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第17話片倉

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燃え盛る村、野武士達がいきなり火をつけため村人は逃げまわり村が大混乱に陥っている。片倉の家族は必死に逃げていたが野武士達に囲まれてしまった。



父親は野武士達に土下座し



「なんとか子供の命だけはお助け下さい」



「おー必死な姿情けなくていいねぇ」



そう言って顔から小悪人の野武士のリーダー池袋は父親に斬りかかる。



それを母親が体を盾にして防いだ父親は驚き



「おい、美佐子‼」



母親は胸を抑えながら片倉に



「早く逃げなさい」



五歳の片倉は足を震えさせながら泣いている。美佐子は逃げださない片倉に怒鳴るように



「早く‼」



片倉は逃げだすが、ザン



父親が思いっきり斬られて大きな音を立てた。



その音に振り向こうとした片倉に



「振り向くなーいけー!」



 片倉は泣きながら必死に逃げ納屋を見つけその奥で縮こまりながら座っていた。しばらくすると足音が聞こえる。片倉は恐怖で震えながら



頼むこっちには来ないでくれ頼む通り過ぎてくれ



その願いは叶わず足音の主は納屋を開けた。



終わった、殺されるんだ



片倉は恐怖のあまり失禁しながらも



死にたくない死にたくない、せっかく母上と父上が命をかけて守ってくれたこの命無駄にはしたくない



足音の主は片倉に近づき片倉の手を掴んだ。



このまま殺されちゃうんだ



「おい、大丈夫か、怪我はないか」



片倉は予想外の言葉に腰が抜けた。



足音の主は片倉に体をよく見て



「よし、怪我はなさそうだな」



てっくっせ、こいつおしっこ漏らしてやがる



足音の主は一瞬片倉を背負うかためらったが片倉を肩から背負った。



足音の主は家来たちのところへ合流し



「長経様、その男の子は?」



「あー、一旦うちで保護する」



その言葉を聞いて片倉は安心して長経に身を任せた。



「さぁ、今から成敗しに行きますか」



家臣達は一斉に



「おー!」





片倉の両親とかに襲い掛かった野武士達は薄暗い森で溜り、酒を飲んで宴会をしていた。



派手な頭の中身のなさそうな小悪党の池袋は



「いやぁー弱い者いじめは楽しいな、なぁ皆」



「そうですね、弱い者いじめの後の酒はうまいですわ」



「ワッハッハー」



野武士達は一斉に笑い出し浮かれながら酒を飲んでいた。



「それに最後に殺したあの家族傑作だったよな、あの両親ガキを生かすために必死なんだから」



「そうですよ、あんな小さなガキ一人じゃ生きていけないのに」



「ある意味生かしておく方が残酷よ、はっはっはっ」



池袋に合わせて野武士達も笑い出した。



池袋達の様子を見ていた長経達は「あの両親ガキを逃がすのに必死だったんだから」と池袋が言った時に片倉の目が変わりそれを見ていた長経は片倉の両親は殺されたことを悟った。



「あいつら武士の風上にも置けないな」



長経は悔しくて震えている片倉の肩をポンと叩いて



「両親の仇、我が取って来てやる」



長経は小さい声で



「皆、準備はいいか?」



「はい」



長経は大きく息を吸って



「突撃じゃー!」



長経達はいきなり池袋達に襲い掛かった。



 いきなり襲われた池袋達は



「何事だ!何事だ!」



飲んだくれていた野武士達は抵抗出来ずに次々と討ち取られていったが池袋だけが命からがら逃げだしたのであった。





長経は片倉を城に連れ帰った。



大多喜城で片倉は昼も夜も両親を失ったことに落ち込んで何日も黙って庭の隅に座り込んでいた。



長経は毎日座り込んでいる片倉に黙って飯を運んでいた。



そんなある日



長経は興奮しながら片倉の袖を引っ張り



「おい、ちょっと来てよ片倉」



片倉は言われるがままに長経に付いて行った。



長経の連れて行った部屋に母親に抱き抱えられている赤ちゃんがいた。



「我の赤ちゃんが生まれたんだよ」



長経は赤ちゃんを抱えて片倉に見せた。



片倉は生まれて初めて見た赤ちゃんに心の底から感動してずっと閉ざされていた心の扉がゆっくりと開き呟くように



「可愛い」



長経はもの凄い笑顔で



「そうか、可愛いか。それは嬉しいなぁ」



「はい、とても可愛いです」



「お前がこの経丸を支えていくんだぞ」



「えっ私がですか?」



「そう、片倉がだ」



「私には無理ですよ、武士でもないんですから」



長経は片倉の手を握り



「お前は立派な武士になれるぞ」



「なぜですか?」



「お前は痛みがわかる、痛みのわかる人間は立派な武将になれるぞ」



「そうなんですか」



長経は優しい表情で



「だから経丸を頼む」



「でも私は強くありません」



片倉は真剣な目で



「でも強くなりたいので稽古つけてくませんか」



長経は片倉の言葉に嬉しくなり片倉に抱きつき



「もちろんだとも」



それから二人は毎日剣術の稽古をした。





そして七年後



片倉は十二歳になり大多喜城で元服する事になった。



片倉は長経に呼ばれ正装で広間に現れた。



「お前に名をあげよう」



「はっ、ありがたき幸せ」



「お主の名は水道だ」



「水道?それはどういう意味があるのですか?」



「人が生きるのに必要なのは水だ、お主の存在は天羽家にとって水だ、道は経丸の進むべき道をお主に開拓していってほしいと願いを込めてとった二つの文字を合わせた名が水道だ」



片倉は自分が期待されていることに嬉しくなった。



「そのような素晴らしい意味を持つ名を頂けること光栄にございます」



長経は片倉の言葉が嬉しくニコニコ微笑んだ。



そこへ慌てて走ってきた家来が



「殿―、一大事でございます」



「どうした」



「池袋達が村人達に襲い掛かっています」



「水道行くぞ」



「はい」



 池袋達が襲い掛かっている現場では



 池袋は人を刺しながら



「やっぱり久しぶりにやる地元での弱い者いじめは最高だ」



池袋達は笑いながら次々と村人を刺していく



「そこまでだ」



「なんだお前達は」



「かかれー」



長経達は池袋達に襲い掛かった。



「なんだ、お前達はいきなり」



池袋は慌てて逃げようとする。



片倉は逃げようとする池袋の肩をガッと掴み



「貴様また逃げるのか?」



「なんだ、お前は」



「七年前に両親を殺されたガキだ」 



池袋は怒鳴るように



「てめぇみたいな青二才が俺に勝てると思ってんのか?」



片倉は一瞬池袋の迫力に怯んだが自分を奮い立たせるよう大声で



「俺はもう二度と大事な人を失いたくない!だからお前らみたいなグズは殺さないといけないんだ!!」



池袋は片倉の迫力に怯え背を向けて逃げようとしたが長経達は池袋の背中に回り込んでいて



長経は池袋を睨みつけながら



「お主どこへ行くつもりだ?」



「クソが」



片倉は怒鳴るように



「お前この期に及んでまだ逃げるのか‼」



「うるせぇ、俺の趣味は弱い者いじめなんだお前ら武士なんかと戦う意味などないんだ」



片倉は怒りで泣きながら



「ふざけるな!お前の卑劣な趣味で俺の大事な両親は命を落としたんだぞ、何の罪もない村の人達だって命を落としたんだぞ」



 池袋はこ馬鹿にするように



「何だお前、泣いちゃってお前はバカみたいだから教えてやるよ。この世で弱いのは罪なんだよ。弱い奴が強い奴に殺されるそれは当然のことなんだよ」



片倉は怒りで体を震わせながら低い声で



「お前だけは必ず殺す」



「はは、面白いまた弱い者いじめになっちゃうけどな」



片倉は刀を鞘から抜いて自分を落ち着かせるよう小さく深呼吸をして構えた。



「行くぜ死ねぇークソガキー‼」



片倉は襲い掛かってくる池袋に



「お前なんかに負けるわけねぇだろ」



 思いっきり池袋を返り討ちにする。



池袋の首が吹っ飛ぶ長経は片倉に駆け寄り



「水道、強くなったな」



「ありがとうございます」



片倉は親の仇が取れたのと長経に認められたのとで感極まって長経の胸で大泣きしながら



「私はこれからもどんなことがあっても逃げずに大切な人は必ず守り抜きますから。絶対に守り抜きますから」



長経は優しく片倉の頭をなぜてあげたのであった。。







回想終わり



「俺はあの日誓ったんだ。どんなことがあっても大切な人は守りきると」



豊影は片倉の言葉を聞いてニヤニヤしながら



「あらそう、やれるもんならやってみな」

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