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4章:勇者召喚編

勇者ユウトの訓練

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それから約1ヶ月は、王宮にある騎士団の訓練場で剣や演唱魔法の訓練をした。

自分でもびっくりするぐらい、身体は動くし、魔法もラベノ知識のお陰ですぐ使えるようになった。
魔鉱石でつくる魔武器もあって、俺の武器は両手剣(大剣)だった。 まさにファンタジー世界そのものだ。
ちなみに、タイガはバスターソードだ。 盾役もできる。
最初のころ、タイガとの模擬戦はまったく歯がたたなくなったが、今では引き分けまでいける。

そして、今日は王都の森近くで、初めて魔物の討伐だ。
移動する馬車の中で緊張する俺。
「ユウト様、初めての時は誰でも緊張します。 ユウト様なら大丈夫です。」ってシレラが手を握ってくれる。
「ユウトなら、平気」ってアイナだ。 
「はい、きっと大丈夫です」って笑いかけてくれるのはレイナだ。
「ユウト、俺との模擬戦で引き分けなんだから自信もて」ってタイガがいってくれる。

この1か月で、タイガもそうだし、彼女達とも切磋琢磨していき仲も良好だ。

王都の近くの森で遭遇したのはゴブリンだった。
ファンタジーそのものだ。 俺は剣を握り、殺した。 
初めは震えたけど、徐々に慣れた。 
剥ぎ取りは流石にキツかったけど、なんとか吐くことなく出来た。
仲間、そして同行した騎士達にも褒められた。 普通は、みんな吐くらしい。

それから毎日のように馬車にのって魔物の討伐だ。
ウルフ系、オーク、仲間と連携しながら討伐していった。

攻撃魔法を使ったり、魔法剣で討伐したりだ。 
俺は、次元ボックスも使えるようになり、素材や食料の持ち運びも楽になった。 

◇◇◇
俺がこの世界に来て半年近くになる。

王宮から馬車で移動で、買い物とかも貴族街で傭兵施設や市民街を通るときはかならず窓が閉められる。 
気になり、シレラに聞いたところ、勇者の存在はまだ未公表のためらしい。 
俺もまだまだ努力が必要だし仕方ない。

「魔王領に向かうにも、やっぱり馬車で移動になるの?」
「ええ、移動手段として馬車しかありません。」というのはシレラだ。
「転移魔法は、習得できても単独でいけて10kmが精一杯。 私も習得してるけど、撤退するときだけ」っていうエイナ。 俺も教えてもらったけど、遠くは無理だ。
「空飛ぶ動物とか使役できるといいよな」って言ったらみんな驚いた顔してる。
「黒竜がいるんだよな、シレラ妃」ってタイガだ。
竜がいるのかよ。 本当にファンタジーじゃんか。
「ええ、ただ使役してるのが父の直轄部隊の団長なので」
「それって、レイナの婚約者?」
「はい。」って俯くレイナだ。 

レイナの婚約者は、平民で、国王を誑かして今の地位にいるらしい。 
それでもって、貴族になるため、無理矢理レイナを婚約者にしたって。 
なんて酷い奴だ。 会ったことないけど、こんな可愛い子をだ。 
しかも、婚約者にしたのに、一切、手紙もないし、社交界のパーティーにもこないらしい。 
もちろん、ドレスとか装飾品のプレゼントは一切なし。 社交界で、レイナは惨めな立場だってシレラが言っていた。

「でもよ、勇者様が必要ってなれば献上するんじゃぁねぇーか。 
 それに、ユウトは、シレラ妃の婚約者候補だろ。 つまり、魔王討伐したら王太子だ。」
「そうね、まずユウトに黒竜を会わせてみましょう」っていうシレラ。
「俺も竜はみてみたいな」って言っておいた。

だって、実在するなんて知らなかったし、しかも使役してるって、すごいじゃん。
ちなみに俺は知らなかったが、この国は王女2人しかいない。 
つまり王子がおらず、シレラの夫が自動的に次期国王らしい。 
ほぼ一目惚れでシレラの容姿は好みだし、凄く優しい。 
魔王討伐の実績を積んだら、婚約者確定だ。 
まだ手は出してないけど、オデコにキスしただけで「はぅー」って言って顔が真っ赤になったシレラ。 
可愛すぎて襲いたくなったけど自制した。

俺付きの侍女、巨乳美女とは関係をもった。
だって、湯船つかってたら裸で背中ながしますとかいって身体密着させて胸に石鹸つけて洗うんだよ。 
自制できず、俺は童貞卒業させられた。 タイガ曰く、夜伽専用の侍女との事。 
タイガにもいるし、貴族の男では暗黙の了解らしい。 女性も承知の上だと。

そんな事を思いだしつつ、それよりも、ファンタジーっていったら竜。 
そんな竜が見れるって聞いて、俺は黒竜に会えるのを楽しみしていた。
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