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第3話
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「これ、紅茶ですよね。博士、いつの間にすり替えたんですか?」
「おお、実験大成功! 薬の効果が証明できたぞー!」
夢野博士が手を打ちながら、でたらめに踊り始める。
わけがわからなくて、直人は重ねて言った。
「博士。でたらめ音頭は後でいいですから、どういうことか教えてください」
「ふふん、では教えてあげよう。さっきの薬を飲んでから『コーヒーが紅茶だったらいいのに』……と願った途端、その通りの現象が起こった。つまりあの薬は『願い事を叶えてくれる薬』なのだ!」
「……。……本当ですか?」
「なんだい、直人くん。私の発明を疑っているわけ?」
「だって……そんなとんでもない薬、どうやって作るんです?」
「説明してあげてもいいけど、きみには理解できないと思うよ。チョコレートとカシスとシナモンと……あとは、あんなものやこんなものを、混ぜて熱して丁寧にこして、それから……」
「……すいません。聞いた俺がバカでした」
夢野博士とは小学生の頃からの知り合いだが、直人は未だに彼の台詞の80%は理解できない。つき合い始めてもう15年になるのに、8割もの発言が意味不明というのも不思議な話だ。
できればもっとわかるようになりたいが、直人が把握しているのは博士の性格や好みくらいである。具体的な思考回路に関しては、一生かかっても理解できまい。そこがちょっとせつない。
「おお、実験大成功! 薬の効果が証明できたぞー!」
夢野博士が手を打ちながら、でたらめに踊り始める。
わけがわからなくて、直人は重ねて言った。
「博士。でたらめ音頭は後でいいですから、どういうことか教えてください」
「ふふん、では教えてあげよう。さっきの薬を飲んでから『コーヒーが紅茶だったらいいのに』……と願った途端、その通りの現象が起こった。つまりあの薬は『願い事を叶えてくれる薬』なのだ!」
「……。……本当ですか?」
「なんだい、直人くん。私の発明を疑っているわけ?」
「だって……そんなとんでもない薬、どうやって作るんです?」
「説明してあげてもいいけど、きみには理解できないと思うよ。チョコレートとカシスとシナモンと……あとは、あんなものやこんなものを、混ぜて熱して丁寧にこして、それから……」
「……すいません。聞いた俺がバカでした」
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できればもっとわかるようになりたいが、直人が把握しているのは博士の性格や好みくらいである。具体的な思考回路に関しては、一生かかっても理解できまい。そこがちょっとせつない。
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