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1章:スラム街での生活

スラム街一掃の日

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たぶん、コソの血だと思うが、小窓から流れている。
俺は、なんどか叩いたけど、コソからの返事はない。
コソは、開錠でしか役に立たないって、ヤガラがなんどか始末しようとした。
 
その度に、隠れておれがヤガラの部下を始末してた。 
いつのまにか俺に懐いてたけど、なんで襲撃があるって言わないんだよ。 あいつは優しいやつだったから、スラムにきたばかりの子供に自分の分のご飯を分け与えた。 見かねて、俺の分もあげた。 俺は、次元ボックスあるから、食料なんてどうにでもなった。
森に言った時に、狩りしてあるし、食えそうな魔物もとってある。 
だからって、俺は自分の次元ボックスにはいっている食料まで分け与える事はしなかった。

全て、俺の身を守るためだし、コソを守ったのだって、いつかヤガラの金庫から金を盗むためにコソの能力が必要だったからだ。 

心の中で、コソ、なんでお前が死ななきゃ行けないんだって泣いておいた。

しばらくして、俺は、地下壕の中にいるガキ共にまじった。
ガキどもはみな暗闇の中で震えている。 まぁそうだよな、捨て子供かマルダのとこの娼婦の子供しかいない。 

爆音が響きわたってから数時間なのか数十分なのか静かになった。
何人かの子供が小窓から出ようとしたが、止めた。 足音が聞こえるからだ。
このまま足音消えたあと、このガキども連れてどうすりゃいいんだよ。 そんな事、俺は考えていた。

そしたら、小窓が開いて光がさした。
見つかった。
「おい! こんな所に子供がいるぞ!」って兵士
「王太子殿下の命令で、子供はみな孤児院に連れていくように」って別の兵士だ。

それを聞いたガキ共は安堵した顔をしている。 
そりゃそうだ、殺されると思ったが孤児院に行けるんだもんな。
って事で俺たちガキ共は、兵士たちによって保護された。

◇◇◇
なのに保護された俺だけ、牢屋に入れられた。 
魔力発動禁止の錠つきだ。 反抗したかったが、さすがに俺も数百って兵士相手じゃ無理だ。 
コソも抵抗するなっていっていたし。 素直に従った結果がこれだ。 
ちなみに、牢屋の門兵いわく、他の子供はみな無事教会の孤児院にいったみたいだ。

牢屋はある意味三食昼寝つきだ。 贅沢だな。 
監視のない時に、日課の運動と体術と剣術の基礎だけは続けている。 
なんで、そんなことするのか、自分でもよくわからないが、身体と精神がうったいかけている。
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