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2章:ギルド編

番なし隊発足の前に

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伝承って言葉に気になっているイアス達。

どう説明すっかな。
「あれだ、俺らたまーに、人間社会にくるんだよ。 今みたいにな」って俺
「どういう意味っすか?」ってイアスだ。

そりゃそうなるよな。 俺はタバコをふかして一服だ。
「お前ら0番隊隊長しってんか?」
「そりゃ知ってますよ。 今も最後のランクXで世界最強っていわれていて、ギルドの外に銅像まであるんすから。」
「ほんと、あの銅像ぶっこわしてぇー」って俺の本音。
「あれ、駄目っすよ。 ギルド隊員みんなのあこがれっすから」ってイル。
「あれが、あこがれだっって」ってリン大爆笑だ。
「キラキラしすぎだぞ」とお腹をかかえて笑うシリル。 ったく、俺がどんだけ迷惑してんだが。
「リンとシリル、笑いすぎだってーんだ」
「名前が違うんすけど」ってイアスに突っ込まれた。
「ああ、今まで偽名つかってんだ。 俺の名前はシュンで、ランがリンな、カシルは本当はシリルだ。」
「なんで偽名まで?」
「一部のやつが、俺らの名前をしってんだ。 おれら? 
特に、俺がギルドにいると大変な事になんで、ジムと話して偽名にしてんだ。
外じゃ、いままで通り偽名な。 偽名つかってる理由も、俺らの正体に関係すんだけど、俺が0番隊隊長の白銀の黒帝っていわれてるもんで、リンが相棒の暗殺者、んでシリルが、黒帝の縁者だけど、魔界の魔王な。」というと、イアス達が口をあけて唖然としてる。

しばらく時が止まってる感じだ。 そしたら、
「いやいや、うそでしょ。 1万年以上も前の人物の話っすよ。 って、カシルさんが魔王ってそれが一番、爆笑もんすけど」と突っ込みがはいる。
「銅像と全然ちがうんすけど」ってイル。
「カシルさんが魔王って」とお腹をかかえて笑っているルイ。 
「本当なんだぞ」って不貞腐れてるシリルだ。 

魔力の質までわからないとシリルが魔王って気づかないからな。
「イアス達、笑いすぎじゃ。 本当の事じゃ。 
 黒帝様や黒帝の縁者様については、代々の国王と、魔道国家のフローシア家の王、そして代々ギルドマスターが受け継ぐことになっておるんじゃ。」と真面目な顔になるジム。
「さっきいていたランクXが最後じゃないのだ、今も黒帝様が生きているからランクXの称号はだれも受け継ぐことができんのじゃ。」
「そういう事。 俺らの事情ってのは、俺ら不老なもんでよ、この世の理から外れてんだな。 
 シリルだってこうみえて、4000年ぐれーいきてんじゃね」
「うん、もう数えてないからわからないんだぞ」ってシリルだ。 だろうな、魔界と人界じゃ時間軸違うしな。 しかも伝えたのは、魔界軸での年数だし。

「でもマスター、全然、銅像と違うじゃないっすか!」って突っ込むイアス。
「イアス、あたりまえじゃ。 当初から素性も素顔も出してないお方の顔なんで誰もしらないのじゃ。 
 ギルドにある絵もフード被ってらっしゃるしな。 んで、想像であの像となっておるだけじゃ」ってジム。
「想像でもありゃないよな」とタバコをふかしていうと、イアスが「英雄視しているお方が、実はただ単に殺しが好きだったなんて言えないっすもんね」って言われた。
「そりゃ勝手にそう思われてるだけでよ、当時は、あれだ全部任務だからやった事だしな」
「ああ、今も任務中だ。 ただ依頼主がかわっているだけだ」っていうリン。 その通りだな。

「その任務ってのが終わったらいなくなるんで、おれが副隊長って事っすか?」
「ああ、そういうことじゃ」
「でも、なんで番なしで?」
「一時の話じゃ。 それに、1番隊隊長もお前らの取り扱いに困っておるしな。 正式発足じゃないしな。」
「番無しのコートと戦闘服じゃ」といって各自に渡していく。 

「この前、0番隊隊長コートみてぇーっていったのこれか?」
「あー、紋章もなんもないがな。 形は全部0番隊と同じにした」
「うおぉーまじっすか」と驚いてるイアス。
「もしかして、おれらが使ってる訓練場って」ってルイ
「0番隊達の専用訓練場じゃ。 0番隊しかはいれんようになっておって、開かずの間じゃったんだ」っていうジム。
「あれは俺が忘れてたんだってぇーの。 中の設備は変えてあんけど」
「なんかいろいろ聞きたい事あんすけど」というイアスだ。
「話せる内容だったら、はなすけど。 おめぇーら 行きつけの飲み屋とかねぇーの?」
「ありますよ。 あんま人が多くないほうがいいんすよね?」
「あったりめぇーだ」
「あるんすけど、そこ高いんで奢ってくれます?」
「別にかまわねぇーよ。 シリル、おめぇーはフード被ってろよ」って俺。
「わかったぞ。」といってポンチョのフードを被るシリルはちょっと不貞腐れてる。
「これでいいのかだぞ」というと、リンが「ああ、それでいい」といって、イアス達に口外・書面禁止の魔術をかけたあと6人でマスター室を退室していく。

◇◇◇
「隊長、そっち出口じゃ」ってマスター室の隣のドアだ。
「おれら、こっちから出れるんだ」といって黒帝カードで開錠。
「なんすかこのドア」ってイアス。
「ギルドの裏口にでれるんだ。 受付通らずにすむだろ」といって階段を降りると裏口にでるのだった。 
「なるほど、それで俺ら全然隊長たちみることなかったんすね」って言われて、「そういうこと」といい裏口からでていくのである。
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