崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十六・五話 VSラグナロク・妖炎

マリーオウのご案内

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 ヒューー……バタバタッ……!

 風が強い日。マリーオウを突風が襲っていた。
 別に台風などでもない。子供たちは環境の変化に喜んで遊んでいるが、大人たちは軽い看板や洗濯物が飛ばされないよう、家の中にしまったり紐でしっかり縛ったりしていた。

「……風が強いッスね」「楽しそうー!」
「……マスター、飛ばされちゃうんじゃないだろうか」
「マスターは結構軽いからさ。誰かに掴まらないと何度も転んでしまいそうだな」

 そんな光景を窓の外で見ながら、宿の食堂にてナガレたちが昼食を取っていた。
「こんな日は外に出たかないにゃ。ネコはコタツで丸くなるにゃあ……」
「こんなところにコタツなんてないわよ。暖炉の近くで丸くなりなさい。毛を焦がさないようにね!」
「……そうかもな」
 あったかそうなオニオングラタンとスープ、それにシャケの塩焼きというなんともミスマッチな文化のランチ。しかしどれも美味しかった。

「そうは言っても、オレは出かけるから。適当に買い物してからクエスト見てくるよ」
「……なんだ、出かけるのか」
 こんな天気でも出かける必要があるとは大変な仕事である。ナガレがズルズルとスープを飲み干したところで……。

「おはようなのじゃ諸君。今日は風が強いのう」
 寝癖を治しながら、レンが姿を現した。いつものベレー帽は小脇に抱えている。
「オッス、マスター。お先にいただいてるッス」
 蓋をしてあったレンの昼食を取り出すベネット。みんなが見ている中、レンは手を合わせた後、シャケにガブっとかぶりついた。
「うん、うまい! どこのシャケも美味しいのう」

「あ、マスター! オレ、これから買い物行くんですけど、なんか欲しい物とかあります?」
 ナガレが立ち上がると、レンの耳がピクッと反応した。「ま、待った!」とすぐに立ち上がる。
「なんだどうした? そんなに慌てちゃって」

「待ってくれ! 私も着いていっていいか?」
「え? いいですけど……でも大したとこ行くわけじゃないですよ」
「それでもいい! 大したとこじゃない所に連れていってくれ」
 らしくなく必死のマスターを見て、ナガレも不思議そうに首を傾げる。そんなに娯楽に飢えていたのだろうか?

「いいですよ! んじゃあ一緒に行きましょう」
「ほ、本当か! やったぁ!」
 レンは飛び上がって喜んでから、周囲の視線に気づいて「こ、こほん!」と咳払いする。
「し、正直娯楽に飢えておってな。ギルドマスターだろうとこの街ではよそ者なので、特にできることがないから……」
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