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17 貴方の隣に立つために、私は王妃になります
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あの後、
エストラージュ侯爵家は、無事(?)祖父が当主に復帰した。
が、あの父のせいで、それはもう大変なことになっていた。
領地運営は有能な秘書のおかげでまだマシだったが、クレヴィス家に食い物にされていた商会はボロボロだった。
だってとんでもない取引してるんですもの、見識ある部下は苦言を呈したおかげで軒並みクビにされていたわ。
残った人材は、やる気がないか、どさくさに紛れて悪さをする様なロクでもない者ばかり。
祖父は毎日休む間もなく残務処理に追われているらしい。
殿下が差し向けて下さったお手伝いという名の監視人によって、それはもう容赦無く。
でももう良いお年ではあるので、壊さない程度でお願いしますとは言っておいたわ。
だってあと20年頑張っていただかないといけないものね?
私は正式に殿下の婚約者となって、エストラージュの邸から出て、王宮にお部屋を賜り住むことになった。
王太子妃教育といずれは王妃教育も必要だとかで。
なかなかに忙しくしている。
まぁ、ライオネルのレポートをやらされてた不毛だった頃に比べれば、やりがいもあって楽しいわ。
でも本当は、
“エストラージュ危機”での残党(?)やアズロ派から狙われるのを殿下が心配したから。
、、、もっとも、サイラス様は、
「アリア様と少しでも一緒にいたいからですよ。」
なんて仰って、殿下に打たれていたけれど。
お二人は本当に仲が良くていらっしゃる。
、、、噂になっても仕方ないわよね?
他に人がいると、よそ行きの仮面を付けているお二人だけど、私の前では素顔で居て下さる。
それが、お仲間に入れて頂けたみたいでとても嬉しい。
そうしているうちに、あっという間に2年の月日が流れていった。
今日は私の卒業式。
晴れて、成人として認められる。
エスト王国の貴族は、学園を卒業しなければ成人として認められないから。
「お待たせ致しました、アリア様。お支度が整いましたが、いかがでしょう?」
ドレスや髪を整えてくれていた侍女達が声をかけてくれる。
閉じていた瞼を開けて、鏡の中の自分を見る。
アレク様が選んで下さった、彼の色のドレスを纏った自分の姿。
「ありがとう、とても素敵だわ。」
にっこりと自然に笑顔が溢れてしまう。
「アリア、支度はできたかい?」
「アレク様。」
「うん、とても似合うね。凄く綺麗だよ。」
「ふふふ、ありがとうございます。」
アレク様は、私の卒業式でエスコートをして下さるの。
我が学園では、卒業式の最後に成績優秀者の表彰が行われる。
筆記試験での優秀者5名と、
剣術や馬術等の実技試験での優秀者5名。
更に総合での優秀者5名。
私は筆記試験での優秀者に選ばれた。
女生徒では、かの伝説の才女アリーチェ様以来の快挙。
私の母も手にする事はできなかった。
だから、絶対に取ると決めていたの。
アレク様の隣に少しでも自信を持って立てるように。
この2年の間に、情勢はずいぶん変わった。
アズロ派は悪事が晒されて失脚したのだ。
陛下も流石に事態をお認めになり、責任を取って王位を降りられる事が決まった。
つまり、あと半年後には、アレク様が王になる。
同時に私との結婚式が執り行われる事になっている。
私は王太子妃を飛び越えて、いきなり王妃になるのだ。
不安がないと言えば嘘になる。
だって、まだ成人したばかりの小娘だ。
けれど、アレク様を支えると決めたから。
「さぁ、行こうか?アリア。卒業おめでとう。」
「ありがとうございます。」
にっこりと微笑み合う。
さぁ、しっかりと前を向いて。
貴方と共に生きていく為に、
私はもうすぐ王妃になります。
( fin )
✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎
エストラージュ侯爵家編、とりあえず完結です。
お付き合い下さった方本当にありがとうございました。
❤️や栞をつけてお話を追いかけて下さった方、とっても嬉しかったです。
前作エストロジア編のスピンオフ的なお話となります。
どっちを先にupするか、凄く悩んだんです。
なので、続けての投下となりました。
個人的にアレクくんが1番のお気に入りなので、幸せにしてあげたかったので(笑)。
この後、本日18:00にオマケを1話、
その後、エピローグを3話、こちらも毎日18:00にあげる予定です。
よろしければ、もう少しお付き合い下さると嬉しいです。
エストラージュ侯爵家は、無事(?)祖父が当主に復帰した。
が、あの父のせいで、それはもう大変なことになっていた。
領地運営は有能な秘書のおかげでまだマシだったが、クレヴィス家に食い物にされていた商会はボロボロだった。
だってとんでもない取引してるんですもの、見識ある部下は苦言を呈したおかげで軒並みクビにされていたわ。
残った人材は、やる気がないか、どさくさに紛れて悪さをする様なロクでもない者ばかり。
祖父は毎日休む間もなく残務処理に追われているらしい。
殿下が差し向けて下さったお手伝いという名の監視人によって、それはもう容赦無く。
でももう良いお年ではあるので、壊さない程度でお願いしますとは言っておいたわ。
だってあと20年頑張っていただかないといけないものね?
私は正式に殿下の婚約者となって、エストラージュの邸から出て、王宮にお部屋を賜り住むことになった。
王太子妃教育といずれは王妃教育も必要だとかで。
なかなかに忙しくしている。
まぁ、ライオネルのレポートをやらされてた不毛だった頃に比べれば、やりがいもあって楽しいわ。
でも本当は、
“エストラージュ危機”での残党(?)やアズロ派から狙われるのを殿下が心配したから。
、、、もっとも、サイラス様は、
「アリア様と少しでも一緒にいたいからですよ。」
なんて仰って、殿下に打たれていたけれど。
お二人は本当に仲が良くていらっしゃる。
、、、噂になっても仕方ないわよね?
他に人がいると、よそ行きの仮面を付けているお二人だけど、私の前では素顔で居て下さる。
それが、お仲間に入れて頂けたみたいでとても嬉しい。
そうしているうちに、あっという間に2年の月日が流れていった。
今日は私の卒業式。
晴れて、成人として認められる。
エスト王国の貴族は、学園を卒業しなければ成人として認められないから。
「お待たせ致しました、アリア様。お支度が整いましたが、いかがでしょう?」
ドレスや髪を整えてくれていた侍女達が声をかけてくれる。
閉じていた瞼を開けて、鏡の中の自分を見る。
アレク様が選んで下さった、彼の色のドレスを纏った自分の姿。
「ありがとう、とても素敵だわ。」
にっこりと自然に笑顔が溢れてしまう。
「アリア、支度はできたかい?」
「アレク様。」
「うん、とても似合うね。凄く綺麗だよ。」
「ふふふ、ありがとうございます。」
アレク様は、私の卒業式でエスコートをして下さるの。
我が学園では、卒業式の最後に成績優秀者の表彰が行われる。
筆記試験での優秀者5名と、
剣術や馬術等の実技試験での優秀者5名。
更に総合での優秀者5名。
私は筆記試験での優秀者に選ばれた。
女生徒では、かの伝説の才女アリーチェ様以来の快挙。
私の母も手にする事はできなかった。
だから、絶対に取ると決めていたの。
アレク様の隣に少しでも自信を持って立てるように。
この2年の間に、情勢はずいぶん変わった。
アズロ派は悪事が晒されて失脚したのだ。
陛下も流石に事態をお認めになり、責任を取って王位を降りられる事が決まった。
つまり、あと半年後には、アレク様が王になる。
同時に私との結婚式が執り行われる事になっている。
私は王太子妃を飛び越えて、いきなり王妃になるのだ。
不安がないと言えば嘘になる。
だって、まだ成人したばかりの小娘だ。
けれど、アレク様を支えると決めたから。
「さぁ、行こうか?アリア。卒業おめでとう。」
「ありがとうございます。」
にっこりと微笑み合う。
さぁ、しっかりと前を向いて。
貴方と共に生きていく為に、
私はもうすぐ王妃になります。
( fin )
✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎
エストラージュ侯爵家編、とりあえず完結です。
お付き合い下さった方本当にありがとうございました。
❤️や栞をつけてお話を追いかけて下さった方、とっても嬉しかったです。
前作エストロジア編のスピンオフ的なお話となります。
どっちを先にupするか、凄く悩んだんです。
なので、続けての投下となりました。
個人的にアレクくんが1番のお気に入りなので、幸せにしてあげたかったので(笑)。
この後、本日18:00にオマケを1話、
その後、エピローグを3話、こちらも毎日18:00にあげる予定です。
よろしければ、もう少しお付き合い下さると嬉しいです。
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