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6章:悪役子息の俺のその後
閑話 その後のオーランド公爵家では
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ハロイドが宮廷からでていったあと、帝都の屋敷は家宅捜査のため、ロイド、ヒルダは、本邸で自粛となっている。
「ハロイドめ、今まで育てた恩を忘れたのか!」って怒鳴るロイド。
「まさか、剣に転向してたのも、驚いたけど、平民になるなんて何考えてるの!」ってヒルダ。
「本当じゃ、武勲を断るとは公爵家の恥だ。」という大旦那だ。
皆、怒り浸透している。
「ジョンも連れていって、食事の質も落ちたじゃない」って文句を言うヒルダだ。
「あー、単調な味だな」というロイド。
「主人、ロイド、ヒルダ、何が恩ですか。 ハロイドを見捨てたのは私たちですよ。 身限られて当然です。」というのはクラリス。
「母上、それでもちゃんと学園にも行かせた。 見守ってきた。」というロイド。
「見守るって、フロイド、アシュリーには毎月かなりの金額仕送りして、ハロイドには最終学年では仕送りなしがですか。」
「それは、ハロイドの成績が悪いから精進するためだ」
「あーもう、わかってないのね。 パトリック」
「はい、クラリス大奥様。 ハロイド様は、まず無属性で魔法の実技は受けれませんでした。
学園に聞いたところ、実技の槍は平均70点、乗馬は100点です、学科も全て平均で90点以上、魔法陣については後半には満点以上だったと。 ただ、魔法実技は、属性数で加算されていきます。
ようは、総合で25~30位になるのは当たり前で、教師達としては、よく30位だと称賛しています。
デニス、ジョンからの報告によると、フロイド様、アシュリー様が贅沢し、足りない分は全てハロイド様が最初は仕送りを渡し、仕送りが無くなってからハロイド様の私財で賄ったと。」と説明するパトリック。
「つまり、ハロイドは優秀だったということか。 それに私財とは?」と聞くロイド。
「冒険者で稼いだそうです。 ハロイド様がご自身が生まれてから学園に入るまでの養育費をお伺いになったので、約金貨600枚とお伝えしたところ、その場で現金で支払っています。
あと学園の費用ですが、入学金から年間の費用はハロイド様が支払い、公爵家に返金されました。」
「あの子なりのケジメね。 先の戦争で雇った傭兵も、フロイドの裏切りに関する調査で雇った諜報も全てあの子が稼いだ私財からだしたそうよ。
デニスいわく軽く1億以上かけたと。 まぁそんだけ稼いくという事は、相当な努力でしょう。
休暇に戻ってこないわけだわ。 結局、誰もハロイドを見て無かったってことよ。
あとジョンが教えてくれたわ。 今まで改善された料理、全てハロイドがレシピを教えてくれたからだそうよ。 本当、多才な子だったわ。 もう、公爵家は終わりね。」と、呆れながらいうクラリス。
「しかし、なぜ言わなかったんだ。。。」という憔悴したロイド。
「では、言ったら信じたの?」
「それは勿論ですわ、お母様」というヒルダ。
「フロイドばかりに目が言っていたあなた達には、無理でしょう。 今だからでしょ。
学園入学前にクロイドがハロイドに会った後、手紙で書いてあったわ。 もうハロイドは自分の道を決めてる、そして公爵家には彼の居場所はないとね。 わたしもようやくその意味が最近になってわかったわ。
剣に転向し、独りで鍛錬し、相当な努力をしていたってね。」
「我々は、遊んでるとしか考えてなかったな。」っていうロイドの顔は曇ったままだ。
「遊ぶお金もないのに、どうそう思うのかしらね。」
「ははは、そうだな。 なんで、今になって気づいたんだろうな。 我々が馬鹿だった」
「そういう事よ。 まぁこれから公爵家は土地も手放す必要があるわね。」
「なぜですか?」って聞くロイドに、クラリスは呆れてパトリックのほうを向くのだった。
「ロイド様、爵位降格もありえます。
フロイド様の裏切りに対して監督不行による倍書請求がくるかと。 そして、この家を継ぐものおりませんゆえ、家督もどこかの系図に譲ることになりかねません。」というパトリック。
その言葉を聞いて、「ああああああ」と号泣し崩れるロイド、ヒルダだった。
それをみて大旦那も項垂れているのであった。
私パトリックは、実はクラリス大奥様の執事です。
帝都の屋敷にいたのは、派遣されて行っておりました。
ちなみにデニスの父、フレディはどうしたかというとデニスが帝都に行ったタイミングで引退してしまいました。 きっとデニスからこの家は危ないという情報をつかんだのでしょう。 公爵領にいますが、のうのうとした隠居暮らしをしているそうです。
きっと衰退していくこの家を建て直すのは難しいでしょう。 私はクラリス大奥様に雇われているので安泰ですが、これから続々とこの家で働いているものはきっと他の仕事先を探し始める事でしょう。
◇◇◇
それから、公爵家は爵位降格で侯爵になり、賠償請求もありましたが他家に比べて家が取り潰しになる事も、オーランド領が取り上げらる事もありませんでした。
それは、全てハロイド様の戦争での活躍により、厳罰となり、ロイド様は槍聖という地位も継続となりました。
戦争での指揮はロイド様でしたのでその功績もあります。
ただ、家は継続ですが後継ぎがいません。 現在、必死で系図から有能な人材を養子にする事を計画しているようです。
「ハロイドめ、今まで育てた恩を忘れたのか!」って怒鳴るロイド。
「まさか、剣に転向してたのも、驚いたけど、平民になるなんて何考えてるの!」ってヒルダ。
「本当じゃ、武勲を断るとは公爵家の恥だ。」という大旦那だ。
皆、怒り浸透している。
「ジョンも連れていって、食事の質も落ちたじゃない」って文句を言うヒルダだ。
「あー、単調な味だな」というロイド。
「主人、ロイド、ヒルダ、何が恩ですか。 ハロイドを見捨てたのは私たちですよ。 身限られて当然です。」というのはクラリス。
「母上、それでもちゃんと学園にも行かせた。 見守ってきた。」というロイド。
「見守るって、フロイド、アシュリーには毎月かなりの金額仕送りして、ハロイドには最終学年では仕送りなしがですか。」
「それは、ハロイドの成績が悪いから精進するためだ」
「あーもう、わかってないのね。 パトリック」
「はい、クラリス大奥様。 ハロイド様は、まず無属性で魔法の実技は受けれませんでした。
学園に聞いたところ、実技の槍は平均70点、乗馬は100点です、学科も全て平均で90点以上、魔法陣については後半には満点以上だったと。 ただ、魔法実技は、属性数で加算されていきます。
ようは、総合で25~30位になるのは当たり前で、教師達としては、よく30位だと称賛しています。
デニス、ジョンからの報告によると、フロイド様、アシュリー様が贅沢し、足りない分は全てハロイド様が最初は仕送りを渡し、仕送りが無くなってからハロイド様の私財で賄ったと。」と説明するパトリック。
「つまり、ハロイドは優秀だったということか。 それに私財とは?」と聞くロイド。
「冒険者で稼いだそうです。 ハロイド様がご自身が生まれてから学園に入るまでの養育費をお伺いになったので、約金貨600枚とお伝えしたところ、その場で現金で支払っています。
あと学園の費用ですが、入学金から年間の費用はハロイド様が支払い、公爵家に返金されました。」
「あの子なりのケジメね。 先の戦争で雇った傭兵も、フロイドの裏切りに関する調査で雇った諜報も全てあの子が稼いだ私財からだしたそうよ。
デニスいわく軽く1億以上かけたと。 まぁそんだけ稼いくという事は、相当な努力でしょう。
休暇に戻ってこないわけだわ。 結局、誰もハロイドを見て無かったってことよ。
あとジョンが教えてくれたわ。 今まで改善された料理、全てハロイドがレシピを教えてくれたからだそうよ。 本当、多才な子だったわ。 もう、公爵家は終わりね。」と、呆れながらいうクラリス。
「しかし、なぜ言わなかったんだ。。。」という憔悴したロイド。
「では、言ったら信じたの?」
「それは勿論ですわ、お母様」というヒルダ。
「フロイドばかりに目が言っていたあなた達には、無理でしょう。 今だからでしょ。
学園入学前にクロイドがハロイドに会った後、手紙で書いてあったわ。 もうハロイドは自分の道を決めてる、そして公爵家には彼の居場所はないとね。 わたしもようやくその意味が最近になってわかったわ。
剣に転向し、独りで鍛錬し、相当な努力をしていたってね。」
「我々は、遊んでるとしか考えてなかったな。」っていうロイドの顔は曇ったままだ。
「遊ぶお金もないのに、どうそう思うのかしらね。」
「ははは、そうだな。 なんで、今になって気づいたんだろうな。 我々が馬鹿だった」
「そういう事よ。 まぁこれから公爵家は土地も手放す必要があるわね。」
「なぜですか?」って聞くロイドに、クラリスは呆れてパトリックのほうを向くのだった。
「ロイド様、爵位降格もありえます。
フロイド様の裏切りに対して監督不行による倍書請求がくるかと。 そして、この家を継ぐものおりませんゆえ、家督もどこかの系図に譲ることになりかねません。」というパトリック。
その言葉を聞いて、「ああああああ」と号泣し崩れるロイド、ヒルダだった。
それをみて大旦那も項垂れているのであった。
私パトリックは、実はクラリス大奥様の執事です。
帝都の屋敷にいたのは、派遣されて行っておりました。
ちなみにデニスの父、フレディはどうしたかというとデニスが帝都に行ったタイミングで引退してしまいました。 きっとデニスからこの家は危ないという情報をつかんだのでしょう。 公爵領にいますが、のうのうとした隠居暮らしをしているそうです。
きっと衰退していくこの家を建て直すのは難しいでしょう。 私はクラリス大奥様に雇われているので安泰ですが、これから続々とこの家で働いているものはきっと他の仕事先を探し始める事でしょう。
◇◇◇
それから、公爵家は爵位降格で侯爵になり、賠償請求もありましたが他家に比べて家が取り潰しになる事も、オーランド領が取り上げらる事もありませんでした。
それは、全てハロイド様の戦争での活躍により、厳罰となり、ロイド様は槍聖という地位も継続となりました。
戦争での指揮はロイド様でしたのでその功績もあります。
ただ、家は継続ですが後継ぎがいません。 現在、必死で系図から有能な人材を養子にする事を計画しているようです。
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