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美麗な年下国王は、アイスクリームよりも甘く淫らに妻の女王に溶かされる
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「ねぇ、ルノー。ワゴン、見てみて?」
「え……」
見ると、ワゴンの中段には箱が二つあった。
小さい箱と少し大きめの箱。
ルノーが興味深そうに、それを見つめる。
ケーキしか見てなかったから、全然気付かなかった……
「本当は、ケーキを食べてる時にあげようって思ってたんだけど……その……出来なかった、から」
先程の行為を思い出したのか、顔を赤らめてアンジェリーナが説明する。ルノーがフフッと微笑んだ。
アンジェ、可愛い……
「開けてもいい?」
「もちろんだよ」
ルノーがまず小さい箱を手に取り、慎重にラッピングを解いていく。
「ピアス……」
そこには、白い花弁をあしらったデザインのピアスが入っていた。
その白い花弁は、シャルール公国の国花でもあるシャルールだった。国花でありながら幻の花と呼ばれ、滅多に見られることはない。そのことから、シャルール公国にはある言い伝えがあった。
満月の日にだけ咲かせる白いシャルールの花。それを見つけ、花弁から滴る蜜を吸えば、運命の人に出逢い、結ばれると。
アンジェリーナがルノーと再会したのは、満月の日だった。その日、アンジェリーナは伝説の白い花を見つけるため、こっそりと城を抜け出し、森を抜けた先の城下を見下ろせる崖の下に生えていた白い花を見つけた。それを取ろうとしたけれど、足を踏み外しそうになったところをルノーに助けてもらったのだった。
白い花を摘み取ることはできなかったけれど、そこでアンジェリーナは運命の人と出逢ったのだった。
ルノーもまた、シャルールの花の伝説を知っていた。
母の形見であるシャルールの押し花の栞を胸に、繰り返し唱えた言葉。
『いつか、僕も、誰かを愛し、愛されることが、できますように…』
公爵領の見回りをしていた際に、少女がシャルールの花に向かって身を乗り出し、足を踏み外しそうになっているのを見たときは、心臓が飛び出しそうになった。いつも冷静沈着な自分が激情に駆られ、アンジェリーナを叱りつけた。
それもまた、胸を擽られるふたりの甘い思い出だ。
ルノーはアンジェリーナの誕生日に、シャルールの花をあしらったネックレスをプレゼントした。
「私もルイに何か身につけるものをあげたくて……ピアスなら、いつもしてるでしょ?
ほんとはこのネックレスと同じデザインにしたかったんだけど、花だと女性っぽくなっちゃうから花弁にしたの」
ルノーの瞳が大きく見開いた。
そこまで、考えてくれてたんだ。
「嬉しい……ありがとう。
つけていい?」
「うん、私もルノーがつけてるの、見てみたい」
ルノーは今つけているピアスを外すと箱からピアスを取り出し、つけてみた。
「どう、かな……?」
シャルールの花弁がルノーの耳に映えている。
「ルノー……綺麗過ぎて、嫉妬しちゃいそう」
「じゃあ、外そうか?」
ルノーのからかいを含んだ言葉に、アンジェリーナの眉が寄せられる。
「んんぅ……でも、つけてて欲しい……」
アンジェリーナが葛藤している姿に、ルノーはくすりと笑みを溢すと、後ろからアンジェリーナを抱きしめた。
「少しデザインが違うけど、アンジェとお揃いだって思うとすごく嬉しい……」
アンジェとの、繋がりを感じられるから……
「ルノー、喜んでもらえてよかった……嬉しい……」
アンジェリーナが抱き締めたルノーの腕に、そっと手を添える。ルノーは更にアンジェリーナを強く抱き締めた。
温かい……この手の温もりをずっと……感じていたい……
「え……」
見ると、ワゴンの中段には箱が二つあった。
小さい箱と少し大きめの箱。
ルノーが興味深そうに、それを見つめる。
ケーキしか見てなかったから、全然気付かなかった……
「本当は、ケーキを食べてる時にあげようって思ってたんだけど……その……出来なかった、から」
先程の行為を思い出したのか、顔を赤らめてアンジェリーナが説明する。ルノーがフフッと微笑んだ。
アンジェ、可愛い……
「開けてもいい?」
「もちろんだよ」
ルノーがまず小さい箱を手に取り、慎重にラッピングを解いていく。
「ピアス……」
そこには、白い花弁をあしらったデザインのピアスが入っていた。
その白い花弁は、シャルール公国の国花でもあるシャルールだった。国花でありながら幻の花と呼ばれ、滅多に見られることはない。そのことから、シャルール公国にはある言い伝えがあった。
満月の日にだけ咲かせる白いシャルールの花。それを見つけ、花弁から滴る蜜を吸えば、運命の人に出逢い、結ばれると。
アンジェリーナがルノーと再会したのは、満月の日だった。その日、アンジェリーナは伝説の白い花を見つけるため、こっそりと城を抜け出し、森を抜けた先の城下を見下ろせる崖の下に生えていた白い花を見つけた。それを取ろうとしたけれど、足を踏み外しそうになったところをルノーに助けてもらったのだった。
白い花を摘み取ることはできなかったけれど、そこでアンジェリーナは運命の人と出逢ったのだった。
ルノーもまた、シャルールの花の伝説を知っていた。
母の形見であるシャルールの押し花の栞を胸に、繰り返し唱えた言葉。
『いつか、僕も、誰かを愛し、愛されることが、できますように…』
公爵領の見回りをしていた際に、少女がシャルールの花に向かって身を乗り出し、足を踏み外しそうになっているのを見たときは、心臓が飛び出しそうになった。いつも冷静沈着な自分が激情に駆られ、アンジェリーナを叱りつけた。
それもまた、胸を擽られるふたりの甘い思い出だ。
ルノーはアンジェリーナの誕生日に、シャルールの花をあしらったネックレスをプレゼントした。
「私もルイに何か身につけるものをあげたくて……ピアスなら、いつもしてるでしょ?
ほんとはこのネックレスと同じデザインにしたかったんだけど、花だと女性っぽくなっちゃうから花弁にしたの」
ルノーの瞳が大きく見開いた。
そこまで、考えてくれてたんだ。
「嬉しい……ありがとう。
つけていい?」
「うん、私もルノーがつけてるの、見てみたい」
ルノーは今つけているピアスを外すと箱からピアスを取り出し、つけてみた。
「どう、かな……?」
シャルールの花弁がルノーの耳に映えている。
「ルノー……綺麗過ぎて、嫉妬しちゃいそう」
「じゃあ、外そうか?」
ルノーのからかいを含んだ言葉に、アンジェリーナの眉が寄せられる。
「んんぅ……でも、つけてて欲しい……」
アンジェリーナが葛藤している姿に、ルノーはくすりと笑みを溢すと、後ろからアンジェリーナを抱きしめた。
「少しデザインが違うけど、アンジェとお揃いだって思うとすごく嬉しい……」
アンジェとの、繋がりを感じられるから……
「ルノー、喜んでもらえてよかった……嬉しい……」
アンジェリーナが抱き締めたルノーの腕に、そっと手を添える。ルノーは更にアンジェリーナを強く抱き締めた。
温かい……この手の温もりをずっと……感じていたい……
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