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ダイエットの神様はドSスパルタイケメン王子でした!
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それからの私は、以前にも増してダイエットに熱を入れるようになった。とはいえ、神様から健康的に痩せる事を指示されたので、無茶なダイエットはしなかった。
ダイエット開始から10ヶ月が経ち、ついに私は53キロにまでなっていた。バスト85、ウエスト62、ヒップ87……私の目指してたメリハリボディーが手に入った。
あー、頑張った。本当に私、頑張ったよー!!
急いで社に向かい、ダイエットの結果報告を神様にすると、優しく髪を撫でられた。
「もうこれ以上のダイエットは必要ないね。美保ちゃんの身長からいえば、少し痩せ過ぎなぐらいだよ。
本当にがんばったね」
「あり、がとう……」
そう言った瞬間、これまでの辛かったダイエット生活での思い出が一気に蘇り、不覚にも涙が出てしまった。
最初は気楽な気持ちで、神頼みするはずだったダイエット。
それが、神様との出会いによって、変わっていった。あんなに高カロリーなもの、ジャンキーな食事やお菓子が大好きだった私がヘルシーな食生活を心がけるようになり、階段上るのでさえヒィーヒィー言ってたのが毎朝ジョギング、毎晩ヨガを欠かさないようになり、美容にもファッションにも気を使うようになった。
神様が、ずっと私を支えてくれたから。見守ってくれたから。いつも励まして、褒めてくれたから……私は、ここまでやり遂げることができたんだよ。
神様と出会ってなかったら……今の私は、なかった。
私の心の声を聞いて微笑んだ後、神様は優しく包み込むように私を抱き締めた。
「じゃあ、これで契約は終了だよ。ありがとう、楽しかった。
これからも頑張り屋の美保ちゃんをずっと見守ってるからね」
神、様……?
抱きしめ返そうとすると、神様の抱き締める腕の強さが、温もりが消えていく。
ぇ。どうして……!?
驚いて顔を上げると……神様はもう、体が透明になりかかっていた。
「う、嘘っ、やだっ! これからも側にいてよ!! だ、だってリバウンドするかもしれないし、神様いなかったら私……!!」
いなくならないでよ!! お願い!!
だって、私……
「大丈夫、心配しないで……」
にっこり微笑んだ神様は、瞬きした時にはもう……いなくなってた。
暫く呆然としてから膝の力が抜け、崩れ落ちた。
ほん、とに……いなくなっちゃったの?
気力をなんとか取り戻して立ち上がると、拝殿の扉に手を掛けた。けれど、扉は鍵がかかっていて開かなかった。LINEのメッセージがくることも、頭の中で神様の言葉が響いてくる事もなかった。
な、んで……突然現れて、突然いなくなるのよ。
こんなのって、ないよ……
「神様の、バカぁ……ッッ」
私の呟きは、風に攫われて消えていった。
ダイエット開始から10ヶ月が経ち、ついに私は53キロにまでなっていた。バスト85、ウエスト62、ヒップ87……私の目指してたメリハリボディーが手に入った。
あー、頑張った。本当に私、頑張ったよー!!
急いで社に向かい、ダイエットの結果報告を神様にすると、優しく髪を撫でられた。
「もうこれ以上のダイエットは必要ないね。美保ちゃんの身長からいえば、少し痩せ過ぎなぐらいだよ。
本当にがんばったね」
「あり、がとう……」
そう言った瞬間、これまでの辛かったダイエット生活での思い出が一気に蘇り、不覚にも涙が出てしまった。
最初は気楽な気持ちで、神頼みするはずだったダイエット。
それが、神様との出会いによって、変わっていった。あんなに高カロリーなもの、ジャンキーな食事やお菓子が大好きだった私がヘルシーな食生活を心がけるようになり、階段上るのでさえヒィーヒィー言ってたのが毎朝ジョギング、毎晩ヨガを欠かさないようになり、美容にもファッションにも気を使うようになった。
神様が、ずっと私を支えてくれたから。見守ってくれたから。いつも励まして、褒めてくれたから……私は、ここまでやり遂げることができたんだよ。
神様と出会ってなかったら……今の私は、なかった。
私の心の声を聞いて微笑んだ後、神様は優しく包み込むように私を抱き締めた。
「じゃあ、これで契約は終了だよ。ありがとう、楽しかった。
これからも頑張り屋の美保ちゃんをずっと見守ってるからね」
神、様……?
抱きしめ返そうとすると、神様の抱き締める腕の強さが、温もりが消えていく。
ぇ。どうして……!?
驚いて顔を上げると……神様はもう、体が透明になりかかっていた。
「う、嘘っ、やだっ! これからも側にいてよ!! だ、だってリバウンドするかもしれないし、神様いなかったら私……!!」
いなくならないでよ!! お願い!!
だって、私……
「大丈夫、心配しないで……」
にっこり微笑んだ神様は、瞬きした時にはもう……いなくなってた。
暫く呆然としてから膝の力が抜け、崩れ落ちた。
ほん、とに……いなくなっちゃったの?
気力をなんとか取り戻して立ち上がると、拝殿の扉に手を掛けた。けれど、扉は鍵がかかっていて開かなかった。LINEのメッセージがくることも、頭の中で神様の言葉が響いてくる事もなかった。
な、んで……突然現れて、突然いなくなるのよ。
こんなのって、ないよ……
「神様の、バカぁ……ッッ」
私の呟きは、風に攫われて消えていった。
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