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レビューを書いた覚えがないのに
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夜、スマホで通販サイトを眺めていた。
疲れていると、どうでもいい物を買ってしまう。
その日も、前から迷っていたワイヤレスイヤホンをカートに入れた。
評価はそこそこ良い。
レビューを流し読みする。
★5。
★4。
問題なさそうだった。
スクロールした指が止まる。
★☆☆☆☆
『買わなければよかった』
短い一文。
それだけなら気にしなかった。
だが。
投稿者名を見て、心臓が止まりそうになった。
自分の名前だった。
(……え?)
見間違いかと思い、もう一度見る。
同姓同名?
いや、違う。
普段サイトで使っている、ニックネーム。
アルファベットと数字の並びまで一致している。
あり得ない。
レビュー投稿日を見る。
一週間後の日付だった。
背筋が冷える。
(バグ?)
ページを更新する。
もう一度レビューを見る。
同じ文章。
同じ名前。
同じ日付。
『買わなければよかった』
何度見ても変わらない。
アカウント情報を確認する。
ログイン履歴。
全部、自分の端末。
おかしなアクセスはない。
そもそも、そのイヤホンはまだ買っていない。
なのに、
未来の日付でレビューが投稿されている。
気味が悪くなり、購入をやめようとする。
だが。
指が止まる。
(……でも)
未来の自分が後悔する理由なんて、
いくらでもある。
音質が悪いとか、
すぐ壊れるとか。
それだけかもしれない。
そう思い直し、
結局、購入ボタンを押した。
⸻
一週間後。
イヤホンは、普通に届いた。
音も悪くない。
使い心地も問題ない。
(何だったんだろ)
あのレビュー。
気にしすぎだったのかもしれない。
そう思っていた、その夜。
スマホに通知が届いた。
『レビュー投稿ありがとうございました』
嫌な予感がして、アプリを開く。
購入履歴。
レビュー投稿済み。
自分のアカウント。
★☆☆☆☆
投稿内容。
『買わなければよかった』
指が震える。
自分は、レビューなんて書いていない。
その瞬間。
イヤホンから、
ノイズ混じりの音が流れた。
誰かの声。
『……聞こえてる?』
知らない声だった。
だが。
次の瞬間。
それが、
自分の声だと気づいた。
疲れていると、どうでもいい物を買ってしまう。
その日も、前から迷っていたワイヤレスイヤホンをカートに入れた。
評価はそこそこ良い。
レビューを流し読みする。
★5。
★4。
問題なさそうだった。
スクロールした指が止まる。
★☆☆☆☆
『買わなければよかった』
短い一文。
それだけなら気にしなかった。
だが。
投稿者名を見て、心臓が止まりそうになった。
自分の名前だった。
(……え?)
見間違いかと思い、もう一度見る。
同姓同名?
いや、違う。
普段サイトで使っている、ニックネーム。
アルファベットと数字の並びまで一致している。
あり得ない。
レビュー投稿日を見る。
一週間後の日付だった。
背筋が冷える。
(バグ?)
ページを更新する。
もう一度レビューを見る。
同じ文章。
同じ名前。
同じ日付。
『買わなければよかった』
何度見ても変わらない。
アカウント情報を確認する。
ログイン履歴。
全部、自分の端末。
おかしなアクセスはない。
そもそも、そのイヤホンはまだ買っていない。
なのに、
未来の日付でレビューが投稿されている。
気味が悪くなり、購入をやめようとする。
だが。
指が止まる。
(……でも)
未来の自分が後悔する理由なんて、
いくらでもある。
音質が悪いとか、
すぐ壊れるとか。
それだけかもしれない。
そう思い直し、
結局、購入ボタンを押した。
⸻
一週間後。
イヤホンは、普通に届いた。
音も悪くない。
使い心地も問題ない。
(何だったんだろ)
あのレビュー。
気にしすぎだったのかもしれない。
そう思っていた、その夜。
スマホに通知が届いた。
『レビュー投稿ありがとうございました』
嫌な予感がして、アプリを開く。
購入履歴。
レビュー投稿済み。
自分のアカウント。
★☆☆☆☆
投稿内容。
『買わなければよかった』
指が震える。
自分は、レビューなんて書いていない。
その瞬間。
イヤホンから、
ノイズ混じりの音が流れた。
誰かの声。
『……聞こえてる?』
知らない声だった。
だが。
次の瞬間。
それが、
自分の声だと気づいた。
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