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72 どうして
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ゾンビの様に両手をルミエに向けて近づいて来るヤンディ。
その目は血走り目の下には黒い隈が出来何かブツブツ言っている口からはヨダレが垂れている。
「お前さえ居なくなればッ」
「‥!」
「全て元通りになるッ…ザート様は私を婚約者にしてくれるッ…そう、そうよッ」
すっごくダメなヤツ。
ヤンディの中でルミエを殺す事は決定事項で間違いない。
なのにルミエは金縛り状態で魔法も使えない!
え、私死ぬの!?
駄目!
私にはやる事があるの!
王女達を解放してバロア王を倒して…
何より――
お兄様…
お兄様に会えなくなるなんて絶対嫌だ!
ガッ!
「‥ッ!!」
ヤンディの手がルミエの首を締め上げる!
苦しい!
苦しいのに――
「‥何よッ平気な顔しちゃって!」
平気なワケが無い!
ただルミエには幼い頃より身に付いている母の掟がある。
今平気に見えているのは掟《無反応のススメ》が発動中なのである。
「バカにしてんのねッ!死ね、死ねぇッ!」
更にグイグイ首を締めあげられ――
「‥はぁ!?何ニヤケてんのよッ!?」
まさか。
この苦しさでニヤケる者などいない。(Mの人はどうか分からない)
朦朧とする意識の中で《無表情のススメ》が発動しているのだ。
《無表情のススメ》の中で敵意が無い事を示す為にアルカイックスマイルを推奨している。薄れる意識の中でルミエは母の掟を実践しているのだ。
「あーーッもーーッ!ホントマジ不気味!
…そうよ、お前はブキミ令嬢…その顔も体も相応しくないのよッ!
‥この高さから落ちたら丁度いいんじゃない?
顔も体もグッチャグチャになるわ!いい気味!」
(‥え!?ウソ‥待っ‥)
ヤンディはルミエの首から手を離し。
「死ねぇぇぇぇぇ!!」
叫びながら思いっきりルミエを突き落とす!
(あぁ…終わり…魔法が使えれば…ダメ…どうして…)
落ちながらもルミエの体は少しも動かない。
(…どうして…
どうして…
どうして…)
動いたところで助かりはしないが物の様に床に激突するのは哀しすぎ‥
(‥どうして私にこんな事をするのお母様ッ!?)
ルミエの心の奥の方からの叫び。
(‥え‥あぁそう、そうだわ‥私に憑いているのはお母様‥私が不幸にならない様に死んでも尚側で守ろうとしてくれるお母様を感じた時拒絶なんて出来ないと…無意識に何も気付かない様にしたんだわ)
【ルミエ!こういう時は何もしないのが1番なのだ!】
(‥ハッ‥お母様!‥何もしなければ死あるのみなのよ!?魔法を使わせて!私死にたくない!)
【大丈夫だ!‥あぁホラ!リーがルミエを受け止めてくれるぞ!リー、ナイス!】
(え!?‥ハッ!)
ひらひら落ちて行くルミエの視線の先に――
(お兄様!?‥何故ここに【さすがリーだ、ルミエを心配してここを捜し当てたのだ!】‥ダメ!どいてお兄様!【ルミエ?リーに受け止めてもらうのだ】‥ッお母様はッ)
ルミエの目から涙が溢れる。
その目は血走り目の下には黒い隈が出来何かブツブツ言っている口からはヨダレが垂れている。
「お前さえ居なくなればッ」
「‥!」
「全て元通りになるッ…ザート様は私を婚約者にしてくれるッ…そう、そうよッ」
すっごくダメなヤツ。
ヤンディの中でルミエを殺す事は決定事項で間違いない。
なのにルミエは金縛り状態で魔法も使えない!
え、私死ぬの!?
駄目!
私にはやる事があるの!
王女達を解放してバロア王を倒して…
何より――
お兄様…
お兄様に会えなくなるなんて絶対嫌だ!
ガッ!
「‥ッ!!」
ヤンディの手がルミエの首を締め上げる!
苦しい!
苦しいのに――
「‥何よッ平気な顔しちゃって!」
平気なワケが無い!
ただルミエには幼い頃より身に付いている母の掟がある。
今平気に見えているのは掟《無反応のススメ》が発動中なのである。
「バカにしてんのねッ!死ね、死ねぇッ!」
更にグイグイ首を締めあげられ――
「‥はぁ!?何ニヤケてんのよッ!?」
まさか。
この苦しさでニヤケる者などいない。(Mの人はどうか分からない)
朦朧とする意識の中で《無表情のススメ》が発動しているのだ。
《無表情のススメ》の中で敵意が無い事を示す為にアルカイックスマイルを推奨している。薄れる意識の中でルミエは母の掟を実践しているのだ。
「あーーッもーーッ!ホントマジ不気味!
…そうよ、お前はブキミ令嬢…その顔も体も相応しくないのよッ!
‥この高さから落ちたら丁度いいんじゃない?
顔も体もグッチャグチャになるわ!いい気味!」
(‥え!?ウソ‥待っ‥)
ヤンディはルミエの首から手を離し。
「死ねぇぇぇぇぇ!!」
叫びながら思いっきりルミエを突き落とす!
(あぁ…終わり…魔法が使えれば…ダメ…どうして…)
落ちながらもルミエの体は少しも動かない。
(…どうして…
どうして…
どうして…)
動いたところで助かりはしないが物の様に床に激突するのは哀しすぎ‥
(‥どうして私にこんな事をするのお母様ッ!?)
ルミエの心の奥の方からの叫び。
(‥え‥あぁそう、そうだわ‥私に憑いているのはお母様‥私が不幸にならない様に死んでも尚側で守ろうとしてくれるお母様を感じた時拒絶なんて出来ないと…無意識に何も気付かない様にしたんだわ)
【ルミエ!こういう時は何もしないのが1番なのだ!】
(‥ハッ‥お母様!‥何もしなければ死あるのみなのよ!?魔法を使わせて!私死にたくない!)
【大丈夫だ!‥あぁホラ!リーがルミエを受け止めてくれるぞ!リー、ナイス!】
(え!?‥ハッ!)
ひらひら落ちて行くルミエの視線の先に――
(お兄様!?‥何故ここに【さすがリーだ、ルミエを心配してここを捜し当てたのだ!】‥ダメ!どいてお兄様!【ルミエ?リーに受け止めてもらうのだ】‥ッお母様はッ)
ルミエの目から涙が溢れる。
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