うちの猫は液体です

秋葉夕雲

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第一章

第5話 デッドオアアライブ

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 ぜいぜいと荒い息を整えながら今も私のスマホに映る未来を予知する悪魔を自称する何かに声をかけた。
「それで? あんたとあいつ何なのよ」
 さつまは液体から普通の猫に戻っていた。効果時間が切れたのか、それともさつまがこの力をコントロールできるようになっているのか。
 そして五月とアポロの姿はまだ見えない。話をするなら今しかなさそうだ。
『いやいやあ。あんな小娘知らねえなあ』
「そういうのいいから。あんた、運営側って自分で言ってたでしょ。なら私の質問に答える義務があるはずよね」
 そう指摘するとラプラスはにやりと笑った気がした。いや、表情なんてわからないのだが。
『おーおー。それじゃあ説明してやるぜ。まずこの戦いが始まった経緯だが……』
「要点だけ答えなさい。時間がないのよ。いえ、もう私の推測をまず伝えるわ。ギフテッドが特殊な力を持った動物。で、その飼い主がオーナー。オーナーが何か条件を満たせば力を使うことができる。あってる?」
『だいたいな。ちなみにギフテッドが使う力はギフトだ』
「神様からの贈り物、ね。何の冗談かしら」
『冗談じゃねえよ。正真正銘神からの贈り物だ。二重の意味でな』
「二重の意味?」
『時間がねえんだろ? かいつまんで説明するぞ。ギフトはすべて、神や悪魔、妖怪、魔物をモチーフにした力だ』
「!」
『ただし授かったギフトはギフテッドに関わる逸話や特徴をもつ必要がある』
「ペガサスのギフトなら馬のギフテッドみたいな?」
『ああ。翼も生えてるから鳥の可能性もあるな』
「結構曖昧ね。じゃあ『ベット』、とか『フォールド』は何?」
『前者がギフトの情報を開示する代わりに保有するスキルを使用可能にするアクション。後者はそのアクションに対して何もしないことを意味する。スキルってのはギフトの派生技みたいなもんだ。ちなみに抵抗して『コール』を宣言するとこっちも情報を開示してスキルを使用可能にする。』
 つまりあの地面を破壊した力は普段なら使えないということか。
「それならがんがん『ベット』すればいいと思うけど」
『いや、どんな情報が開示されるかは親側、つまり『ベット』を宣言した側にはわからない』
「反対に宣言された側はどんな情報が開示されるか予想できるってこと?」
『そうだな』
 こいつの言葉が正しいなら、あのアポロというドーベルマンのギフトはトウモロコシに関する神や魔物のギフトを持っているということらしい。
「情報をチップにしたポーカーみたいなもん? ポーカーには他にもアクションがあったはずよね。確か、『レイズ』だったかしら」
『ああ。それを宣言すると相手側にあらかじめわかっていたギフトの情報ともう一つの情報が開示され、相手の『ベット』を無効にする。ま、今からじゃ間に合わないがな』
 あの時のカウントダウンは見た通り時間制限。あれが終わるまでに何らかのアクションを起こさなければならなかったのだ。
「でも。まだ方法はあるんでしょう? 『オールイン』だっけ」
 ポーカーのアクションの一つ。すべてのチップを賭ける行為。それがこのゲームでどのような行為を意味するか。
『なんだと思う?』
 試されているようで癪に障る。
 けれどここまでくれば想像できる。明らかな情報戦であるのだから、最も重要な情報は。
「ギフトの名前を当てることよね」
『正解。『オールイン』でギフトの名前を当てれば相手が使用可能なスキルをすべて封印し、ギフトも大幅に弱体化させる』
 何が面白いのかラプラスはくっくっくと笑っていた。
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