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第二章 青の彼方
7.裂ける静寂
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霧島家の自動車で向かった先は、帝都の北に位置する湊野村だった。
到着する頃にはとっぷりと日は暮れていた。風が吹き抜ける平原は固い雪に覆われていたが、すでに妖と交戦したのか足場は乱れ、黒々とした土がめくれあがっている所もある。
「白月の姫君、また急な呼び出しに応じてくれて感謝する」
雪を踏み鳴らしてやってきたのは、狩衣に袴という装いで、背には長刀を背負い、腰には霊符が入った小袋を下げた青年だった。
帝都守護を担う霧島家の次期当主であり、その峻烈な剣技と品格は、退魔師たちの間でも一目置かれている。
「颯吾様! あなた様のためならどこへでも駆けつけますわ」
玲華が浮ついた声を上げ、草履が雪に埋もれるのもかまわずに、急ぎ足で彼の下へ向かっていった。
(玲華様が嫁がれたら、私はどうなるのかしら。遠く離れた場所から霊力だけを搾取されるの?)
それだけは勘弁してほしい。一生あんな所で過ごすなんて耐えられない。
「また真桜殿もご一緒か?」
颯吾がこちらに視線を投げてよこす。
「ええ、そうなの。力のないのに私の術を間近で見たいなんて、わがままで困りますわ。でも何があっても私が守りますから、颯吾様はお気になさらないで」
玲華はうるっと揺らした瞳で颯吾を熱っぽく見つめた。
真桜は、白月家で預かっている遠縁の娘ということになっている。毎回、退魔の現場に行きたがる我儘娘という体で同行していた。
「玲華殿の術があれば大丈夫だろう。だが、真桜殿、君の生半可な気持ちでは命がいくつあっても足りないぞ。あまり近づきすぎるなよ」
颯吾が鋭い目で睨んできたので、真桜は頷く。
(はなから、そのつもりですので。私にはおかまいなく)
真桜は無言で頭を上げたが、心の中でにっこりと笑った。
「では行くぞ。今は森の中になりを潜めている。いつものように援護を頼む」
「はいっ!」
跳ねる調子で答えた玲華が嬉しそうに、彼の背を追って闇の方へ消えていった。
月光が照らす中、前方には漆黒の森が闇を湛えている。冷たい空気が肺に染み込み、風で舞い飛んできた雪がほのかに耳を打った。
静寂に包まれた雪原で、真桜は独り、右手に嵌めた銀の指輪を見つめる。
やがて森の奥で爆ぜるような霊気が放たれ、指輪がじりじりと肌を焼く熱を帯び始めた。
(今夜は特にひどい。颯吾様にいいところをみせようとしているのね)
ずきずきと抉られるような指の激痛に奥歯を噛みしめながら、呼吸を整えて耐える。
だが、その熱は限界を超え、真桜の意識を激しく揺さぶった。
(だめ…これ以上は私の魂まで吸いつくされかねない……!)
玲華の霊力が乱れているのを感じる。よほど焦っているのか、集中を切らしているようだ。それを補うために過剰に霊力を放出――つまり真桜の力を搾り取っているのだ。
頭から血の気が引いて、全身から力が抜けていく。
「うぅ……」
雪に膝をついた真桜は、生存本能に従い、震える手で強引に指輪を外した。
その直後、森の中から巨大な黒い影が跳躍し、雪原に姿を見せる。
(狒狒の妖――目が、合っ……っ)
らんらんと赤い目を光らせた妖は、雪を蹴立ててこちらへ向かってきた。
「待て!」
続いて後から颯吾が俊敏な動きで駆けてきて、長刀を振りかざした。
刃は月光を受けてきらめき、彼の気合とともに鋭い霊気が辺りに放たれる。
「玲華殿、結界を!」
颯吾が声を上げた。
森の入り口にようやく姿を見せた玲華は肩を大きく上下させながら、木の幹に寄りかかり顔を歪ませている。真桜が指輪を外してしまったので、霊力が足りないのだろう。
「真桜殿!」
颯吾が叫ぶのと、妖の鉤爪が真桜に振り下ろされるのは、ほぼ同時だった。
(こんなところで終われない。絶対にまたお母さんに会うの、それに――)
脳裏に暁翔の寂しげな瞳が浮かんだ瞬間、真桜は力強く両掌を妖へと翳した。
「ごめんなさい……おとなしくして!」
真桜は凛然と叫び、指先から放った深紅の糸で妖の全身を瞬時に絡めとった。
宙で動きを止めた妖に対し、颯吾の刃が一閃、夜の闇を切り裂く。
「覚悟!」
厳しい声と共に、颯吾が鋭い霊気を込めた一太刀を振り下ろし、妖の首を断ち切った。
断末魔の叫びをあげ、妖は黒い霧と化して消えていく。
「怪我はないか?」
颯吾は真桜のそばに跪き、彼女に手を差し伸べる。その声には冷静さを保ちながらも、わずかな温もりが感じられた。
「お手を煩わせました。不甲斐ないことでございます」
真桜は彼の手を借り、自らの足でしっかりと立ちあがった。
彼の掌は冷たい夜気にもかかわらず、驚くほど温かかった。立ち上がる際、颯吾の瞳が真桜をじっと見つめてくる。その視線は彼女の髪や肌、首筋にかかる影を一瞬だけ追い、何かを確かめるような鋭さを持っていた。
「妖とは違う気配がするような……」
颯吾がぽつりと呟く。
「き、気のせいではありませんか?」
ぎくりとした真桜は彼からパッと手を離して、落ちていた銀の指輪を気づかれないようにこっそりと拾い上げる。
「それにしても、さきほどの力……一瞬だったが玲華殿に匹敵、いや、それ以上……?」
「私はただ玲華様の真似をしただけで――」
「颯吾様! お見事でしたわ!」
玲華が勢いよくやってきて、息を切らしながらも颯吾に必死に笑顔を作り、真桜と颯吾の間に割り込む。
「い、今のは私が結界を張ってあげたのです。この子にそんなことができるわけありませんわ。驚かせてしまってごめんなさい」
玲華は、取り繕うように不自然なほど明るい声で場を収めようとした。
「そうか。君の力にはいつも助けられているな。ありがとう。後日改めてお礼に伺う……別件も兼ねて」
剣を収め、颯吾は含みを持たせたような物言いをする。
「は、はい! 喜んでお待ちしておりますわ」
玲華は目をきらきらと輝かせる。縁談のことを期待しているのは明白だった。
「我々は事後処理があるので、姫君方はお帰りになられ、体を休まれよ。では失礼」
恭しく礼をとった颯吾は、一瞬真桜の方に視線を向けたが、すぐにきびきびとした様子で部下を従え、村の方へ歩いていった。他に被害がないか、妖除けの護符を要所に張るなどしに行くのだろう。
帰宅後、座敷牢へと連れ戻された途端、玲華の笑顔の仮面が剥がれ落ちた。
「よくもやってくれたわね!」
玲華は激昂し、真桜の左頬を力任せに打ち据えた。
壁に肩をぶつけながら、真桜は異母姉に強い視線を返す。
(あんなに霊力を無駄に吸い取っておきながら、力を使いこなせなかったのに、八つ当たり?)
本当に矜持だけは高い人だ。
「私だって、まだ颯吾様に指一本も触れられていないのに、か弱いふりして――」
今度は着物の襟もとを掴まれ、玲華に鬼のような形相で睨まれた。
「男を誑かそうなんて、さすが汚らわしい下賤な女の娘ね」
玲華は侮蔑の色を含んだ目を光らせる。
「お母さんはそんな人じゃない!」
真桜は異母姉の手を力強く振り払い、初めて明確な拒絶の意思をぶつけた。
自分のことをいくら悪く言われてもかまわないが、母のことを否定されるのは我慢できなかった。穏やかな笑顔、抱きしめてくれた温もり、真っ直ぐ伸びた頼もしい背中、質素だけど優しい味付けのご飯――次々と思い出がよみがえり、胸が苦しくなって涙が溢れそうになった。
「何度でも言うわ、あんたの母親は下品な――」
玲華が罵倒しかけたところで、ばきりと柱にひびが入るような家鳴りがした。
座敷牢に張り巡らされた赤い糸が、不規則に明滅し始める。
「な、なに……?」
玲華が狼狽えるように慌てて周囲を見回す。
「ああ……怒りとは、こういう感情だった、な」
静かに牢の中に立ち浮かぶ白い人影――暁翔がすっと目を細めた。
到着する頃にはとっぷりと日は暮れていた。風が吹き抜ける平原は固い雪に覆われていたが、すでに妖と交戦したのか足場は乱れ、黒々とした土がめくれあがっている所もある。
「白月の姫君、また急な呼び出しに応じてくれて感謝する」
雪を踏み鳴らしてやってきたのは、狩衣に袴という装いで、背には長刀を背負い、腰には霊符が入った小袋を下げた青年だった。
帝都守護を担う霧島家の次期当主であり、その峻烈な剣技と品格は、退魔師たちの間でも一目置かれている。
「颯吾様! あなた様のためならどこへでも駆けつけますわ」
玲華が浮ついた声を上げ、草履が雪に埋もれるのもかまわずに、急ぎ足で彼の下へ向かっていった。
(玲華様が嫁がれたら、私はどうなるのかしら。遠く離れた場所から霊力だけを搾取されるの?)
それだけは勘弁してほしい。一生あんな所で過ごすなんて耐えられない。
「また真桜殿もご一緒か?」
颯吾がこちらに視線を投げてよこす。
「ええ、そうなの。力のないのに私の術を間近で見たいなんて、わがままで困りますわ。でも何があっても私が守りますから、颯吾様はお気になさらないで」
玲華はうるっと揺らした瞳で颯吾を熱っぽく見つめた。
真桜は、白月家で預かっている遠縁の娘ということになっている。毎回、退魔の現場に行きたがる我儘娘という体で同行していた。
「玲華殿の術があれば大丈夫だろう。だが、真桜殿、君の生半可な気持ちでは命がいくつあっても足りないぞ。あまり近づきすぎるなよ」
颯吾が鋭い目で睨んできたので、真桜は頷く。
(はなから、そのつもりですので。私にはおかまいなく)
真桜は無言で頭を上げたが、心の中でにっこりと笑った。
「では行くぞ。今は森の中になりを潜めている。いつものように援護を頼む」
「はいっ!」
跳ねる調子で答えた玲華が嬉しそうに、彼の背を追って闇の方へ消えていった。
月光が照らす中、前方には漆黒の森が闇を湛えている。冷たい空気が肺に染み込み、風で舞い飛んできた雪がほのかに耳を打った。
静寂に包まれた雪原で、真桜は独り、右手に嵌めた銀の指輪を見つめる。
やがて森の奥で爆ぜるような霊気が放たれ、指輪がじりじりと肌を焼く熱を帯び始めた。
(今夜は特にひどい。颯吾様にいいところをみせようとしているのね)
ずきずきと抉られるような指の激痛に奥歯を噛みしめながら、呼吸を整えて耐える。
だが、その熱は限界を超え、真桜の意識を激しく揺さぶった。
(だめ…これ以上は私の魂まで吸いつくされかねない……!)
玲華の霊力が乱れているのを感じる。よほど焦っているのか、集中を切らしているようだ。それを補うために過剰に霊力を放出――つまり真桜の力を搾り取っているのだ。
頭から血の気が引いて、全身から力が抜けていく。
「うぅ……」
雪に膝をついた真桜は、生存本能に従い、震える手で強引に指輪を外した。
その直後、森の中から巨大な黒い影が跳躍し、雪原に姿を見せる。
(狒狒の妖――目が、合っ……っ)
らんらんと赤い目を光らせた妖は、雪を蹴立ててこちらへ向かってきた。
「待て!」
続いて後から颯吾が俊敏な動きで駆けてきて、長刀を振りかざした。
刃は月光を受けてきらめき、彼の気合とともに鋭い霊気が辺りに放たれる。
「玲華殿、結界を!」
颯吾が声を上げた。
森の入り口にようやく姿を見せた玲華は肩を大きく上下させながら、木の幹に寄りかかり顔を歪ませている。真桜が指輪を外してしまったので、霊力が足りないのだろう。
「真桜殿!」
颯吾が叫ぶのと、妖の鉤爪が真桜に振り下ろされるのは、ほぼ同時だった。
(こんなところで終われない。絶対にまたお母さんに会うの、それに――)
脳裏に暁翔の寂しげな瞳が浮かんだ瞬間、真桜は力強く両掌を妖へと翳した。
「ごめんなさい……おとなしくして!」
真桜は凛然と叫び、指先から放った深紅の糸で妖の全身を瞬時に絡めとった。
宙で動きを止めた妖に対し、颯吾の刃が一閃、夜の闇を切り裂く。
「覚悟!」
厳しい声と共に、颯吾が鋭い霊気を込めた一太刀を振り下ろし、妖の首を断ち切った。
断末魔の叫びをあげ、妖は黒い霧と化して消えていく。
「怪我はないか?」
颯吾は真桜のそばに跪き、彼女に手を差し伸べる。その声には冷静さを保ちながらも、わずかな温もりが感じられた。
「お手を煩わせました。不甲斐ないことでございます」
真桜は彼の手を借り、自らの足でしっかりと立ちあがった。
彼の掌は冷たい夜気にもかかわらず、驚くほど温かかった。立ち上がる際、颯吾の瞳が真桜をじっと見つめてくる。その視線は彼女の髪や肌、首筋にかかる影を一瞬だけ追い、何かを確かめるような鋭さを持っていた。
「妖とは違う気配がするような……」
颯吾がぽつりと呟く。
「き、気のせいではありませんか?」
ぎくりとした真桜は彼からパッと手を離して、落ちていた銀の指輪を気づかれないようにこっそりと拾い上げる。
「それにしても、さきほどの力……一瞬だったが玲華殿に匹敵、いや、それ以上……?」
「私はただ玲華様の真似をしただけで――」
「颯吾様! お見事でしたわ!」
玲華が勢いよくやってきて、息を切らしながらも颯吾に必死に笑顔を作り、真桜と颯吾の間に割り込む。
「い、今のは私が結界を張ってあげたのです。この子にそんなことができるわけありませんわ。驚かせてしまってごめんなさい」
玲華は、取り繕うように不自然なほど明るい声で場を収めようとした。
「そうか。君の力にはいつも助けられているな。ありがとう。後日改めてお礼に伺う……別件も兼ねて」
剣を収め、颯吾は含みを持たせたような物言いをする。
「は、はい! 喜んでお待ちしておりますわ」
玲華は目をきらきらと輝かせる。縁談のことを期待しているのは明白だった。
「我々は事後処理があるので、姫君方はお帰りになられ、体を休まれよ。では失礼」
恭しく礼をとった颯吾は、一瞬真桜の方に視線を向けたが、すぐにきびきびとした様子で部下を従え、村の方へ歩いていった。他に被害がないか、妖除けの護符を要所に張るなどしに行くのだろう。
帰宅後、座敷牢へと連れ戻された途端、玲華の笑顔の仮面が剥がれ落ちた。
「よくもやってくれたわね!」
玲華は激昂し、真桜の左頬を力任せに打ち据えた。
壁に肩をぶつけながら、真桜は異母姉に強い視線を返す。
(あんなに霊力を無駄に吸い取っておきながら、力を使いこなせなかったのに、八つ当たり?)
本当に矜持だけは高い人だ。
「私だって、まだ颯吾様に指一本も触れられていないのに、か弱いふりして――」
今度は着物の襟もとを掴まれ、玲華に鬼のような形相で睨まれた。
「男を誑かそうなんて、さすが汚らわしい下賤な女の娘ね」
玲華は侮蔑の色を含んだ目を光らせる。
「お母さんはそんな人じゃない!」
真桜は異母姉の手を力強く振り払い、初めて明確な拒絶の意思をぶつけた。
自分のことをいくら悪く言われてもかまわないが、母のことを否定されるのは我慢できなかった。穏やかな笑顔、抱きしめてくれた温もり、真っ直ぐ伸びた頼もしい背中、質素だけど優しい味付けのご飯――次々と思い出がよみがえり、胸が苦しくなって涙が溢れそうになった。
「何度でも言うわ、あんたの母親は下品な――」
玲華が罵倒しかけたところで、ばきりと柱にひびが入るような家鳴りがした。
座敷牢に張り巡らされた赤い糸が、不規則に明滅し始める。
「な、なに……?」
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