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秋月紫苑、華の女子大生
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20××年4月7日
【朝】
「おはよう紫苑」
「おはようお母さん」
「おはよう紫苑!大学生になった気分はどうだ?」
「おはようお父さん…まだ何も分からないよ~」
そう。
今日は大学の入学式。
私、秋月紫苑(あきづきしおん)は今日から華の女子大生である。
大学生になるという喜びはもちろんある
…が、喜びと同時に不安もある
友達はできるだろうか
授業にはついていけるだろうか…
不安は沢山あるけれど…
…考えていても仕方ないよね!
それよりも!
家を出る前にもう一度大学までの経路を確認しておこうっと
昨日何度も確かめたんだけどね
一応ね…
スマホの地図アプリを開き経路を入力する
えーと、現在地から大学まで…っと
ふんふん、51系統のバスに乗って駅に行く
それから電車に乗り換えて15分…
駅に降りたら10分ほど歩いたら…やっと大学か~
ざっと計算すると片道40分程…
高校まではバスで15分だったから遠くに感じちゃうね
「紫苑~ごはんできたわよ!運んでちょうだい」
「は~い!」
「わわっ!フレンチトースト!」
「ふふ、紫苑好きでしょ?」
「うん!」
「大学生になった記念よ、クリームも添えて召し上がれ」
「ありがとうお母さん!いただきます!」
口いっぱいに広がるはちみつの甘い香り
それはまるで春の訪れを告げるかのような優しい味だ
「よかったなあ~紫苑、 ママ!パパの分のフレンチトーストもあるのかな?」
「あら、アナタと私はいつも通りよ」
「そんなあ」
わかりやすいほど肩をがっくし落とすお父さん
「お父さん、私の分少しあげるよ」
「紫苑は優しいなあ」
「冗談よ、アナタと私の分もちゃんとあるわよ」
「わあ!ありがとうママ!愛してるよ!」
お父さんが嬉しそうにお母さんに抱きつく
「ちょっと!フレンチトースト落ちるわよ!」
両親は仲がいい。
二人の仲がいいことはとても嬉しい。
「あはは、今日も仲がいいね」
「あら紫苑、もう食べたの?」
「うん!ごちそうさまでした。それじゃいってくるね」
「おお紫苑!気を付けて行ってらっしゃい」
「うん!」
「忘れ物はない?」
「うん!」
扉に手をかけた時背後から新たな声が聞こえる
「紫苑や」
「おばあちゃん!おはよう!」
「母さん!あとで起こしに行こうと思っていたんだが…大丈夫か?」
お父さんが心配そうにおばあちゃんに駆け寄る
「おばあちゃん、手伝おうか?」
おばあちゃんは若いころに患った病で両目が見えない
「大丈夫だよ、紫苑。ありがとうね」
「それよりも…。」
ポケットの中を探っている
「紫苑、帰りにこれで喫茶店でお茶でも飲んでおいで」
そういって手渡されたのはお小遣いだ
「わあ、おばあちゃんありがとう!」
「いいんだよ、気を付けて行ってらっしゃいね」
「はーい!帰ってきたら今日のことたくさん話すから楽しみにしててね!」
「楽しみに待ってるね」
「行ってきます!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家を出るとあたたかい春の風が吹いている
春、それは始まりの季節
これからどんな大学生活が私を待ち受けるだろう
…楽しみだなあ
バスに揺られるこの道も
駅の人混みも
これから毎日の景色なんだ
初めての今日のこの感情を忘れないようにしないとね
気持ちは風化していつか忘れてしまうものだから…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「次は桜の宮~桜の宮~」
社内アナウンスが次の到着駅を告げる
電車の窓から見える景色を眺めていたらいつの間にか降車駅にたどり着いていたようだ
周りを見渡すと同じようにスーツを着た新入生らしき人々が続々と桜の宮駅で降りていく
友人と同じ大学に受かったのか楽しそうに歩く子たちもいれば
一人緊張した面持ちで歩く子もいる
私も表情が堅くなっているのかも…!
笑顔を心掛けなきゃ…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黙々と歩いているうちに大学が見えてくる
わあ!
【ご入学おめでとうございます!】と書かれた横断幕が掲げられている
「ご入学おめでとうございます!新入生の方はA号館へどうぞ!」
校門の前で立っている人に入学のしおりというパンフレットを手渡される
「ありがとうございます」
新入生はA号館に集まるんだ…
A号館ってどこだろう…
…あ!
こんなこともあろうかと前日に校舎マップを印刷してきていたんだった!
校舎マップは~えっと…
しまった。バッグの分かりやすいとこに入れておくんだった
…っとと、あった!
ようやく校舎マップを開く
A号館は…
…北ね!
「ねえ!」
北へ向かおうとすると後ろから肩を叩かれる
「はい?」
「これ、落としたよ」
そういう彼女の手には定期券が握られている
秋月紫苑と書かれた定期券が!
「私の定期!
すみません。助かりました、ありがとうございます」
先ほど校舎案内を探しているときに落としてしまったのだろう
…危ないところだった
【朝】
「おはよう紫苑」
「おはようお母さん」
「おはよう紫苑!大学生になった気分はどうだ?」
「おはようお父さん…まだ何も分からないよ~」
そう。
今日は大学の入学式。
私、秋月紫苑(あきづきしおん)は今日から華の女子大生である。
大学生になるという喜びはもちろんある
…が、喜びと同時に不安もある
友達はできるだろうか
授業にはついていけるだろうか…
不安は沢山あるけれど…
…考えていても仕方ないよね!
それよりも!
家を出る前にもう一度大学までの経路を確認しておこうっと
昨日何度も確かめたんだけどね
一応ね…
スマホの地図アプリを開き経路を入力する
えーと、現在地から大学まで…っと
ふんふん、51系統のバスに乗って駅に行く
それから電車に乗り換えて15分…
駅に降りたら10分ほど歩いたら…やっと大学か~
ざっと計算すると片道40分程…
高校まではバスで15分だったから遠くに感じちゃうね
「紫苑~ごはんできたわよ!運んでちょうだい」
「は~い!」
「わわっ!フレンチトースト!」
「ふふ、紫苑好きでしょ?」
「うん!」
「大学生になった記念よ、クリームも添えて召し上がれ」
「ありがとうお母さん!いただきます!」
口いっぱいに広がるはちみつの甘い香り
それはまるで春の訪れを告げるかのような優しい味だ
「よかったなあ~紫苑、 ママ!パパの分のフレンチトーストもあるのかな?」
「あら、アナタと私はいつも通りよ」
「そんなあ」
わかりやすいほど肩をがっくし落とすお父さん
「お父さん、私の分少しあげるよ」
「紫苑は優しいなあ」
「冗談よ、アナタと私の分もちゃんとあるわよ」
「わあ!ありがとうママ!愛してるよ!」
お父さんが嬉しそうにお母さんに抱きつく
「ちょっと!フレンチトースト落ちるわよ!」
両親は仲がいい。
二人の仲がいいことはとても嬉しい。
「あはは、今日も仲がいいね」
「あら紫苑、もう食べたの?」
「うん!ごちそうさまでした。それじゃいってくるね」
「おお紫苑!気を付けて行ってらっしゃい」
「うん!」
「忘れ物はない?」
「うん!」
扉に手をかけた時背後から新たな声が聞こえる
「紫苑や」
「おばあちゃん!おはよう!」
「母さん!あとで起こしに行こうと思っていたんだが…大丈夫か?」
お父さんが心配そうにおばあちゃんに駆け寄る
「おばあちゃん、手伝おうか?」
おばあちゃんは若いころに患った病で両目が見えない
「大丈夫だよ、紫苑。ありがとうね」
「それよりも…。」
ポケットの中を探っている
「紫苑、帰りにこれで喫茶店でお茶でも飲んでおいで」
そういって手渡されたのはお小遣いだ
「わあ、おばあちゃんありがとう!」
「いいんだよ、気を付けて行ってらっしゃいね」
「はーい!帰ってきたら今日のことたくさん話すから楽しみにしててね!」
「楽しみに待ってるね」
「行ってきます!」
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家を出るとあたたかい春の風が吹いている
春、それは始まりの季節
これからどんな大学生活が私を待ち受けるだろう
…楽しみだなあ
バスに揺られるこの道も
駅の人混みも
これから毎日の景色なんだ
初めての今日のこの感情を忘れないようにしないとね
気持ちは風化していつか忘れてしまうものだから…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「次は桜の宮~桜の宮~」
社内アナウンスが次の到着駅を告げる
電車の窓から見える景色を眺めていたらいつの間にか降車駅にたどり着いていたようだ
周りを見渡すと同じようにスーツを着た新入生らしき人々が続々と桜の宮駅で降りていく
友人と同じ大学に受かったのか楽しそうに歩く子たちもいれば
一人緊張した面持ちで歩く子もいる
私も表情が堅くなっているのかも…!
笑顔を心掛けなきゃ…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黙々と歩いているうちに大学が見えてくる
わあ!
【ご入学おめでとうございます!】と書かれた横断幕が掲げられている
「ご入学おめでとうございます!新入生の方はA号館へどうぞ!」
校門の前で立っている人に入学のしおりというパンフレットを手渡される
「ありがとうございます」
新入生はA号館に集まるんだ…
A号館ってどこだろう…
…あ!
こんなこともあろうかと前日に校舎マップを印刷してきていたんだった!
校舎マップは~えっと…
しまった。バッグの分かりやすいとこに入れておくんだった
…っとと、あった!
ようやく校舎マップを開く
A号館は…
…北ね!
「ねえ!」
北へ向かおうとすると後ろから肩を叩かれる
「はい?」
「これ、落としたよ」
そういう彼女の手には定期券が握られている
秋月紫苑と書かれた定期券が!
「私の定期!
すみません。助かりました、ありがとうございます」
先ほど校舎案内を探しているときに落としてしまったのだろう
…危ないところだった
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