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7 普通が一番、安全が一番
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居心地の悪さと頭の中で失敗について考えてれば、いつの間にか入学説明会は終わった。
一人今いる列から、飛び出すことも許されず、制服組の波にのまれるまま歩き進める。壁に貼ってあるクラス分けの紙を見ながら、
「あなた何組?」
と隣にいた女の子から、気軽に話しかけられた。驚いたわ。突然知らない人に話しかける勇気、これこそ新しい始まりと感激した。
口では微妙なラインの男性を希望していながら、目では見目の良い男性の方ばかり見ていたじゃないか。
私が求めていたのは、ハプニングや驚きや印象深く残る出会いじゃない。ごくありふれた日常の一部のような自然の出会い!
自然な交流、そしてようこそガルドニ侯爵の婿入りと続く道筋。何故私も積極的に話しかけないの?
ありがとう、隣の子!
ちゃんと見えた、堅実な道が。
「ふふ、一組よ。あなたは何組?」
と答えると、一組同士が、わらわらと寄ってきて教室に行く前に、一盛り上がりする。簡単な自己紹介や仲良くなりましょうねとか、馴染みながら教室に行けば、教室に入る前の廊下で、友達とやっと出会えた。
「リディー、あなたその服装…」
キャロラインが絶句とばかり言葉を失った。マリーダやクロエも驚いている。
「何をしているの?私達、ずっとあなたの事探してたのよ!前回のお茶会で話していたの忘れたの?」
ごめんよ、お茶会は確かに私自身の報告だけして、あとは流していたから、覚えていなかった。
制服組が、ビクビクと怖がる雰囲気を感じたので、彼女達には、
「また後日ね~」
と気楽に話し、手を振る。彼女達の気軽さに救われたし、復活したわ~。
「キャロライン達は、どのクラス?私は一組よ」
と言えば、
「一体どうして、どういう成り行きで制服組と一緒にいるのよ、リディ!制服着ているし!髪型違うし!」
興奮しているわね、友達よ。
「ああ、うっかりという事よ。私の思い込みかな、まぁ髪型は、ほら、今までから綺麗さっぱり変えて、新しい出会いのために神々しさを抑えて庶民風よー」
と軽くイメージチェンジした事を明かした。
「いや、全くわからない。怖い、婚約破棄がリディを狂わせたのかしら?とりあえず会えたし、私とマリーダは二組でクロエは一組よ。時間もあるからあとで話して!クロエ、気をつけてね、危ないと思ったら離れるのよ」
「失礼ね、キャロライン!婚約破棄じゃなくて解消よ。ここは大事なことよ。確かに金銭面の償いはあったけど、お互い納得の上に解消という穏やかな話し合いで決まったの。お互い経歴には残らない婚約になったの。誤解しないで」
「はい行こうね、リディ、どこから聞けば解決するかわからないけどね」
とクロエに引っ張られるままに教室に入った。
全く彼女達は、容赦がない。身分で言えば、私が一番上だと言うのに。
お互いに瑕疵が経歴に残らないよう、婚約解消なのに。
「まず、どうして制服?」
とクロエが聞くから、
「少し前まで王立学園が私の散歩コースで、毎日制服姿を見てたからよ」
「ああ、ウィルソン様の追い回し中の時ね。説明会なのに馬鹿ね。髪型は?リディが髪の毛を下さないなんて驚いたわ」
素直に言えるわけがない。派手な色とか目がチカチカすると言われてショックだったなんて。
「本当に気分転換、新たな私と学園での出会いのためよ。ほら、二つ結びも可愛いでしょう?」
「リディ、制服着て自慢の髪を結いて、あなた平民に出会いを求めているの?だからあんなに意気投合していたの?」
「婿入り希望者の堅実な道を気づかせてもらったわ。油断すると見目の良い男性を見ていたのよ私。彼女達、気のいい人達よ。気を使わないでくれるし、普通に声をかけてくれたの、感動したわ。馬車を降りてから試練が続いて、救われたって感じなのよ。やっぱり普通が、一番安らぐし安全」
鼻から抜けるような溜息が聞こえた。
「引きずっているのね、ウィルソン様を」
えっ!?今の会話にどこにウィルソン様ポイントがあったの?全然わからないし、意識してないけど。
結局、先生が来て資料をもらって解散。挨拶も無し。制服組の人達は、やっぱりその集団でいて動かず、みんな黙っている。
「何故彼女達は、みんな帰らないの?」
とクロエに聞けば、
「先に出て貴族に絡まれたくないからよ、何か無遠慮に言ってくる人もいるんじゃないかしら?ほら、マリーダもキャロラインも待っているわよ」
確かにね。
「わかったわ、行きましょう、クロエ。
先程の皆さん、ご機嫌よう。私のことは、変わらずリディと呼んでね」
と別れの挨拶を制服組に言った。何人か貴族令嬢も私に気づいたみたいだ。この教室で身分的では一番上だ。数多くの茶会には出席していたので、親しくはなくても顔見知りだ。その私が、制服組に気軽に声をかけて、愛称呼びを許可したのだから、他のクラスメイトは、この人達に無遠慮に手出しは出来ないはずだ。
「「「ご機嫌よう?」」」
と答えてくれた。私の事は、怖がっていないみたいで安心した。ふふ、私ってば今、親切だったわよね?
「ハァ、いい事したと思わないクロエ!クロエも徳は積んでおいた方が、いざって時に助けてくれるからおすすめよ」
とドヤ顔で言う。
「もう全然わからない。リディがおかしくなった、私の手におえない」
とクロエはぼやく。全く凄い為になる話をしているのに。
キャロラインとマリーダには、しつこく聞かれて、結局クロエと同じ反応をされた。呆れて怖がられて、急に納得し始めた。
「ウィルソン様に振られたからか、早く忘れるには、確かに変化は必要」
とか知ったかぶりを放り込んできて、腹が立つ。
何故ここにいない人間の話を、ずっとしなければならないのか。そちらの方が、未練がましいわ。まるで、私がまだ好きみたいじゃないの!
「婚約解消は成立したのだから、もう彼の名前は絶対出さないで。あんな浮気男を気にしたくもない」
と宣言してやっと解放された。
ハァーーー。
校舎から出る際、柱に制服の男子生徒が立っていた。顔など見ていないが、気配というよりも何か熱量を感じた。
あれじゃストーカー的観察は失格ね。せっかく死角に立っていたのに。
「まだまだね」
その方角を見れば、腕に腕章を付けた先輩達。
…知って得はなさそうだ。
話しかけないで良かった。
あの人(グレンと呼ばれた人)が見えた。離れていても見目の良さが、一際際立つ。盗人が落とした鞄を拾ってくれた人だと思う。あの青い綺麗な目は、トリスタン殿下よりも濃く美しかった。あんな綺麗な色は見たことがないもの。
髪色は違うが前髪、悪口、今回も嫌味や注意をされた口調は、彼だと思っている。
同じ学園だったのか。
何故街で見つからないように歩いていたのかしら?
無遠慮にずっと彼を見ていたらしい私は、違う方向…先程の柱の方角から刺さるような(殺気)視線を感じた。
おっと…まさかね。そういうこと!?
恋する人はナーバスだからね。
刺激危険。勘違いは面倒しかない。
鞄の御礼は…わざわざ言う事でもないかな。怒られたし、怖いし。関わらないがいいかな。
普通が一番。安全が一番。
父様に、早速、微妙なラインの普通の方の釣書を希望しよう。
一人今いる列から、飛び出すことも許されず、制服組の波にのまれるまま歩き進める。壁に貼ってあるクラス分けの紙を見ながら、
「あなた何組?」
と隣にいた女の子から、気軽に話しかけられた。驚いたわ。突然知らない人に話しかける勇気、これこそ新しい始まりと感激した。
口では微妙なラインの男性を希望していながら、目では見目の良い男性の方ばかり見ていたじゃないか。
私が求めていたのは、ハプニングや驚きや印象深く残る出会いじゃない。ごくありふれた日常の一部のような自然の出会い!
自然な交流、そしてようこそガルドニ侯爵の婿入りと続く道筋。何故私も積極的に話しかけないの?
ありがとう、隣の子!
ちゃんと見えた、堅実な道が。
「ふふ、一組よ。あなたは何組?」
と答えると、一組同士が、わらわらと寄ってきて教室に行く前に、一盛り上がりする。簡単な自己紹介や仲良くなりましょうねとか、馴染みながら教室に行けば、教室に入る前の廊下で、友達とやっと出会えた。
「リディー、あなたその服装…」
キャロラインが絶句とばかり言葉を失った。マリーダやクロエも驚いている。
「何をしているの?私達、ずっとあなたの事探してたのよ!前回のお茶会で話していたの忘れたの?」
ごめんよ、お茶会は確かに私自身の報告だけして、あとは流していたから、覚えていなかった。
制服組が、ビクビクと怖がる雰囲気を感じたので、彼女達には、
「また後日ね~」
と気楽に話し、手を振る。彼女達の気軽さに救われたし、復活したわ~。
「キャロライン達は、どのクラス?私は一組よ」
と言えば、
「一体どうして、どういう成り行きで制服組と一緒にいるのよ、リディ!制服着ているし!髪型違うし!」
興奮しているわね、友達よ。
「ああ、うっかりという事よ。私の思い込みかな、まぁ髪型は、ほら、今までから綺麗さっぱり変えて、新しい出会いのために神々しさを抑えて庶民風よー」
と軽くイメージチェンジした事を明かした。
「いや、全くわからない。怖い、婚約破棄がリディを狂わせたのかしら?とりあえず会えたし、私とマリーダは二組でクロエは一組よ。時間もあるからあとで話して!クロエ、気をつけてね、危ないと思ったら離れるのよ」
「失礼ね、キャロライン!婚約破棄じゃなくて解消よ。ここは大事なことよ。確かに金銭面の償いはあったけど、お互い納得の上に解消という穏やかな話し合いで決まったの。お互い経歴には残らない婚約になったの。誤解しないで」
「はい行こうね、リディ、どこから聞けば解決するかわからないけどね」
とクロエに引っ張られるままに教室に入った。
全く彼女達は、容赦がない。身分で言えば、私が一番上だと言うのに。
お互いに瑕疵が経歴に残らないよう、婚約解消なのに。
「まず、どうして制服?」
とクロエが聞くから、
「少し前まで王立学園が私の散歩コースで、毎日制服姿を見てたからよ」
「ああ、ウィルソン様の追い回し中の時ね。説明会なのに馬鹿ね。髪型は?リディが髪の毛を下さないなんて驚いたわ」
素直に言えるわけがない。派手な色とか目がチカチカすると言われてショックだったなんて。
「本当に気分転換、新たな私と学園での出会いのためよ。ほら、二つ結びも可愛いでしょう?」
「リディ、制服着て自慢の髪を結いて、あなた平民に出会いを求めているの?だからあんなに意気投合していたの?」
「婿入り希望者の堅実な道を気づかせてもらったわ。油断すると見目の良い男性を見ていたのよ私。彼女達、気のいい人達よ。気を使わないでくれるし、普通に声をかけてくれたの、感動したわ。馬車を降りてから試練が続いて、救われたって感じなのよ。やっぱり普通が、一番安らぐし安全」
鼻から抜けるような溜息が聞こえた。
「引きずっているのね、ウィルソン様を」
えっ!?今の会話にどこにウィルソン様ポイントがあったの?全然わからないし、意識してないけど。
結局、先生が来て資料をもらって解散。挨拶も無し。制服組の人達は、やっぱりその集団でいて動かず、みんな黙っている。
「何故彼女達は、みんな帰らないの?」
とクロエに聞けば、
「先に出て貴族に絡まれたくないからよ、何か無遠慮に言ってくる人もいるんじゃないかしら?ほら、マリーダもキャロラインも待っているわよ」
確かにね。
「わかったわ、行きましょう、クロエ。
先程の皆さん、ご機嫌よう。私のことは、変わらずリディと呼んでね」
と別れの挨拶を制服組に言った。何人か貴族令嬢も私に気づいたみたいだ。この教室で身分的では一番上だ。数多くの茶会には出席していたので、親しくはなくても顔見知りだ。その私が、制服組に気軽に声をかけて、愛称呼びを許可したのだから、他のクラスメイトは、この人達に無遠慮に手出しは出来ないはずだ。
「「「ご機嫌よう?」」」
と答えてくれた。私の事は、怖がっていないみたいで安心した。ふふ、私ってば今、親切だったわよね?
「ハァ、いい事したと思わないクロエ!クロエも徳は積んでおいた方が、いざって時に助けてくれるからおすすめよ」
とドヤ顔で言う。
「もう全然わからない。リディがおかしくなった、私の手におえない」
とクロエはぼやく。全く凄い為になる話をしているのに。
キャロラインとマリーダには、しつこく聞かれて、結局クロエと同じ反応をされた。呆れて怖がられて、急に納得し始めた。
「ウィルソン様に振られたからか、早く忘れるには、確かに変化は必要」
とか知ったかぶりを放り込んできて、腹が立つ。
何故ここにいない人間の話を、ずっとしなければならないのか。そちらの方が、未練がましいわ。まるで、私がまだ好きみたいじゃないの!
「婚約解消は成立したのだから、もう彼の名前は絶対出さないで。あんな浮気男を気にしたくもない」
と宣言してやっと解放された。
ハァーーー。
校舎から出る際、柱に制服の男子生徒が立っていた。顔など見ていないが、気配というよりも何か熱量を感じた。
あれじゃストーカー的観察は失格ね。せっかく死角に立っていたのに。
「まだまだね」
その方角を見れば、腕に腕章を付けた先輩達。
…知って得はなさそうだ。
話しかけないで良かった。
あの人(グレンと呼ばれた人)が見えた。離れていても見目の良さが、一際際立つ。盗人が落とした鞄を拾ってくれた人だと思う。あの青い綺麗な目は、トリスタン殿下よりも濃く美しかった。あんな綺麗な色は見たことがないもの。
髪色は違うが前髪、悪口、今回も嫌味や注意をされた口調は、彼だと思っている。
同じ学園だったのか。
何故街で見つからないように歩いていたのかしら?
無遠慮にずっと彼を見ていたらしい私は、違う方向…先程の柱の方角から刺さるような(殺気)視線を感じた。
おっと…まさかね。そういうこと!?
恋する人はナーバスだからね。
刺激危険。勘違いは面倒しかない。
鞄の御礼は…わざわざ言う事でもないかな。怒られたし、怖いし。関わらないがいいかな。
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