欺瞞の勇者~全てを騙して幸せに~

親の目を盗んで

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六章

ディーナの紹介と帝国

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…しばらくの後、そこにはコウキ、フィノ、ディーナ、カエデ、アイコ、アキラ、スミレ、ヤマト、ヤスヒロ、セレス、ホムラの十一人がいた。

「え~まず、紹介するよ。フィノの母親の、ルミナスディーナだ。」

「皆さん、今までフィノちゃんと遊んでいただいて、感謝しています。ぜひ、ディーナとお呼びください。これからも、私共々、よろしくお願いしますね。」

ルミナスディーナが見惚れるような微笑みを放つ。ディーナは結構、天然なのだ。

「ああ。よろしく頼む。」

アキラは通常運転だ。

「「っ!」」

ヤマトとヤスヒロはその美しさに息をのむ。


「うわ~。お若いですね~これって、神様だからなんですか?」

と、アイコ。

「綺麗ですね…はっ!すいません。よ、よろしくお願いします。」

スミレは見惚れていたようだ。

「わ~、綺麗です~。」

「…美しさの秘訣とか教えて貰えないでしょうか…」

ホムラとセレスが言う。


「で、コウキ。ディーナに、手、出した言い訳、は?」

カエデが僕を凍らせながら聞いてくる。

「「「「「「「「え!?」」」」」」」」

皆が驚愕の面持ちで僕を見る。

「あ~、少し長くなるぞ?」

僕は彼らに全て話した。


「兄貴!おめでとうございます!」

ヤマトが尊敬の目で僕たちを祝福する。

「え?じゃあ、コウキ君は自分の娘さんである、フィノさんと…」

アイコが顔を赤くしている。

「いや、まあ、記憶がないから実感が湧かないんだよな。」

「もしかして、フィノちゃんとディーナさんと、三人でしたんですか!?」

スミレが言い当ててくる。

「「「な!?」」」

ヤスヒロたちが信じられないと言いたそうな顔で僕を見る。

「う、うむ。しかし、母様の、あのように乱れた姿は初めて見たのじゃ!」

フィノは少し頬を染めて言った。

「ひゃっ///…う~、フィノちゃんだって蕩けたような顔をしていたではありませんか。」

ディーナは耳まで顔を赤くして言い返す。

「むう。ずるい。」

カエデがその言葉に反応する。

「はいはい。今夜な。」

僕がカエデを宥める。

「「え!?」」

スミレとアイコがその言葉に反応する。

「わかったわかった。皆でしよう。」

僕は折れた。

「とりあえず、他の人たちにはフィノの母親ということだけを伝えるから。」

僕は騒がしくなっている広場に向かって歩き出す。








そこにはクラスメイト達とサティと文官?の人、そしてブタみたいに太った男とそれを守るように立っている、騎士たちがいた。

太った男が叫ぶ。

「だから!『光の勇者』を我がテルーノ帝国で預かると言っているのだ!すでに、グランドポート王国とテルーノ帝国、オーレスティス神聖国の武力バランスが崩れているんだぞ!」

「と、言われましても…我がグランドポート王国に何の益もないようでは、その要求を呑むわけにはいきません。」

なーんかな~。もう、面倒ごとのにおいがプンプンするよ。

「おや?おお、これはコウキ様方。ご用事が終わりましたようで何よりです。」

「あ!コウキさん!お帰りなさいませ!」

グランドポート王国の文官だったかな?の人が頭を下げる。

サティはいつも通り、僕にコウキに好意を寄せているのが丸わかりな態度だ。

「む、こ奴が、我が婚約者を誑かした勇者なのか?ふん、覇気がないな。
…ひれ伏せ、平民が。我はテルーノ帝国の第四皇子、クロード・マルク・テルーノだ。」

なんか昔のヤスヒロのようなブタが威張っている。

「なんです?このブ…人、なのかな?何か不快な感じがするのですが。」

僕は煽る。

「な!?不敬であるぞ!このお方は皇族である!貴様の様な平民上がりにお声をかけて下さったのだぞ!?まずは感激して涙を流すがいい。」

クロードの側近のような騎士達が僕に槍を向け、言う。

…それは僕に喧嘩を売っているのかな?

僕は光速で手刀を繰り出し、騎士たちの装備を全て切り刻んだ。

「「「「え!?」」」」

僕は呆れたように言う。

「なんだ、誰も反応できなかったの?帝国の近衛兵でこれなら、僕だけでも帝国を滅ぼせそうだ。」

「な、何をしておる!今すぐにその不届き者を殺せ!」

クロードは裸になった近衛兵たちに命令する。…が、誰一人動かない。

「す、みません。これ程の、殺気を受けたことは、今まで一度もなく、う、動くことが…」

隊長らしき人物がかろうじて声を出した。

「なんだと!この役立たずが!いいから早くこいつを殺してサティを連れて帰るのだ!」

クロードが怒鳴る。

「あれ?そういえば、サティに婚約者っていたんだ?」

僕はすでに知っていることを聞いた。

サティは顔を青くして、

「ち、違います!元、婚約者です!しかも、同盟のために無理矢理決められて、私が呪いにかかってすぐに私を見捨てたような男です!私はあんな男に好意を寄せたことは一度もありません!」

必死に否定する。

「ん。クズ男。」

カエデが僕の後ろから出てきて、冷ややかな視線をクロードに向ける。

「な、何を言っているんだ、サティ!それと、お前!急に出てきて何なんだ!今、我に謝罪するなら奴隷落ちくらいでかんべ…っひ!」

僕は少しだけ殺気を放つ。そして笑顔で言う。

「ねぇ。君、調子に乗りすぎだよ?皇族だから何?僕たち勇者に権力なんて通じるとでも?そんなわけないじゃん。権力を行使するには相手を上回る武力が必要だ。」

僕は剣先をクロードに向けて、言う。

「今、君の身を守るものは自分以外に無い。目の前には僕。君に勝ち目は無い。この場で命令できるのは僕だけだ。わかったか?分かったならさっさと帝国に帰れ。」

僕は殺気を強める。

「ひっ、ヒヤアアアアアア!」

「お、お待ちを!クロード様!」

クロードは股間を濡らし、みっともなく床を這いずりながら逃げていく。裸の近衛兵たちもそれに続く。


「なんでおまえはこうも面倒事に巻き込まれるんだ?」

アキラが言った。カエデ達はずっと僕の背後にいた。カエデ以外、認識はさせていなかったけどね。



「さあね?でも、僕が戦争を、戦争が僕を求めているからなのかもね?」


…帝国も今、面白そうなことをしているしね。
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