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苦手な近所のお兄ちゃんに、目ぇつけられました(泣)
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優くんは1人、相手の女子が2人で試合するみたい。
バドミントンなら小学校の時に体育でやったし、友達と公園で遊んだこともあるから、なんとなく分かるかも。
優くんからのサーブ。軽く膝を曲げて屈伸するかのように体をバウンドさせ、ラケットをくるくるっと回転させてから握った優くんの瞳は今まで見たことないぐらい真剣で、恐いぐらいだった。
「キャーッ、かっこいい!」
「岡田せんぱーい!!」
黄色い歓声が横から上がり、耳がキーンとする。部長さんが右手を口に当てて「シー」と合図すると、みんなは肩を竦めて静かになった。
なんなんだ、このアイドルみたいな感じ。
優くんがラケットを逆手に持ち、体の前で羽を落とし、ラケットを優しく当てる。
ふわりと上がった羽は、ネットギリギリを超えてスッと落ちていく。
なんだ、これぐらいなら私にも……
そう思った瞬間、「スコーン!」という小気味いい音が響き、相手が打ち返す。「ビュッ!!」と風を切る音がして、優くんが物凄い速さで打ち返す。
それから、動体視力が鍛えられそうなぐらい、激しい打ち合いの応戦。
え。え。なに、これ……バドミントンって、こんな激しいスポーツだったの!?
目の前の光景に呆然とする。優くんは2人に左右前後と巧みに羽を飛ばされながらも、それを確実に拾って打ち返していた。
相手側は2人なのに、1人でいる優くんのコートの方が狭く見えるぐらい、大きなステップを踏んで縦横無尽に走り回ってる。
「凄い……」
思わず呟くと、隣にいた男子が口を開いた。
「岡田先輩は、東中のエースなんだ。去年県大会の男子シングルスで優勝して、全国でもベスト8に残ったんだぜ」
う、嘘っ! そんな凄い人だったの!?
目が、奪われる。
優くんの力強い胸のすくようなスマッシュに胸がドキドキして、強く打つと見せかけてネット際ですっと落とされるフェイントに驚かされて、大きく脚を開いて羽を打ち返す姿に感動して……気づけば、あっという間に試合が終わり、女子とはいえ2人相手に優くんは圧勝していた。
試合が終わると、優くんが駆けてきた。
「ミーコ、逃げ出さなかったな。えらいえらい」
「ちょ、人のこと野良猫みたいに言わないでよ!!」
いつもの調子で言い返したものの、なんか胸がドギマギしてる。
「どーだった、試合?」
「う、ん……すごかった」
素直な感想を言った私に、優くんが嬉しそうな顔をする。
「俺に惚れた?」
「んなわけないし!」
「照れんなって」
「て、照れてないし!!」
ちょ、なんなの!? なんで私、顔熱くなってるわけ?
動揺してふっと視線を逸らすと、黄色い歓声をあげてた女子たちが睨みつけてきてる。
いやいや……これは試合に興奮しただけだから、変な誤解しないで欲しいって言っても無理だよね。あーあ、毎回このパターンで女子の友達出来ないんだよなぁ。
今日は見学だけってことで、その後基礎練とか打ち合いとか見せてもらったけど、いやームリムリ! 体力自信ないし、とても運動部なんて私にはできそうもないわ。
明日は、文化部の見学に回ろうっと。
バドミントンなら小学校の時に体育でやったし、友達と公園で遊んだこともあるから、なんとなく分かるかも。
優くんからのサーブ。軽く膝を曲げて屈伸するかのように体をバウンドさせ、ラケットをくるくるっと回転させてから握った優くんの瞳は今まで見たことないぐらい真剣で、恐いぐらいだった。
「キャーッ、かっこいい!」
「岡田せんぱーい!!」
黄色い歓声が横から上がり、耳がキーンとする。部長さんが右手を口に当てて「シー」と合図すると、みんなは肩を竦めて静かになった。
なんなんだ、このアイドルみたいな感じ。
優くんがラケットを逆手に持ち、体の前で羽を落とし、ラケットを優しく当てる。
ふわりと上がった羽は、ネットギリギリを超えてスッと落ちていく。
なんだ、これぐらいなら私にも……
そう思った瞬間、「スコーン!」という小気味いい音が響き、相手が打ち返す。「ビュッ!!」と風を切る音がして、優くんが物凄い速さで打ち返す。
それから、動体視力が鍛えられそうなぐらい、激しい打ち合いの応戦。
え。え。なに、これ……バドミントンって、こんな激しいスポーツだったの!?
目の前の光景に呆然とする。優くんは2人に左右前後と巧みに羽を飛ばされながらも、それを確実に拾って打ち返していた。
相手側は2人なのに、1人でいる優くんのコートの方が狭く見えるぐらい、大きなステップを踏んで縦横無尽に走り回ってる。
「凄い……」
思わず呟くと、隣にいた男子が口を開いた。
「岡田先輩は、東中のエースなんだ。去年県大会の男子シングルスで優勝して、全国でもベスト8に残ったんだぜ」
う、嘘っ! そんな凄い人だったの!?
目が、奪われる。
優くんの力強い胸のすくようなスマッシュに胸がドキドキして、強く打つと見せかけてネット際ですっと落とされるフェイントに驚かされて、大きく脚を開いて羽を打ち返す姿に感動して……気づけば、あっという間に試合が終わり、女子とはいえ2人相手に優くんは圧勝していた。
試合が終わると、優くんが駆けてきた。
「ミーコ、逃げ出さなかったな。えらいえらい」
「ちょ、人のこと野良猫みたいに言わないでよ!!」
いつもの調子で言い返したものの、なんか胸がドギマギしてる。
「どーだった、試合?」
「う、ん……すごかった」
素直な感想を言った私に、優くんが嬉しそうな顔をする。
「俺に惚れた?」
「んなわけないし!」
「照れんなって」
「て、照れてないし!!」
ちょ、なんなの!? なんで私、顔熱くなってるわけ?
動揺してふっと視線を逸らすと、黄色い歓声をあげてた女子たちが睨みつけてきてる。
いやいや……これは試合に興奮しただけだから、変な誤解しないで欲しいって言っても無理だよね。あーあ、毎回このパターンで女子の友達出来ないんだよなぁ。
今日は見学だけってことで、その後基礎練とか打ち合いとか見せてもらったけど、いやームリムリ! 体力自信ないし、とても運動部なんて私にはできそうもないわ。
明日は、文化部の見学に回ろうっと。
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