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2 四花繚乱
34 ハート公女ペルシクム 4
「コレはダイヤ公国のキャンディーです。
ちゃんと色ごとに味も違うんですよ!
お菓子がお好きなハート公女殿下にぜひ食べて頂きたくてお持ちしました!」
「まぁ、わたくしに、わざわざ?」
「はい!
良かったら――ですが…
いかがですか?」
ふくよかで薄い顔のアセビが頬を染めて笑えば、人の良さそうな、親切な感じしか受けない。
同世代の女性との関りが少なく、『友人』に憧れているペルシクム。
こんな感じで同世代の女性と話せた経験も無く、嬉しさに舞い上がっている。
アセビの濃紅の瞳の奥の企みにはまるで気付けない…
「ありがとう。
お気遣い嬉しいわ。
喜んで頂くわね」
そう言いながらキャンディーの瓶を受け取る。
「良かった!
高貴な御方のお口に合うかどうか心配ですが…」
「美味しそうよ。
どんな味がするか楽しみだわ」
「私のお薦めはその桃色の――ハート公女殿下の美しい桃色の髪と似た綺麗で可愛い桃色のキャンディーです!
甘酸っぱくて…あ、説明は野暮ですね!
どうぞ、今すぐ食べてみて下さい!」
「‥え、今すぐ?」
「はい!
感想をお聞かせ下さると嬉しいです!
今後もお口に合った色のキャンディーを贈らせて頂きたく思うのは不敬でしょうか…」
アセビのいじらしい申し出にすっかりやられてしまったペルシクム。
「まぁ、嬉しい事を言ってくれるのね。
分かったわ、味見させて頂くわね」
と言いながらイソイソと瓶の蓋を開け――
「お待ちなさい」
静かで柔らかい、だが凛とした女性の声にペルシクムの動きが止まる。
と同時に、アセビの顔が一瞬醜悪に歪んだのを見て、ペルシクムはハッとする。
(わたくしは今、何をしようとして――!?
よく知らない、しかも皇帝陛下のお后候補として敵対関係にある他国の公女の専属侍女から渡された得体の知れないモノを毒見も経ずに口に入れようと――
な、何て愚かなッ!)
フラリとよろめいたペルシクムを柔らかく支え、同時にスッとペルシクムとアセビの間に体を入れる女性。
「――ッッ!
‥クッ‥」
キャンディーを食べさせるのに失敗したアセビは『かくなる上は』と武器になりそうなものを素早く探していたが。
女性がペルシクムを隠してしまったのを見て、その女性に揺るぎない圧倒的な存在の強さを感じて、アセビの体は意志に背いて後退りする。
「あ、お母…様…」
「‥ひッ‥」
アセビは今まで出会った事が無い強い『気』でアセビを圧倒した女性がハート公妃だと知り大慌てで深く頭を垂れる。
(こ、これがハート公妃…!
私が知っているダイヤ公妃とは比べ物にならない『気』を発している!
まるで化物――か、勝てるわけないッ)
体の芯からガクガク震えるアセビ。
そこへ――
ちゃんと色ごとに味も違うんですよ!
お菓子がお好きなハート公女殿下にぜひ食べて頂きたくてお持ちしました!」
「まぁ、わたくしに、わざわざ?」
「はい!
良かったら――ですが…
いかがですか?」
ふくよかで薄い顔のアセビが頬を染めて笑えば、人の良さそうな、親切な感じしか受けない。
同世代の女性との関りが少なく、『友人』に憧れているペルシクム。
こんな感じで同世代の女性と話せた経験も無く、嬉しさに舞い上がっている。
アセビの濃紅の瞳の奥の企みにはまるで気付けない…
「ありがとう。
お気遣い嬉しいわ。
喜んで頂くわね」
そう言いながらキャンディーの瓶を受け取る。
「良かった!
高貴な御方のお口に合うかどうか心配ですが…」
「美味しそうよ。
どんな味がするか楽しみだわ」
「私のお薦めはその桃色の――ハート公女殿下の美しい桃色の髪と似た綺麗で可愛い桃色のキャンディーです!
甘酸っぱくて…あ、説明は野暮ですね!
どうぞ、今すぐ食べてみて下さい!」
「‥え、今すぐ?」
「はい!
感想をお聞かせ下さると嬉しいです!
今後もお口に合った色のキャンディーを贈らせて頂きたく思うのは不敬でしょうか…」
アセビのいじらしい申し出にすっかりやられてしまったペルシクム。
「まぁ、嬉しい事を言ってくれるのね。
分かったわ、味見させて頂くわね」
と言いながらイソイソと瓶の蓋を開け――
「お待ちなさい」
静かで柔らかい、だが凛とした女性の声にペルシクムの動きが止まる。
と同時に、アセビの顔が一瞬醜悪に歪んだのを見て、ペルシクムはハッとする。
(わたくしは今、何をしようとして――!?
よく知らない、しかも皇帝陛下のお后候補として敵対関係にある他国の公女の専属侍女から渡された得体の知れないモノを毒見も経ずに口に入れようと――
な、何て愚かなッ!)
フラリとよろめいたペルシクムを柔らかく支え、同時にスッとペルシクムとアセビの間に体を入れる女性。
「――ッッ!
‥クッ‥」
キャンディーを食べさせるのに失敗したアセビは『かくなる上は』と武器になりそうなものを素早く探していたが。
女性がペルシクムを隠してしまったのを見て、その女性に揺るぎない圧倒的な存在の強さを感じて、アセビの体は意志に背いて後退りする。
「あ、お母…様…」
「‥ひッ‥」
アセビは今まで出会った事が無い強い『気』でアセビを圧倒した女性がハート公妃だと知り大慌てで深く頭を垂れる。
(こ、これがハート公妃…!
私が知っているダイヤ公妃とは比べ物にならない『気』を発している!
まるで化物――か、勝てるわけないッ)
体の芯からガクガク震えるアセビ。
そこへ――
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