【白銀の黒帝:12】妖精と妖精の楽園

八木恵

文字の大きさ
24 / 53
5章:訓練編

子供達に状況を説明

しおりを挟む
レックが落ち着いた所で、ギールが説明を始める。
「質問は後にしてくださいね。」といい、
「まず、王都の教会であなた方を保護したのは、反女神派といいますか、迷宮都市の裏ギルドの方です。 
 彼らは主に楽園へ連れていかれる子供達を事前に保護し、その後、迷宮都市のギルド寮で他の子ども達と生活させ、だいたいは魔道国家の学園か迷宮都市の冒険者育成学園に進学させています。 
 魔道国家か迷宮都市の冒険者育成学園のみが、妖精のいない人が普通に生活できますから。」と説明する。 

「ただ残念ながら、あなた方の境遇は違います。 昨日みたものは、皇国と王国が秘密にしている内容です。 そのため、現在、皇国と王国はあなた達を探しているころでしょう。 探していいるといっても、保護するためではなく、あなた方を殺すためです。」と平然というギール。

それを聞いて震えるライオネルとレックだが、ギールはそのまま説明を続ける。
「命を狙われているあなた方は、今のままでは王国にも皇国にも、そして魔道国家にも生きていく場所がありません。 自分の命は自分で守るしかないのです。
 という事で、私は迷宮都市の裏ギルドに依頼されて、あなた方を鍛えるためにここにいます。 ちなみに、ここは、私の知り合いの家で、今は家主が不在で借りています。 
この家の2階は家主のプライベートなので立入禁止です。 あと、1階の手前の部屋も立入禁止ですので注意してください。」というのだった。

「じょ、状況は理解しました。 でも、迷宮都市の裏ギルドっという所は、ギールさんに依頼したんですか?」と聞くライオネル。
「うん、それで、ここはどこですか?」と聞くレック。

ライオネル君のほうは冷静ですねって思うギールであった。

「そうですね。 まず、気付いてないようですが、ライオネル君の腕輪がぴったりになっていて、レック君も指輪がはまってますよね」
「「本当だ!」」と驚く子供達だ。

気づくの遅いでしょうっと心の中で突っ込むギール。
「その腕輪と指輪の事はご存知ですか?」
「3歳の時に、亡くなった祖母からもらったものです。 
 その時、聞いた話だと、マクレーン家代々に伝わる腕輪で、今も歴史に残っている最強の竜騎士といわれたライナス様が使用していた武器3種が眠っていて、正当な後継者には、その武器が使えるようになるっていってました。 

 ただ、ライナス様以降たった1人だけ後継者があらわれ、確か竜騎士ではないのに竜とともに生活したいたリオン様という有名な冒険者がなったとだけだってきいています。 俺が、祖母から受け継いだのは、俺の容姿が伝承のライナス様やリオン様ににているからです。 ただ、受け継いだ時は腕輪は隠すようにいわれてたんです。 

 実は、おれは父親に出来損ないと嫌われ、姉や兄、弟にも嫌われていて、教育をまったくうけてないから、もし腕輪を俺がもっていたら大変な事になるからってずっと隠してました。 けど、儀式の時に密かに隠しもってきたんです。 儀式の後、父親に勘当されました」と説明するライオネル。
「そうですか。 では、レック君は?」と聞くと、レックはライオネルが貴族だった事に驚いている。

「儀式の後、楽園へいってもう会えないからっていうので父さんがくれたんです。 
 確か、ポーター家初代の叔父の遺品で、その叔父が冒険者だったらしいです。 初代も冒険者になろうとしたけど、扱えなくて商社になったと。 指輪にはその叔父がつかった武器があって、正当な後継者のみ使えるらしい。 ライが言ったみたいに、昔有名な冒険者が1人だけこの指輪を使えたって聞いたけど、詳しくは知らないです。 
 でも、楽園ってのがあんなんだとは、僕は違う意味でもう父さんや母さん、そして友達や兄妹にもあえないですね。」といって涙を流す。 

ギールは、そんなレックをあやすことなくスルー。
「とりあえず、お2人ともその腕輪と指輪に武器があるという事は知っているんですね。 
 そこで、最初の質問に戻ります。 まず、腕輪と指輪がはまっているという事は、お2人とも正当な後継者として認められた証拠です。」

そういうと驚く2人。
「ただ、その腕輪と指輪はある一定の魔力量がないと解放されません。 
 ようは、武器が扱えるようになるには非常につらい訓練をしないといけないんですね。 
 そのために、迷宮都市の裏ギルドに依頼されたわけです。 私、こうみえても結構強いので」と苦笑いして、「あ、ちなみに、ここは魔の森の最深部です。」というギール。

驚きのあまり声がでない2人をよそにギールは、
「当分の間は、森の中へ入ると危険ですからね。 それに、ある意味、ここはあなた方が成長するまでの間、一番安全でしょう」というと、ライオネルとレックは首はひたすら縦にふる。

「ギルドとの依頼で、あなた方が15歳になるまでの間のみ鍛えるという約束ですから、5年しかないと思ってください。 弱音をはこうがなんだろうが、厳しくしますので覚悟してくださいね。」と微笑みながらいうのであった。

その笑みがやたらと恐ろしく、ライオネルとレックは「「よろしくお願いします。」」としか言えないのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...