異世界冒険少女

柊 亮

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魔術使いのジーラ

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第11話 魔術使いのジーラ

ーーー

「こいつが…ウルンズガードンか…」

ガァァァ!!!
ザグッ!
ドドドォォォォォ!!!

「やはり… Cランクまで上がっていたのは…こいつのせいか…」

レクサム『シェルピー!お前は姉貴の後ろに隠れて居ろ!』
レクサム『こいつは、俺が倒す!』

レクサム(だが…妙だな…魔竜にこれ程までの力は無いはずだ。)
レクサム(ほぼ…ドラゴン種と変わらない…強さ…)

ニイ(考えられるのは…「5つの魔法術」の中で1つ…)

「まあいい!すぐに片をつける!」
「剣法!クロスアーツ」

ドドドォォォォォ!!!
ガァァァァァ!!!

「さて…パメラは下だ。」
「迷い森とは違って…気配は感じ取れる…」

レクサム(どう言う訳か…ずっとだ…「魔力感知」が全く機能しない…姉貴もか…)

ーーー

「君の手配書は、何度も目を通している…まさか…こんな場所で相対するとは…」
「魔術使いジーラ…」

ラグス『魔導協会の手配書通り…君をこの場で排除しなければならない…』

「そうですか…」

「貴方を殺すのは気が引けますが…」
「私にとっては…分が悪い…」

「でも…貴方の鮮血を…見られるのなら…」
「刹那のひと時も愛せるでしょう…」

キィィィィ…
ジジジッ…

「あら…素早いこと…」

ラグス(短刀で私の剣を止めるとは…)

キィィィィィ…
ズザザッ…

態勢を整える為…距離を取るラグスさん…

ラグス(何を…隠している…)
ラグス(身体強化…武具強化も施されている…並の者ではない…)

「貴方には迷いがある…」
「自分自身に埋もれる…迷いや乱れを感じます。」

「この中には母親の死も関係しているでしょう…」

「!?」
ラグス『だが…所詮は罪深き者の戯言…』

「貴方の過去こそ…自分自身を縛り付ける枷となりつつある…」
「私が解き放ちましょう!」

「悪魔契約…下階(かかい)…おいでヴィジェル…」

異様な気配が洞窟内を漂う…

ーーー

ラグス『召喚術!?あれは悪魔か…』
ラグス『悪魔との契約…禁忌に値する愚行…』

ーーー

悪魔契約とは、自身との契約により…呼び出した悪魔の持つ力を、術者が扱えることを指す。
悪魔契約が何故…禁忌となっているのか…

理由の1つ…太古より悪魔とは、災いや呪いを齎す存在として恐れられていること。
理由の1つ…強大な力を得る代わりに、どちらかが生き絶えると、片方も生き絶えること。
理由の1つ…数多の生命を贄とし、この世に再び「最上階」に及ぶ災厄が復活すれば「歴戦の栄光」が絶たれること。
理由の1つ…悪魔契約によってどれ程の影響が及ぶのか計り知れない為…魔導協会により「禁忌の術(すべ)」として定められること。

これらの理由から…まさに「諸刃の剣」であり生命を捨てるに値する行為であるが故…魔導協会では禁忌と定められている…

五つの魔法術の1つ…
召喚術には、悪魔以外にも「○階」と言う位がある…

それは上から…
「最上階・上階・中階・下階」の4段階で構成されており…
その内…確認されている「最上階」は、数少なく…
それ以外は、数多く確認されている。

ーーー

魔法を扱うラグスさんと魔術を扱うジーラの戦闘が始まる…

「悪魔の心眼(イービルビジョン)…」

「さあ…始めましょう…私と貴方の舞踏(ワルツ)を…」

ーーー

「召喚術…上階(じょうかい)…風と炎のドラゴン…カイザーラグーン!」

「召喚術…中階(ちゅうかい)…水の精霊…スピネル…」

「カイザーラグーン!炎の魔法!ファイアブレイヴ!」

「スピネル…水の魔法「癒しの泉」…あの少女を守るように…」

彼がそう呟くと…水の精霊は、私の目の前にエメラルド色に輝く泉を出現させる…

不思議と心身が、癒える感覚があった。
とても暖かい感覚…疲れが取れていくような心地よさがある…

ゴォォォォォォォ!!!

巨大なドラゴンは、広範囲に及ぶ火炎を吐く…
 
洞窟内が業火に包まれる中…私は、この泉によって護られていた。
どうやら…この魔法には、治療だけで無く…魔法を防ぐ効果があるようだ。

「暗闇の霧(ダークミスト)…」

突如として…洞窟内が黒い霧で覆われる。

ラグス『あれは闇…「希少属性」か…』

ーーー

魔力にも「属性」があるように…
魔法にも「属性」がある…

魔力に宿っている「属性」とは異なる…
魔法を扱うことはできない。

これを補うのが、「召喚術」である…

ーーー

「カイザーラグーン!あの霧を断つ!」

ラグス『其方の風と炎…私の雷で放つ魔法…』
ラグス『ファイアストーム!』

強烈な業火と暴風…激しい稲妻が走る…
黒い霧は断ち切られ…
瞬く間に…彼の剣は、悪魔を貫いていた。

「君は道を違えた…」

「私は貴方のような相手と…」

彼女は言葉を伝え終えることなく…息を引き取った…

「これが…契約の代償なのか…」

ラグス(何処かで聞いたことがある名だと思っていたが…ヴァルミス家の令嬢か…)
ラグス(確か…彼処は…数年前に一族諸共滅びたと聞くが…)

ラグス(いや…これ以上はやめておこう…)

ーーー

ヴァルミス家の屋敷…
数年前に未解決の惨劇が起こった場所…

魔導兵団の調査では、凄惨な屋敷の風景に息を呑みながら…
血塗られた少女が1人…遺体の中から奇跡的に発見された。

魔導兵団の見解では、あまりの凄惨さから暗殺や強盗による犯行とされており…
屋敷の地下には、拷問により殺害された遺体が無数に発見されている…

ーーー

ドォォォォォォォ!!!

しばらくすると…大きな音と共にレクサムが、洞窟を打ち破ってやって来る。

「無事か?」

パメラ『はい!この通り…』

「そうか…世話になったな…』

ラグス『我が王より課せられた…責務だ。』

「此処に巣食う…ウルンズガードンの角は、確かに手に入れた。」
「これを持って行けば…依頼主から報酬と取り替えてくれる…」

「とっとと…ずらかろう…」

こうして…私達は洞窟を後にする。
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