異世界冒険少女

柊 亮

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獣人の娘

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第28話 獣人族の娘

シンボルビア森緑には、青空が見えないほどの木が聳え立っている。

シェルピー『それにしても…凄く高い木ですね…』

ニイ『これは「グレーゼルの巨木」と呼ばれて居ます。此処シンボルビア森緑では、太古から「森の守り神」として信じられている「巨木種(きょぼくしゅ)」です。』
ニイ『「巨木種」は、「7つの大陸」にある「自然遺産」の1つであり…世界によって護られております。』

パメラ『天辺が見えません…』
パメラ『何処まで続いているのでしょう…』

レクサム『じゃあ…せっかくだから上行ってみるか…』

パメラ『?』

レクサム『皆…酔いに注意な…姉貴頼むぞ…』

ニイ『では…「飛翔魔法」を…』

地面に着いていた足が急に軽くなると、途端に宙に浮く…

パメラ『浮きました!』
シェルピー『飛翔魔法も扱えるんですね!』

レクサム『飛ぶぞ…下見るなよ…』

勢いよく宙に舞う…何と一瞬で巨木の、天辺まで登っていた。

レクサム『降りるぞ…丁度いい枝がある…』

ゼイル『見晴らしが良いな…』

レクサム『どうだ…パメラ…絶景だろ?』

私たちに光が差し込む…
そこには、巨木が立ち並ぶシンボルビア森緑の絶景が広がっていた。

パメラ『綺麗…』
シェルピー『これは絶景ですね…』

レクサム『ふん!そうだろ…』

シェルピー『?』
シェルピー『あそこ!人が座り込んでいます。』

レクサム『よく見えるなお前…』

ゼイル『本当だ…確かに人が座り込んでいる…あれは…獣人族か?』

シェルピー『私たちとは違う「ミミ」をお持ちですので獣人族ですね』

パメラ『困っているみたいです。助けましょう!』

レクサム『まあリーダーが、助けるって言ってんだ。付き合うしか無いな…』

巨木が生えていない開けた場所に、ポツンと座り込んでいる人影が見えた。

レクサム『にしても腹減ったな…パン食うか…』
レクサム『ここら辺だと思うんだが…』

シェルピー『あそこです。』

シェルピーの指さす先に目を向けると、巨木が佇む森の中に開けた場所が広がっている…その中央部辺りに1人の少女らしき子が、座り込んでいた。

レクサム『それじゃあ近づくか…』

私達は、座り込んでいるその子に近づいて行った。
するとある大きな音が聞こえた。

「ギュルルルルル」

ゼイル『何だ!?魔の存在が近くに!?』

レクサム『よく見ろ…かなり腹を空かせているようだぞ』

グラドール『あれは…人間の優しさが見られるかも知れませんね…』

ゼイル『ケモ耳だな…』

獣人族の女の子が、言葉を喋る…だが、何を言っているのか私たちには分からなかった。

ゼイル『獣人語か…他国語は厄介だな…』

レクサム『姉貴…常時「翻訳魔法」…』

ニイ『はい…それでは…』

ニイさんが、ある魔法術を施す。
すると先程まで何を話しているのか…分からなかった…彼女の言葉が分かった。

?『よかった…やっと…通じた様ですね…』
?『お腹が空いてもう動けません…』
リンフェル『私はリンフェルですが...お腹が空きました...もう死にそう…』

ニイ『因みに「翻訳魔法」は、施すと常時発動し人の声質に合わせて分かるようになります。』

ゼイル『おいっ誰か!?飯を!』

レクサム『食いかけいるか?』

ゼイル『飢えて死にそうな子に食いかけ渡すかよ!普通…』

リンフェル『それでも良いのでください!』

ゼイル『はい新しいパンだ!食え!』

ゼイルからパンを貰うとものすごい勢いで食べる。
凄い食欲だ…それだけでは治らずに保存魔法で保存してある食料を全て平らげたのだった。

レクサム『これじゃあ…食料調達からだな…』

リンフェル『満腹!満腹です!』

ゼイル『どうやら…満足したようだぞ!』

リンフェル『皆さん本当にありがとうございました。このご恩は必ずお返しします。』

レクサム『あっ!それだが…丁度…獣人族と会ったんだし…「獣人界」までの道を聞き出そうぜ…どうやら道に迷ったらしい…俺たち…』

ゼイル『えっ!?これ…迷ってたのかよ!』

レクサム『いやあ…姉貴の「飛翔魔法」で巨木の頂点から、何か目印を見つけられるかなと思ってたんだけど…その代わりに、獣人族を見つけられたし良いんじゃね?と思って…』

ゼイル『そうだけどよ…』
ゼイル『その為の飛翔魔法だったとはな…』

シェルピー『本当に…レクサムさんの行動は読めませんね…』

レクサム『でっ…リンフェルと言ったな…獣人界までの道のりを教えてくれ…それがさっきの食料の貸しの分だ。』

リンフェル『「獣人界」に行くためには、とある...獣道を通らないと行けないようになっているんです。』

ゼイル『獣道っておいおい…』

レクサム『何か「結界術」みたいな仕掛けがある様な物言いだな…』

リンフェル『此処です…』

私たちが居た場所からかなりの距離がある。
目の前には、自然で出来たトンネルの道が隠れる様にあった。

リンフェル『結界術?あああの…「ガルドット」叔父さんがいつも得意とする魔法術ですね…そんな大層な仕掛けは、ありませんよ…近道みたいなものです。分かりずらいのは、入り口だけですので…』

レクサム『成程な…自然の力で隠された道か...いかにも獣人族らしいな…』

巨木の根元には、自然で出来ている巨木の根と土でトンネルの様な道が続きていた。
中は、涼しい風が通っていた…

シェルピー『とても涼しいですね…』

リンフェル『しばらく歩きますよ…』

リンフェルの後を、暫くついていくと光が見えた。

リンフェル『トンネルを出ますよ!此処が私の生まれ故郷「カラボアの村」です。』

光が照らす先には、獣人族という獣人が住まう村が広がっていた。




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