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女の子同士の恋愛って難しいけど、女性としてやよいのこと愛したい
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「やよいちゃんと付き合うのは無理ってわかったから、せめて合コンだけでもお願いしますっっ!」
「俺たちにどうか、夢を! 希望を!!」
「彼女つくりてぇー」
完全に酔っ払った男どもは、今度はやよいの友達にターゲットを定めたようだ。
「ぁ、ぁの……」
「こいつら酔っ払ってるから、気にしなくていいから」
「いや、俺たちは本気だ! 本気で彼女がほしいんだーーっっ!!」
「やよいちゃーん、頼むよぉぉぉ」
絡んでくるウザい野郎どもに、由美も便乗する。
「私も行きたーい!」
「由美は来なくていい」
「えーっ、行きたーい!」
あぁ、もうなんかグダグダ。えっと、これってチーム優勝の祝勝会兼ねた打ち上げだったよね。なんでこんなことになってんの?
「ほら、もう帰るよー」
こうなったら、さっさと打ち切りだ。そう思ったのに、西田くんが私の手を引っ張ってきた。
「えーっ、もう1件行こうぜ、もう1件!」
「だったらあんたら勝手に行きな。私は帰るから」
「じゃー、やよいちゃんだけ残してってよー」
そう言いながら、中野くんが隙を見てやよいの手を取った。
「きゃっ!!」
中野くんの手を払い除けて、私の背中にピトッとくっつくやよい。気持ち悪い生き物扱いの中野くんが、ちょっと不憫にも思えてくる。
「やよいも行かないってさ」
「えーっ、じゃあやよいちゃん、合コンお願いっ!」
「あざーっす!!」
ちょ、まだやるって言ってないのに。
すると、由美が3人の男たちの背中を押した。
「ほらほら、二次会行くよー」
「由美、ごめんね。お先!」
「だいじょうぶ、まかせて! あと、今度女子会しようね、やよいちゃん♪」
由美に笑顔を向けられ、やよいはパッと顔を明るくし、「はい、ぜひ!!」と答えた。
「いいなぁ、俺も女になりてぇー」
「やよいちゃんにくっつかれてぇよ」
「やよいちゃーーん」
あぁ、モテないメンズの嘆きは止まらないわ。
「じゃ、行こっか。やよい」
「は、はい……」
帰り道、やよいが呟いた。
「美来さん、ごめんなさい……」
「えっ、なんで?」
「だって、私の態度……明らかに、私が美来さんに好意持ってるの丸わかりでしたよね」
「アハハ、大丈夫じゃない? やよいが男嫌いだって言ってたし、やよいは私の友達だから、その分、私に頼るのは当たり前でしょ。気にすることないよー」
「そうです、か……でも私……」
そう言った後、やよいが沈黙した。
「なに?」
やよいの顔を覗き込むと、少し唇を噛んで目を逸らした。
「私……心のどこかで、美来さんが私の恋人だって、そうみんなに気づいてほしいって気持ちもあったんです。だから、あんな態度とっちゃって。
そんなことしたら、美来さんの立場が悪くなるって分かってるのに……ごめんなさい」
ほんっと、やよいは……
「いいよ」
「怒って……ません?」
やよいがおそるおそる私の顔を覗き込んだ。あまりにもその仕草が可愛くて、思わず笑顔になる。
「怒ってないってば。ていうか、私だってほんとはみんなの前で、こーんなに可愛いやよいが私の彼女だって言いふらしたかったし」
「ッッ!!」
やよいの顔が真っ赤になった。
「自慢して、見せびらかして、『あんたたちが憧れてるやよいは、私に惚れてんだからね!』って言ってやりたかったわよ」
「美来さんってば……フフッ」
でも……やっぱり、言えなかったな。少しはその覚悟もしてたつもりだったのにな。
「やよい……今日、行って良かった?」
女同士の恋愛の難しさ、厳しさを知って、切なくならなかった?
やよいはふわっと微笑んだ。
「はい、楽しかったです。美来さんと関わった人たちと会えて、私が知らない美来さんを教えてもらえて。あの時、その場に私はいなかったけれど、時を遡って一緒に過ごせたような気持ちになれて……幸せでした」
やよいの愛の深さに、不安が拭われていく。
この子とこの先もずっと一緒にいたいと、一緒にいるのだという決意に似た気持ちが大きくなっていく。
「でも……やっぱり少し、嫉妬はありましたけど」
頬を膨らませたやよいは、とても可愛くて……愛しい気持ちで胸がキュンと締め付けられた。
「これからは、もっとやよいと一緒にいられるから。
旅行、楽しみだね」
駅を降り、家へ向かう帰り道。伸ばした私の手を、やよいの小さな手がキュッと握り締めた。
「はいっ、楽しみです♪」
「俺たちにどうか、夢を! 希望を!!」
「彼女つくりてぇー」
完全に酔っ払った男どもは、今度はやよいの友達にターゲットを定めたようだ。
「ぁ、ぁの……」
「こいつら酔っ払ってるから、気にしなくていいから」
「いや、俺たちは本気だ! 本気で彼女がほしいんだーーっっ!!」
「やよいちゃーん、頼むよぉぉぉ」
絡んでくるウザい野郎どもに、由美も便乗する。
「私も行きたーい!」
「由美は来なくていい」
「えーっ、行きたーい!」
あぁ、もうなんかグダグダ。えっと、これってチーム優勝の祝勝会兼ねた打ち上げだったよね。なんでこんなことになってんの?
「ほら、もう帰るよー」
こうなったら、さっさと打ち切りだ。そう思ったのに、西田くんが私の手を引っ張ってきた。
「えーっ、もう1件行こうぜ、もう1件!」
「だったらあんたら勝手に行きな。私は帰るから」
「じゃー、やよいちゃんだけ残してってよー」
そう言いながら、中野くんが隙を見てやよいの手を取った。
「きゃっ!!」
中野くんの手を払い除けて、私の背中にピトッとくっつくやよい。気持ち悪い生き物扱いの中野くんが、ちょっと不憫にも思えてくる。
「やよいも行かないってさ」
「えーっ、じゃあやよいちゃん、合コンお願いっ!」
「あざーっす!!」
ちょ、まだやるって言ってないのに。
すると、由美が3人の男たちの背中を押した。
「ほらほら、二次会行くよー」
「由美、ごめんね。お先!」
「だいじょうぶ、まかせて! あと、今度女子会しようね、やよいちゃん♪」
由美に笑顔を向けられ、やよいはパッと顔を明るくし、「はい、ぜひ!!」と答えた。
「いいなぁ、俺も女になりてぇー」
「やよいちゃんにくっつかれてぇよ」
「やよいちゃーーん」
あぁ、モテないメンズの嘆きは止まらないわ。
「じゃ、行こっか。やよい」
「は、はい……」
帰り道、やよいが呟いた。
「美来さん、ごめんなさい……」
「えっ、なんで?」
「だって、私の態度……明らかに、私が美来さんに好意持ってるの丸わかりでしたよね」
「アハハ、大丈夫じゃない? やよいが男嫌いだって言ってたし、やよいは私の友達だから、その分、私に頼るのは当たり前でしょ。気にすることないよー」
「そうです、か……でも私……」
そう言った後、やよいが沈黙した。
「なに?」
やよいの顔を覗き込むと、少し唇を噛んで目を逸らした。
「私……心のどこかで、美来さんが私の恋人だって、そうみんなに気づいてほしいって気持ちもあったんです。だから、あんな態度とっちゃって。
そんなことしたら、美来さんの立場が悪くなるって分かってるのに……ごめんなさい」
ほんっと、やよいは……
「いいよ」
「怒って……ません?」
やよいがおそるおそる私の顔を覗き込んだ。あまりにもその仕草が可愛くて、思わず笑顔になる。
「怒ってないってば。ていうか、私だってほんとはみんなの前で、こーんなに可愛いやよいが私の彼女だって言いふらしたかったし」
「ッッ!!」
やよいの顔が真っ赤になった。
「自慢して、見せびらかして、『あんたたちが憧れてるやよいは、私に惚れてんだからね!』って言ってやりたかったわよ」
「美来さんってば……フフッ」
でも……やっぱり、言えなかったな。少しはその覚悟もしてたつもりだったのにな。
「やよい……今日、行って良かった?」
女同士の恋愛の難しさ、厳しさを知って、切なくならなかった?
やよいはふわっと微笑んだ。
「はい、楽しかったです。美来さんと関わった人たちと会えて、私が知らない美来さんを教えてもらえて。あの時、その場に私はいなかったけれど、時を遡って一緒に過ごせたような気持ちになれて……幸せでした」
やよいの愛の深さに、不安が拭われていく。
この子とこの先もずっと一緒にいたいと、一緒にいるのだという決意に似た気持ちが大きくなっていく。
「でも……やっぱり少し、嫉妬はありましたけど」
頬を膨らませたやよいは、とても可愛くて……愛しい気持ちで胸がキュンと締め付けられた。
「これからは、もっとやよいと一緒にいられるから。
旅行、楽しみだね」
駅を降り、家へ向かう帰り道。伸ばした私の手を、やよいの小さな手がキュッと握り締めた。
「はいっ、楽しみです♪」
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