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○~第7章~○ 憧れのオ・マーン公国編
6射精目! ヤン車プリウスの査定額は!
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ヤンキー精子を取り囲むマンカスたちが次々と重なり、合体し始めた。
その数ざっと数百。
あっという間に俺たちの身長の3倍くらいにまで成長し、1つの大きなマンカスとなった。
「あれはキングマンカスじゃ」
じいちゃんの言うキングマンカスがヤンキー精子の前に立ちはだかると、恐れおののいたヤンキー精子は後ずさりをする。
「お…… おい。マジかよ……」
そう言いながら背を向けて走って逃げようとしたその時――
『マーンカース! ヴォェェエエエ!』
キングマンカスがヤンキー精子目がけてドロドロの黄緑色の液体を吐きだしたのだ。
※マンカスの臭いで嘔吐したわけではございません。
液体をまともに被ってしまったヤンキー精子。
(嗚呼。死んだな)
一連の流れを見ていた誰もがそう思った。
◇◆◇
一方その頃キンタマーニ王国――
「お母さん! お母さんってば! タカシのあの車! 今日こそ売りに行くよ!」
長女のメグミには毎日そう言われるが、私はタカシのあの車…… プリウスを売る気になれなかった。
タカシが射精にイってからというもの、タカシのプリウスは家の前に路上駐車されたままとなっていた。
「ご近所にも迷惑がかかってるんだよ! お母さん! ねえお母さん聞いてるの!?」
「ごめんねお姉ちゃん…… でも――」
家の前にプリウスが停まっていると、今でもタカシが自分の部屋にいるような気がして……
タカシが不良になってしまったのは、夫が射精にイって直後のことだった。
勉強をほとんどしなかったタカシが行ける高校なんてあるはずがなく、中学卒業と同時に近くの土建屋でアルバイトとして働き始めた。
私はパートタイマーでスーパーのレジ打ちをしながら、夜はほとんど指名されないホステスが集まる格安キャバクラで働いていた。
毎日毎日がヘトヘトだったけれど、タカシのお弁当だけは手を抜かず頑張って作った。なぜならタカシは絶対残さず食べて帰ってきたからだ。
「ありがとう」や「おいしかった」の言葉はなかったけど、お米一粒も残さずキレイに弁当を食べてくれるだけで、私は嬉しかった。
そして5年が経った頃、タカシが土建屋の正社員として雇用された。正社員となったその日、家に帰ってきたタカシのあの笑顔は、今でも瞼の裏に焼き付いている。
そして自分へのご褒美としてローンを組んで購入したのが、あのプリウスだった。
※6年ローンです。(ボーナス払いあり)
次の日曜日、静かに走行できるよう、考えに考え抜かれた技術者たちの叡智をあの子は全て無視し、2本の竹やりマフラーをプリウス装備させた。タイヤはもちろん“ハの字”。
車体のローダウンは言う間でもないし、ウーハーはアルパインのハイグレードなやつを導入していた。そしてペラッペラでポップな洋楽をガンガンに流しながらこのキンタマーニ王国を走り回っていた。
それが今となっては……
“射精にイッた者は帰ってこない”
分かってる。
分かってるけど……
「お母さん! ほら行くよ!」
メグミがタカシのプリウスを運転し、車買取専門店『オティンポス』へ出発した。
私は慌てて後部座席に乗車した。そう言えば――
(タカシのプリウスに乗るの、初めて……)
車内はたばこの臭いがこびり付き、ローダウンされたプリウスは段差を通るたびにガタガタと激しく揺れ、竹やりマフラーとウーハーの重低音がお腹の底にまで響き、控えめに言っても快適さは0だった。
だけどタカシが先日までこのプリウスを運転していたと思うと、このたばこの臭いもタカシの一部と思ってしまい、どうしようもなく尊いものだった。
「さっ! お母さんオティンポス着いたよ!」
「ねえお姉ちゃん…… やっぱり今度に……」
「また言ってる! さあ降りた降りた!」
メグミに急かされ、そそくさとタカシのプリウスから降車しようとした際、ドアポケットに1通の茶封筒を見つけた。表面を見るとなんとそこに――
「もうお母さん! 早く降りt」
「黙りなさい!」
なんとそこにはタカシの字で“母さんへ”と綴られていた。
私は震える体をグッと堪えながら、ゆっくり少しずつ綺麗に茶封筒の封を切った。すると中に1枚の手紙が入っていた――
拝啓 母さんへ
急に射精にイクなんて言ってすみません。
いつも心配ばかりかけてすみません。
親孝行、何一つできなくてすみません。
こんな俺ですみません。
このプリウスはもう売ってください。
少しのお金になると思います。
それで好きな物を買ってください。
おいしいものを腹いっぱい食べてください。
白髪も染めてください。
たまには旅行にも行ってください。
俺は母さんの子供になれて良かったと
思っています。
母さんのお弁当、毎日本当においしかった
です。
母さん、今まで本当にありがとうございました。
敬具
手紙はすぐさま私の涙でびしょびしょになった。
メグミも運転席から手紙を読んでいたのだろう。涙をポロポロ流している。
「お姉ちゃん…… 今日、おいしいもの食べに行こっか」
私たちはタカシのプリウスに乗って、タカシが好きだったファミレスへと向かった。
※ちなみに念のため査定してもらいましたが、改造しすぎていて買取価格は2000円でした。
◇◆◇
キングマンカスが吐いたドロドロの液体をまともに被ってしまったヤンキー精子。
「おいおいおいおい。アイツ死んだわ」
俺を含むその場全員の精子が思った。
しかし――
「ふぃー! 間一髪じゃったわい」
なんとドロドロの液体がヤンキー精子に被る直前、じいちゃんがヤンキー精子を担ぎ、俺のところまで戻ってきていたのだった。
「え…… お、俺…… 生きてる」
「お前さん、調子に乗るのは良いが周りの精子に迷惑をかけてはならんぞ? 慣れない環境ではしゃぐもんじゃないわい」
「す、すみませんした!」
ヤンキー精子がじいちゃんに一礼すると、キングマンカスから遠く離れたところまでダッシュで逃げて行った。
「っていうかじいちゃんどんだけ早く動けるんだよ!」
「ん? わしは魔法賢者じゃぞ? 現役の頃は風のアレックスと呼ばれとったからな」
その時だった。
グギッ!
その音は俺の耳にまで届くほどの異音だった。
「あががががががががが」
そう、じいちゃんが腰をヤッた。
その場でうずくまるじいちゃんこと風のアレックス。
そこに突然日影が――
俺は恐る恐る振り返る。
『マーンカスー!』
キングマンカスが俺たちの目の前まで迫っていた。
その数ざっと数百。
あっという間に俺たちの身長の3倍くらいにまで成長し、1つの大きなマンカスとなった。
「あれはキングマンカスじゃ」
じいちゃんの言うキングマンカスがヤンキー精子の前に立ちはだかると、恐れおののいたヤンキー精子は後ずさりをする。
「お…… おい。マジかよ……」
そう言いながら背を向けて走って逃げようとしたその時――
『マーンカース! ヴォェェエエエ!』
キングマンカスがヤンキー精子目がけてドロドロの黄緑色の液体を吐きだしたのだ。
※マンカスの臭いで嘔吐したわけではございません。
液体をまともに被ってしまったヤンキー精子。
(嗚呼。死んだな)
一連の流れを見ていた誰もがそう思った。
◇◆◇
一方その頃キンタマーニ王国――
「お母さん! お母さんってば! タカシのあの車! 今日こそ売りに行くよ!」
長女のメグミには毎日そう言われるが、私はタカシのあの車…… プリウスを売る気になれなかった。
タカシが射精にイってからというもの、タカシのプリウスは家の前に路上駐車されたままとなっていた。
「ご近所にも迷惑がかかってるんだよ! お母さん! ねえお母さん聞いてるの!?」
「ごめんねお姉ちゃん…… でも――」
家の前にプリウスが停まっていると、今でもタカシが自分の部屋にいるような気がして……
タカシが不良になってしまったのは、夫が射精にイって直後のことだった。
勉強をほとんどしなかったタカシが行ける高校なんてあるはずがなく、中学卒業と同時に近くの土建屋でアルバイトとして働き始めた。
私はパートタイマーでスーパーのレジ打ちをしながら、夜はほとんど指名されないホステスが集まる格安キャバクラで働いていた。
毎日毎日がヘトヘトだったけれど、タカシのお弁当だけは手を抜かず頑張って作った。なぜならタカシは絶対残さず食べて帰ってきたからだ。
「ありがとう」や「おいしかった」の言葉はなかったけど、お米一粒も残さずキレイに弁当を食べてくれるだけで、私は嬉しかった。
そして5年が経った頃、タカシが土建屋の正社員として雇用された。正社員となったその日、家に帰ってきたタカシのあの笑顔は、今でも瞼の裏に焼き付いている。
そして自分へのご褒美としてローンを組んで購入したのが、あのプリウスだった。
※6年ローンです。(ボーナス払いあり)
次の日曜日、静かに走行できるよう、考えに考え抜かれた技術者たちの叡智をあの子は全て無視し、2本の竹やりマフラーをプリウス装備させた。タイヤはもちろん“ハの字”。
車体のローダウンは言う間でもないし、ウーハーはアルパインのハイグレードなやつを導入していた。そしてペラッペラでポップな洋楽をガンガンに流しながらこのキンタマーニ王国を走り回っていた。
それが今となっては……
“射精にイッた者は帰ってこない”
分かってる。
分かってるけど……
「お母さん! ほら行くよ!」
メグミがタカシのプリウスを運転し、車買取専門店『オティンポス』へ出発した。
私は慌てて後部座席に乗車した。そう言えば――
(タカシのプリウスに乗るの、初めて……)
車内はたばこの臭いがこびり付き、ローダウンされたプリウスは段差を通るたびにガタガタと激しく揺れ、竹やりマフラーとウーハーの重低音がお腹の底にまで響き、控えめに言っても快適さは0だった。
だけどタカシが先日までこのプリウスを運転していたと思うと、このたばこの臭いもタカシの一部と思ってしまい、どうしようもなく尊いものだった。
「さっ! お母さんオティンポス着いたよ!」
「ねえお姉ちゃん…… やっぱり今度に……」
「また言ってる! さあ降りた降りた!」
メグミに急かされ、そそくさとタカシのプリウスから降車しようとした際、ドアポケットに1通の茶封筒を見つけた。表面を見るとなんとそこに――
「もうお母さん! 早く降りt」
「黙りなさい!」
なんとそこにはタカシの字で“母さんへ”と綴られていた。
私は震える体をグッと堪えながら、ゆっくり少しずつ綺麗に茶封筒の封を切った。すると中に1枚の手紙が入っていた――
拝啓 母さんへ
急に射精にイクなんて言ってすみません。
いつも心配ばかりかけてすみません。
親孝行、何一つできなくてすみません。
こんな俺ですみません。
このプリウスはもう売ってください。
少しのお金になると思います。
それで好きな物を買ってください。
おいしいものを腹いっぱい食べてください。
白髪も染めてください。
たまには旅行にも行ってください。
俺は母さんの子供になれて良かったと
思っています。
母さんのお弁当、毎日本当においしかった
です。
母さん、今まで本当にありがとうございました。
敬具
手紙はすぐさま私の涙でびしょびしょになった。
メグミも運転席から手紙を読んでいたのだろう。涙をポロポロ流している。
「お姉ちゃん…… 今日、おいしいもの食べに行こっか」
私たちはタカシのプリウスに乗って、タカシが好きだったファミレスへと向かった。
※ちなみに念のため査定してもらいましたが、改造しすぎていて買取価格は2000円でした。
◇◆◇
キングマンカスが吐いたドロドロの液体をまともに被ってしまったヤンキー精子。
「おいおいおいおい。アイツ死んだわ」
俺を含むその場全員の精子が思った。
しかし――
「ふぃー! 間一髪じゃったわい」
なんとドロドロの液体がヤンキー精子に被る直前、じいちゃんがヤンキー精子を担ぎ、俺のところまで戻ってきていたのだった。
「え…… お、俺…… 生きてる」
「お前さん、調子に乗るのは良いが周りの精子に迷惑をかけてはならんぞ? 慣れない環境ではしゃぐもんじゃないわい」
「す、すみませんした!」
ヤンキー精子がじいちゃんに一礼すると、キングマンカスから遠く離れたところまでダッシュで逃げて行った。
「っていうかじいちゃんどんだけ早く動けるんだよ!」
「ん? わしは魔法賢者じゃぞ? 現役の頃は風のアレックスと呼ばれとったからな」
その時だった。
グギッ!
その音は俺の耳にまで届くほどの異音だった。
「あががががががががが」
そう、じいちゃんが腰をヤッた。
その場でうずくまるじいちゃんこと風のアレックス。
そこに突然日影が――
俺は恐る恐る振り返る。
『マーンカスー!』
キングマンカスが俺たちの目の前まで迫っていた。
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