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女の子同士の恋愛って難しいけど、女性としてやよいのこと愛したい
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私は確信を持って、答えた。
「いえ……私、は……このまま、女性のままで、やよいを好きでいたいです」
のどかママが「うーん」と考えるような声を出した。
「私が思うに、美来ちゃんはパンセクなんじゃない?」
「パンセクって……なんですか?」
「パンセクシュアル、もしくはパンセクシャルとも言うけど、性別にこだわらずにその人自身を好きになるっていうセクシュアリティのこと」
「え、それってバイセクシャルのことですよね?」
「バイセクシャルは男性か女性、どっちかしか好きにならないけど、パンセクシャルは全ての性別……たとえば、男性でも女性でもなかったり、どちらともであったり、その間であるXジェンダーとか、トランスジェンダーも含むのね。まぁ、美来ちゃんはそんな認識もないから、バイセクとも言えるのかもしれないけど」
「そうなんですね」
セクシュアリティって、凄く奥深い……
「結局、大事なのは気持ち、心よ。やよいちゃんもそのままの美来ちゃんが好きだって言ってくれるなら、大丈夫。
それに、男みたいに竿や玉がなくても、私たちにはこれがあるからね」
のどかママが2本の指の関節をくいくいと動かすと、光が笑いながらも頷いた。
「だねー!」
え。それって、指でイカせるってこと……だよね。
手、手技かぁ……それこそ、自信ないんだけどっ。
「それって、どうしたら……身に付けられますか?」
真剣に尋ねた私に、のどかママと光が顔を見合わせてゲラゲラ笑った。
ちょ、酷い。こっちは深刻に悩んでるのに。
「もー、美来ちゃん、ほんっと可愛い。まぁすぐに身につくもんじゃないから、実践重ねて経験積むしかないわね」
そっかぁ。そりゃ、そうだよね……
バスケだって、毎日の練習の積み重ねで上手くなったんだもん。なんだって、急に上達するわけないよね。
落ち込んだ私に、光がポンポンと肩を叩く。
「大丈夫だって。やよいちゃんは美来が女性経験どころか男性経験だって少ないこと分かってんだし、そんなあんたを好きになってくれたから、テクニックなんて求めてないって。
大事なのは、気持ちでしょ。ハハハハハハ……」
いいこと言ってから笑うの、やめてくんないかな。
でもまぁ、そうだよね。
大事なのは、気持ち……だもんね。
のどかママが優しく笑いかけてくれる。
「女性だから、じゃなくて、好きだから一緒にいたいし、触れ合いたくなる。そして、お互いをもっと知って、愛し合いたくなるものでしょう?
だから、そのままの美来ちゃんでやよいちゃんを愛してあげたらいいと思う」
そのままの、私で……
「あんたは色々考えすぎなのよ!」
光に頭を軽く小突かれた。でも、その眼差しはとても温かった。
「やよいちゃん、大切にしてあげなよ」
その光の言葉には、すみれと別れてしまった寂しさや悲しさが込められてる気がした。
「うん……私の気持ち、伝えてみる」
すれ違いのままでいたくない。
このままじゃ、絶対に後悔する。
情けない自分も、ダメな自分も勇気を出して晒そう。
そして、ありのままの自分を受け入れてもらえるように……素直に伝えよう。
「よしっ、それじゃあお姉様がいいものあげる」
光が意味深な笑いを浮かべたので、背中がゾクッとする。
「い、いい、いらない……」
「ちょ、まだなんも言ってないでしょーが!」
「だって、嫌な予感しかしないもん」
「そんなこと言ってると、ほんとにあげないわよー」
そう言いながら、光が1枚のチケットを渡してきた。
「ん? なに、これ?」
「リゾートホテルの割引券。うちの会社の社割がきいて、ひとりにつき1万円引きで泊まれるのよ。都心から近くてプールも温泉もあって、すごく人気のとこみたいよ。やよいちゃん誘って行ってきなさいよ」
「ぇ。タダじゃないの?」
そう言った途端、頭を小突かれた。
「タダだったら、私が行ってるわよ! 1万円引きはでかいでしょーが!」
「だって、これ元々いくらなのよー。人気デザイナー様にはなんてことないでしょうけど、貧乏大学生にはかなりの負担よー。しかも、二人分とか!」
「あんた、これまでやよいちゃんに迷惑かけまくってたでしょ」
「ぅ」
「それに、デートって言っても大学の学食とか買い物とか、せいぜい居酒屋行くぐらいで、まともにしたことないでしょ」
「な、なんで……それを」
え、もしかして光、私の行動見てた?
「これでやよいちゃんの機嫌とって、仲直りしな」
そう、だよね……今まで、まともにやよいとデートもしたことなかったんだ。
それで、ご飯作ってもらって、何もかも世話させといて……考えてみれば、私って最低の彼女じゃん。
これで、やよいと仲直り……できる、かな。
「いえ……私、は……このまま、女性のままで、やよいを好きでいたいです」
のどかママが「うーん」と考えるような声を出した。
「私が思うに、美来ちゃんはパンセクなんじゃない?」
「パンセクって……なんですか?」
「パンセクシュアル、もしくはパンセクシャルとも言うけど、性別にこだわらずにその人自身を好きになるっていうセクシュアリティのこと」
「え、それってバイセクシャルのことですよね?」
「バイセクシャルは男性か女性、どっちかしか好きにならないけど、パンセクシャルは全ての性別……たとえば、男性でも女性でもなかったり、どちらともであったり、その間であるXジェンダーとか、トランスジェンダーも含むのね。まぁ、美来ちゃんはそんな認識もないから、バイセクとも言えるのかもしれないけど」
「そうなんですね」
セクシュアリティって、凄く奥深い……
「結局、大事なのは気持ち、心よ。やよいちゃんもそのままの美来ちゃんが好きだって言ってくれるなら、大丈夫。
それに、男みたいに竿や玉がなくても、私たちにはこれがあるからね」
のどかママが2本の指の関節をくいくいと動かすと、光が笑いながらも頷いた。
「だねー!」
え。それって、指でイカせるってこと……だよね。
手、手技かぁ……それこそ、自信ないんだけどっ。
「それって、どうしたら……身に付けられますか?」
真剣に尋ねた私に、のどかママと光が顔を見合わせてゲラゲラ笑った。
ちょ、酷い。こっちは深刻に悩んでるのに。
「もー、美来ちゃん、ほんっと可愛い。まぁすぐに身につくもんじゃないから、実践重ねて経験積むしかないわね」
そっかぁ。そりゃ、そうだよね……
バスケだって、毎日の練習の積み重ねで上手くなったんだもん。なんだって、急に上達するわけないよね。
落ち込んだ私に、光がポンポンと肩を叩く。
「大丈夫だって。やよいちゃんは美来が女性経験どころか男性経験だって少ないこと分かってんだし、そんなあんたを好きになってくれたから、テクニックなんて求めてないって。
大事なのは、気持ちでしょ。ハハハハハハ……」
いいこと言ってから笑うの、やめてくんないかな。
でもまぁ、そうだよね。
大事なのは、気持ち……だもんね。
のどかママが優しく笑いかけてくれる。
「女性だから、じゃなくて、好きだから一緒にいたいし、触れ合いたくなる。そして、お互いをもっと知って、愛し合いたくなるものでしょう?
だから、そのままの美来ちゃんでやよいちゃんを愛してあげたらいいと思う」
そのままの、私で……
「あんたは色々考えすぎなのよ!」
光に頭を軽く小突かれた。でも、その眼差しはとても温かった。
「やよいちゃん、大切にしてあげなよ」
その光の言葉には、すみれと別れてしまった寂しさや悲しさが込められてる気がした。
「うん……私の気持ち、伝えてみる」
すれ違いのままでいたくない。
このままじゃ、絶対に後悔する。
情けない自分も、ダメな自分も勇気を出して晒そう。
そして、ありのままの自分を受け入れてもらえるように……素直に伝えよう。
「よしっ、それじゃあお姉様がいいものあげる」
光が意味深な笑いを浮かべたので、背中がゾクッとする。
「い、いい、いらない……」
「ちょ、まだなんも言ってないでしょーが!」
「だって、嫌な予感しかしないもん」
「そんなこと言ってると、ほんとにあげないわよー」
そう言いながら、光が1枚のチケットを渡してきた。
「ん? なに、これ?」
「リゾートホテルの割引券。うちの会社の社割がきいて、ひとりにつき1万円引きで泊まれるのよ。都心から近くてプールも温泉もあって、すごく人気のとこみたいよ。やよいちゃん誘って行ってきなさいよ」
「ぇ。タダじゃないの?」
そう言った途端、頭を小突かれた。
「タダだったら、私が行ってるわよ! 1万円引きはでかいでしょーが!」
「だって、これ元々いくらなのよー。人気デザイナー様にはなんてことないでしょうけど、貧乏大学生にはかなりの負担よー。しかも、二人分とか!」
「あんた、これまでやよいちゃんに迷惑かけまくってたでしょ」
「ぅ」
「それに、デートって言っても大学の学食とか買い物とか、せいぜい居酒屋行くぐらいで、まともにしたことないでしょ」
「な、なんで……それを」
え、もしかして光、私の行動見てた?
「これでやよいちゃんの機嫌とって、仲直りしな」
そう、だよね……今まで、まともにやよいとデートもしたことなかったんだ。
それで、ご飯作ってもらって、何もかも世話させといて……考えてみれば、私って最低の彼女じゃん。
これで、やよいと仲直り……できる、かな。
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