クロスワールド・ブレイカー

ねこぴー

文字の大きさ
1 / 1
1話完結

クロスワールド・ブレイカー

しおりを挟む
「異世界からの侵略が始まりました」

ニュースアプリの通知が鳴った時、俺はコンビニの前で缶コーヒーを開けたところだった。

またかよ、って思った。
異世界からの侵略なんて、今や日常だ。
5年前、世界の境界が壊れ、俺たちは“並行世界”と地続きになった。
空に裂け目ができると、そこから怪物やら兵士やらが降ってくる。
あっちの世界の王だか魔王だか知らねえけど、まあ毎日がRPGみたいなもんだ。

だが、普通の奴らは戦わない。
戦うのは、「変身者」と呼ばれる存在だけだ。

もちろん、俺もその一人――
コードネーム、『クロスワールド・ブレイカー』。

「ヒーロー様のお出ましか?」

そう言って笑ったのは、異世界側の将軍みたいな奴だった。
でかい体にトカゲの頭、全身を金属で覆ってる。名前は……知らねえ。覚える気もない。

「この世界は、間もなく我々のものになる」

「うるせぇよ」

俺は缶コーヒーを地面に置いた。
そして、胸元の変身デバイスに手をかける。

「変身」

次の瞬間、俺の体は光に包まれた。
黒と銀のアーマーが瞬時に展開し、左腕には異世界と現代をつなぐブレイカーソードが現れる。

「俺はテメェらの評価が欲しくてヒーローやってんじゃねえからな。俺がやりたくてやってんだ」

その言葉は、ずっと心に決めている俺の信条だ。
誰かに認められたいわけじゃない。
俺は、ただこの世界を守りたい。
そのためなら、どんな相手でも叩き潰す。

「行くぞ、トカゲ野郎」

俺は異世界兵の軍勢に突っ込んだ。

剣を振ると、空間が裂けた。
ブレイカーソードは、並行世界の境界をも切り裂く武器だ。
その斬撃は、異世界からの兵士たちを次々と消滅させていく。

「な、なんだと……!」

トカゲの将軍は一歩引いた。
だが、俺は容赦しない。

「この世界は渡さねぇ。俺は、俺の意志で戦う」

俺は跳躍し、トカゲの胸に剣を突き立てた。

「クロスブレイク・インパクト!」

空間が一気に爆ぜた。
異世界の裂け目が閉じ、敵の軍勢は一瞬で消滅した。

――そして、静寂。

俺は変身を解除した。
缶コーヒーを拾い、ひと口飲む。

「ぬるいな……」

スマホを見れば、SNSには「ヒーロー最高!」だの「ブレイカーかっこいい!」だののタグが並んでる。
でも、そんなもんどうだっていい。

俺は、誰かの拍手のために戦ってるんじゃない。
やりたくてやってるだけだ。

自分で決めたことだから。
だから、今日も俺は異世界と現代を守る。

それが、俺の戦いだ。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

処理中です...