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第二十八話 正義の羽音
悪戦苦闘の修練!
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「はぁーっ!」
「……!」
なんと、ピョコッと芽が伸びた! そして植物はみるみる成長していき、ピンク色のツボミをつけるまでに至った。
「……あっ! や、やりましたぁっ! こんな感じで治癒魔法を出すんですね」
喜んで小さく飛び跳ねるフローレンス。どうやら彼女は、サニーと治癒魔法の練習をしているようだ。……ケンガにバカにされたのを根に持っていたらしい。
しかしフローレンスの喜びようとは対照に、サニーはしきりに首を傾げていた。
「あ、あれ? おかしいですね」
「え、何がですか?」
「……大体のニンゲンなら、花を咲かせるところまで行けるんですけど」
「……そそそっそそそうなんですか? おっかしーなー……」
ビクッとしたフローレンス。するとサニーは何かを思い出したようだ。
「あ、そういえば。フローレンスさん、確かデバフスキルがありましたよね」
「うっ! ……そ、そうですね」
バレてしまい、しょんぼり肩をすくめるフローレンス。そう、彼女もまたデバフスキルを持っていた。
その名も『雑念』。回復よりも攻撃性や耐久性を重視してきた彼女は、治癒魔法を使おうとしてもそのイメージが割り込んでしまい、回復の効果が下がってしまう。
と言っても、攻撃一辺倒だったラストハーレムズ時代はそこまで気にならなかった。しかし回復魔法を習得しようとしたところ、これがデメリットとなってしまうのだ。
ちなみにフローレンスは同じ事をナガレとジョーに相談していた。
「それならさ、鎧を……というより、その白装束を変えたら? 僧侶っぽさが無くなれば、ケンガもアレコレ言ってこないんじゃない?」
とナガレは言ったが、フローレンスはそれを拒否。
「だめですっ! これは私のアイアンディティーなんです! ナガレさんのスカーフ、ジョーさんの黒マスクと同じなんですよっ」
「アイデンティティーね」
「……俺はマスクをつける理由があるからつけているだけなんだが」
「……それに、これはラストハーレムズに入った時、ベアンさんから貰ったものなんです。大切にしないと」
「そっか……なら仕方ない」
「……自分の答えがハッキリしてるな。なら俺たちに聞いてくるなよ……」
忘れている方に説明すると、ベアンとはフローレンスの元先輩(上司?)。アイドル冒険者パーティのラストハーレムズにいた際、性悪な一軍アイドルに目をつけられていたフローレンスを何かと気にかけてくれた良い先輩だ。(十二話~十四話)
それはさておき、話を聞いたナガレは「そうだなぁ」と考え込む。そして顔を上げた。
「……!」
なんと、ピョコッと芽が伸びた! そして植物はみるみる成長していき、ピンク色のツボミをつけるまでに至った。
「……あっ! や、やりましたぁっ! こんな感じで治癒魔法を出すんですね」
喜んで小さく飛び跳ねるフローレンス。どうやら彼女は、サニーと治癒魔法の練習をしているようだ。……ケンガにバカにされたのを根に持っていたらしい。
しかしフローレンスの喜びようとは対照に、サニーはしきりに首を傾げていた。
「あ、あれ? おかしいですね」
「え、何がですか?」
「……大体のニンゲンなら、花を咲かせるところまで行けるんですけど」
「……そそそっそそそうなんですか? おっかしーなー……」
ビクッとしたフローレンス。するとサニーは何かを思い出したようだ。
「あ、そういえば。フローレンスさん、確かデバフスキルがありましたよね」
「うっ! ……そ、そうですね」
バレてしまい、しょんぼり肩をすくめるフローレンス。そう、彼女もまたデバフスキルを持っていた。
その名も『雑念』。回復よりも攻撃性や耐久性を重視してきた彼女は、治癒魔法を使おうとしてもそのイメージが割り込んでしまい、回復の効果が下がってしまう。
と言っても、攻撃一辺倒だったラストハーレムズ時代はそこまで気にならなかった。しかし回復魔法を習得しようとしたところ、これがデメリットとなってしまうのだ。
ちなみにフローレンスは同じ事をナガレとジョーに相談していた。
「それならさ、鎧を……というより、その白装束を変えたら? 僧侶っぽさが無くなれば、ケンガもアレコレ言ってこないんじゃない?」
とナガレは言ったが、フローレンスはそれを拒否。
「だめですっ! これは私のアイアンディティーなんです! ナガレさんのスカーフ、ジョーさんの黒マスクと同じなんですよっ」
「アイデンティティーね」
「……俺はマスクをつける理由があるからつけているだけなんだが」
「……それに、これはラストハーレムズに入った時、ベアンさんから貰ったものなんです。大切にしないと」
「そっか……なら仕方ない」
「……自分の答えがハッキリしてるな。なら俺たちに聞いてくるなよ……」
忘れている方に説明すると、ベアンとはフローレンスの元先輩(上司?)。アイドル冒険者パーティのラストハーレムズにいた際、性悪な一軍アイドルに目をつけられていたフローレンスを何かと気にかけてくれた良い先輩だ。(十二話~十四話)
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