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1章
6 皇子side
しおりを挟む「この度は私のためにこれ程の方がおいで下さり、誠に感激しております。どうか堅苦しくなりすぎずお楽しみください。」
全体への挨拶を終えて、今回の本題である婚約者候補として来ている者たちと順番に話し回っていた。
1番最後に会ったのがカリナ・ロンベルクだった。
向こう側から歩いてくる彼女は太陽までも吸収しそうな光り輝くブロンドの髪を揺らし、綺麗だと素直に思った。
しかしそう思ったのは最初の数秒ほどで、直ぐに「またか」という感情に戻ってしまった。
「ハルト様!!初めまして!カリナ・ロンベルクと申します!ずっと貴方に憧れていました!!」
彼女は他の候補者と何ら変わりない、むしろそれよりも強い欲望の視線を送ってきたのだ。
『初めましてカリナ嬢。光栄です。ありがとうございます。』
定型文のような返事をしても彼女の視線は何も変わらずギラギラとしていた。
そこに後ろから来た夫人を連れたロンベルク公爵が
「こら、カリナ。レディとしてのマナーをしっかりしなさいと言っただろう?
うちの娘が失礼致しました皇子。」
『いえ、お気になさらず。公爵、叔母様お久しぶりです。』
「だってお父様!絵本で見ていた王子様よりずっと素敵なんですもの!私ルーン皇子と結婚したい!ね!いいでしょ?」
「まあ、この子ってば!
カリナ、それは貴方の一存で決めれることじゃないのよ。全くこの子は。
ごめんなさいねハルト皇子、まだ他の子より幼い所があって。」
夫人もそう言って彼女の頭を撫でた。
ロンベルク公爵は今まで1度も彼女をこういう場所へは連れてこなかった。
世間では家族の仲は良くないのでは、という噂が流れていたがそうではなかったのだ。
今、俺は目の前の家族を羨ましいと思っている。
わがままを言って優しく撫でられる娘。
俺が与えられなかった、俺が欲しいと思っていたものがそこにはあったのだ。
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