両方がお母様の大好物――若いイケメンなんだわ。
お母様はこんな緊張の場面でも通常営業ね…)
「そしてこちらが我が娘、スペード公国第一公女カリステプス、18才になります。
カリステプス、皇帝陛下に御挨拶を」
(‥っと、わたくしの番ね。
首を刎ねられない程度に嫌われるって難しいけどやるしかないわ!)
「お初にお目に‥ハゥッ‥!」
父に促され、意識してガサツに顔を上げ、挨拶を口にし始めたスペード公国公女カリステプスは絶句する。
理由は明瞭。
時が止まったからだ。
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