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1章:プロローグ

待ち合わせは魔の森で 前編

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それから更に10年後、俺は今、不機嫌でタバコをふかしながらエールを飲んでいる。 

「俺らは、あれから600年ぐれーさらに放置して、あいつに言われても放置してたら、せっつかれて、でも放置してきたけど、ここは変わんねーよな」って俺。
「ああ、われらなんだかんだで、ここには収穫に毎年きてるしな」ってリン。

俺たちは今、魔の森のログハウスに来ている。 あいつがウザいくらい来て、せっつかれたからだ。

「そういやそうだった。 んで、人間社会に潜ませてる頼みの魔族の報告書は、なぜかシリル宛の日記で、今日は何食べたとかしかかいてねーしよ、どうなってんだよ、シリル!」
って、エールを飲んでいるシリルに聞いた。
「知らないぞ。 ゲールはもう四天王だぞ。 だから、他の後任がいってたんだぞ。 
 シュンさんにだって報告書を送ってたぞ。 おれは興味ないから読んでないだけだぞ。」
「確かに、俺も読んでなかったな。。 んで、担当はかえたのか?」

月日がたって、人間社会と魔大陸の常駐だったゲールはいつの間にか四天王になっていた。
一応、後任をいれてたが、会話の通りで使えない。

「ああ、変えたぞ。 まさか後任が女だったとは知らなかったぞ。 今回は、男にしたぞ。 
 先週からだぞ。 ゲール曰く、空いてたのがそいつしかいなかったといっていたぞ」っていうシリル。
「はぁ~、期待薄だな」というと、リンも「ああ」って同意。

「なんで俺もこなきゃいけないんだぞ。 今回は学園じゃないんだぞ。」って不貞腐れているシリル。
「精霊ってきいただけでよ、鳥肌もんだろ、道連れだ。」
「ああ、それだ。 われらも我慢してるんだ」
「たまにはだぞ、元竜王とかアークさんでもいいんじゃないかだぞ!」って突っ込むシリル。

確かにその通りなんだが。。
「しょーがねーだろ、俺らの中で人間社会に住んだ経験があんの、この3人だけなんだよ!」
「あ!そういえば俺も元人間だったぞ。 忘れてたぞ。」というシリル。
「われらも忘れるがな」と笑うリンだった。

そうそう、元人間だったって事、すっかりもう忘れるよな。

◇◇◇

すると、そこら中、怪我したボロボロの男がやってきた。
「魔王様、助けてください!」といいその場で倒れるのだった。 
そんな男に、シリルは溜息をつき、その男を引きずり、ケガを回復魔術で治してしてる。

「こいつが後任か?」
「うん、たぶんだぞ。 あ!ゲールがいってたぞ、あんまり強くないから、魔の森での待ち合わせはやめたほうがいいっていってたぞ」と今更いうシリルだ。 気の毒なやつだな。

「そういや、魔の森の最深部だったな、ここ」
「ああ、起きるまで、われデザート作る」といってキッチンにいくリン。

こいつが起きるまで、俺たち暇だしな。
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