崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十話 浄蓮の八つ足

立ち合いの末…

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「……まさか俺の技まで無力化してしまうとは。流石の防御力だ!」
「そっちこそやるじゃん! やりすぎなくらいだぜ、はははっ!」
 その刹那、二人同時に飛び出し激突! ジョーの残像とナガレが灯す青い光の軌道がぶつかった。空中で一発斬り結び鍔迫り合い、着地するとすぐさまジョーが連撃を放つ!
「はぁぁぁぁぁっ!」
 ギュンギュンギュン……キンキンキィンッ!
 つむじ風のように、ナガレの周囲を俊敏に回りつつ、ダガーで何度も切り付ける。だがナガレも素早くマルチスタッフを捌き、時々ノールックで完璧にガードする。そのレザージャケットにすら傷一つ負わせることはできない。
「く……ぐぬぬ……! ここまでとは! ならば……本気で行くぞ。俺のプライドを刺激したのは、お前が久しぶりだ!」
 初めてジョーが悔しそうに唸る。そして大きく跳躍しナガレから距離を取った。
 ビシュンッ!
「くっ! ……えぇっ⁉︎」
 
 ……その刹那、なんと視界からジョーの姿がかき消えた。周囲にはオレンジ色に染まったバッファローの高台広場、その光景のみ。誰もいない……!
「ど、どこだ⁉︎」
 床の砂利地、数本の木、少し錆びたベンチ、オレンジ色の夕陽。いつもの光景だ。
「……ん?」
 突如、視界の端で何かが動いたような……。

 キランッ……!

 何かが一瞬、太陽の光を反射した。次の瞬間、ナガレの全身に悪寒が走る。本能的に真横へ身を投げ出した!
 ドンッ! ……ドサァッ!
「な、なんだ……ぐげっ⁉︎」
 ドスッ!

「……勝負あったな」
 突然背中が重くなる。押さえつけられて立ち上がれない……どれだけ足掻いても、びくともしない。
 顔だけを動かしなんとか後ろを向くと……そこにはいつのまにかジョーがいた。すでにダガーをしまい、腕を組んで片足でナガレを押さえつけている。
「……まだ、やるか」
「……ちくしょおっ、まだダメか。降参! 降参だよ!」
 ここから逆転はおそらく無理だ。ナガレが地面をタップすると、ジョーは足を退けた。

「ちくしょう、惜しかったな……」
「……フフッ。悪くはないが、あと少し足りなかったな」
 あぐらをかいて地べたに座るナガレ。頭をボリボリ掻いているのを、ジョーは黙って見下ろしていた。なんだかちょっぴり嬉しそう。イヌのように尻尾があればブルブル振っていそうだ。

「………………終わったか」
 その時どこからともなく、黒い鎧の戦士……バンドが現れた。
「お、バンド! どうしてこんなことさせたのさ」
「……というか、今日は俺の姿に化けないんだな」
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