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キラーチルドレン
復讐③
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今のオレはあの、お姉さまに瓜ふたつ。彼女は、やっぱり愛人だった。それもここのボスの。交換条件とは自由の身。
「お願いよ、助けて……」
彼女はクラブの歌姫だったが、無理矢理、愛人にさせられた。
「愛してる人が居るの」
オレは彼女から武器が置いてある場所を聞き出し変装して武器庫へと移動中。
「おい、何処へ行く?」
後ろから声を掛けられ、振り向くとニッコリ微笑みながら言う。
「あら、ご苦労さま」
男はボスの愛人だと分かると背筋を伸ばし頭を下げた。
「あっ、マリアさん。すみませんが此処は社員以外立ち入り禁止ですので……」
恐縮して話す男にマリアは最大級の微笑みを向け誘惑する。
「そうだったわね。だけど、退屈で仕方ないの、あなた時間があれば私と遊んでくださらない?」
肩に手を這わして、しなだれかかる。男は目を見張ったが、彼女の『つまみ食い』は聞いたことがあったので、手を引かれるまま部屋へ入って来た。
オレはソファーに寝そべり男を呼ぶ。途端に、ギラギラした目付きで押し倒して来た男にクッションを押し付け一発撃ち込んだ。
グラリと傾いで倒れて行く男を冷静に見つめ、男の背広の内ポケットから鍵と銃を取り部屋を後にする。
今度の銃はサイレンサー付きの自動連発銃で、オレは満足気にニコリと微笑み歩を進める。
見張りの連中は三人。正面から近付きながら銃を構える――
「何だ? テメエ……」
先ず一人目、次々に発砲していく。あっという間に三人とも額を撃ち抜き悠々とドアの中へ。
出て来た時のオレは戦闘服に身を包み、持てるだけの武器を携帯した戦争へ行く兵士の様な出立ちだった。
◇◇◇
最後の願いは? と問われたなら、オレはこう言うだろう。
お願いです。あと少しだけでいい、生かして下さいと――
戦闘準備は万全に。この状況で他に何が出来る? 後は神に祈るしかオレには残されてない。
頼れるのは自分の力だけ。ならば、最期の悪あがきをしよう。
マリアとの約束を果たすため、オレは教えてもらったボスの部屋へと行く。不思議に見張りは居なくて部屋へとすんなり入る。
「レイジ、観念するんだな」
こめかみに押し付けられた冷たい感触。覚悟を決めて振り向くと、奴がマリアを抱え立っていた。マリアの体は、暴行の痕がそこかしこに見える。
「レイジ、何故逃げたりした?」
拳銃で狙いながらオレに問う。オレは引き攣った笑いを顔に浮かべ言った。
「殺れよ。あんな処へ戻るぐらいなら死んだほうがマシだ」
奴は無言で引き金を引いた。オレじゃなくマリアに。
声すら出せずにドサリと崩れ落ちるマリア。
「なんでマリアなんだ? オレを殺せと言ったのに!」
奴はオレが持ってる拳銃を取り上げ、信じられない事を言った。
「コイツは裏切り者だからな。それに、愛人ならお前がいる」
そう言うと、俺の服をナイフで切り裂いた。
「なんだ、そうなら早く言ってくれれば良いのに」
ニッコリとオレは微笑み、奴を押し倒し唇を重ねて、隠し持っていた拳銃を心臓に押し当て言った。
「一丁だけだと思った? 甘いよ……死にな」
拳銃の音が鳴り響き奴はビックリした顔で地獄へ旅立って行った。
マリアの傍に行きパッチリとした瞳を閉ざし、くちづける。
「約束を守れなくてゴメンね」
思わぬ時間が掛った。急いでここから出なければ。予め仕掛けて置いた時限装置の時間が迫っていた。
「お願いよ、助けて……」
彼女はクラブの歌姫だったが、無理矢理、愛人にさせられた。
「愛してる人が居るの」
オレは彼女から武器が置いてある場所を聞き出し変装して武器庫へと移動中。
「おい、何処へ行く?」
後ろから声を掛けられ、振り向くとニッコリ微笑みながら言う。
「あら、ご苦労さま」
男はボスの愛人だと分かると背筋を伸ばし頭を下げた。
「あっ、マリアさん。すみませんが此処は社員以外立ち入り禁止ですので……」
恐縮して話す男にマリアは最大級の微笑みを向け誘惑する。
「そうだったわね。だけど、退屈で仕方ないの、あなた時間があれば私と遊んでくださらない?」
肩に手を這わして、しなだれかかる。男は目を見張ったが、彼女の『つまみ食い』は聞いたことがあったので、手を引かれるまま部屋へ入って来た。
オレはソファーに寝そべり男を呼ぶ。途端に、ギラギラした目付きで押し倒して来た男にクッションを押し付け一発撃ち込んだ。
グラリと傾いで倒れて行く男を冷静に見つめ、男の背広の内ポケットから鍵と銃を取り部屋を後にする。
今度の銃はサイレンサー付きの自動連発銃で、オレは満足気にニコリと微笑み歩を進める。
見張りの連中は三人。正面から近付きながら銃を構える――
「何だ? テメエ……」
先ず一人目、次々に発砲していく。あっという間に三人とも額を撃ち抜き悠々とドアの中へ。
出て来た時のオレは戦闘服に身を包み、持てるだけの武器を携帯した戦争へ行く兵士の様な出立ちだった。
◇◇◇
最後の願いは? と問われたなら、オレはこう言うだろう。
お願いです。あと少しだけでいい、生かして下さいと――
戦闘準備は万全に。この状況で他に何が出来る? 後は神に祈るしかオレには残されてない。
頼れるのは自分の力だけ。ならば、最期の悪あがきをしよう。
マリアとの約束を果たすため、オレは教えてもらったボスの部屋へと行く。不思議に見張りは居なくて部屋へとすんなり入る。
「レイジ、観念するんだな」
こめかみに押し付けられた冷たい感触。覚悟を決めて振り向くと、奴がマリアを抱え立っていた。マリアの体は、暴行の痕がそこかしこに見える。
「レイジ、何故逃げたりした?」
拳銃で狙いながらオレに問う。オレは引き攣った笑いを顔に浮かべ言った。
「殺れよ。あんな処へ戻るぐらいなら死んだほうがマシだ」
奴は無言で引き金を引いた。オレじゃなくマリアに。
声すら出せずにドサリと崩れ落ちるマリア。
「なんでマリアなんだ? オレを殺せと言ったのに!」
奴はオレが持ってる拳銃を取り上げ、信じられない事を言った。
「コイツは裏切り者だからな。それに、愛人ならお前がいる」
そう言うと、俺の服をナイフで切り裂いた。
「なんだ、そうなら早く言ってくれれば良いのに」
ニッコリとオレは微笑み、奴を押し倒し唇を重ねて、隠し持っていた拳銃を心臓に押し当て言った。
「一丁だけだと思った? 甘いよ……死にな」
拳銃の音が鳴り響き奴はビックリした顔で地獄へ旅立って行った。
マリアの傍に行きパッチリとした瞳を閉ざし、くちづける。
「約束を守れなくてゴメンね」
思わぬ時間が掛った。急いでここから出なければ。予め仕掛けて置いた時限装置の時間が迫っていた。
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