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第18話
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研究所では、純がビーカーの前で難しい顔をしていた。博士からもらったお下がりの白衣が意外とサマになっている。
「純くん、何やってるの?」
「あ、二人ともお帰りなさい。すみません、気づかなくて」
純は、ビーカーと手元のチェックボードとを見比べながら、言った。
「実は『好きな夢を見られる薬』を作ろうと思ったんですけど、これがなかなか上手くいかなくて……。博士が作った『願い事が叶う薬』をちょっと改良したらイケるかもって試しているんですが……」
「好きな夢を見られる薬か。いいんじゃない? 全力で頑張ってくれたまえ」
他人事のような夢野博士の態度に、直人はじっとりした視線を送った。
「……博士、手伝ってあげないんですか?」
「いや、ほら……こういうのは途中で手を出すと教育上よろしくないって言うから」
「単にやる気がないだけじゃないですか」
「いやいや、そんなことはないよ。純くんが『知恵を貸して欲しい』って言うなら喜んでお手伝いするさ。……多分ね」
多分かよ……と突っ込む気力も失せた。本当にこの博士は、自分が興味のある研究しかやろうとしない。
すると純は笑いながら言った。
「いいんですよ、吉田さん。もう少し一人で頑張ってみますから。……そんなことより、倉庫についてちょっと教えて欲しいんですけど」
「ああ、うん。じゃあ一緒に来てくれる?」
直人は純を引き連れて、『秘密の倉庫』に向かった。
倉庫には、今まで博士が発明してきた品物がたくさん保管されている。そのほとんどが、商品化できないヤバいものだ。『願い事の叶う薬』もそのひとつだった。
「これからは、純くんの発明品スペースも確保しておかないといけないな。そろそろ整理整頓しないとダメかも」
「そしたらぼく、お手伝いしますよ。どこに何があるか知っておきたいし」
「ありがとう。それじゃ、ヒマな時は手伝ってもらおうかな」
軽く倉庫内を見て回ったところで、不意に純が口を開いた。
「純くん、何やってるの?」
「あ、二人ともお帰りなさい。すみません、気づかなくて」
純は、ビーカーと手元のチェックボードとを見比べながら、言った。
「実は『好きな夢を見られる薬』を作ろうと思ったんですけど、これがなかなか上手くいかなくて……。博士が作った『願い事が叶う薬』をちょっと改良したらイケるかもって試しているんですが……」
「好きな夢を見られる薬か。いいんじゃない? 全力で頑張ってくれたまえ」
他人事のような夢野博士の態度に、直人はじっとりした視線を送った。
「……博士、手伝ってあげないんですか?」
「いや、ほら……こういうのは途中で手を出すと教育上よろしくないって言うから」
「単にやる気がないだけじゃないですか」
「いやいや、そんなことはないよ。純くんが『知恵を貸して欲しい』って言うなら喜んでお手伝いするさ。……多分ね」
多分かよ……と突っ込む気力も失せた。本当にこの博士は、自分が興味のある研究しかやろうとしない。
すると純は笑いながら言った。
「いいんですよ、吉田さん。もう少し一人で頑張ってみますから。……そんなことより、倉庫についてちょっと教えて欲しいんですけど」
「ああ、うん。じゃあ一緒に来てくれる?」
直人は純を引き連れて、『秘密の倉庫』に向かった。
倉庫には、今まで博士が発明してきた品物がたくさん保管されている。そのほとんどが、商品化できないヤバいものだ。『願い事の叶う薬』もそのひとつだった。
「これからは、純くんの発明品スペースも確保しておかないといけないな。そろそろ整理整頓しないとダメかも」
「そしたらぼく、お手伝いしますよ。どこに何があるか知っておきたいし」
「ありがとう。それじゃ、ヒマな時は手伝ってもらおうかな」
軽く倉庫内を見て回ったところで、不意に純が口を開いた。
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