雛みたいな異世界転生

のえぴん

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第四話 まきまきぁああああああああっ!!

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まきゃああああああああああっ!!

「助けて助けて! 森から魔物が!!」

 薪拾いをしてたら、狼と遭遇してしまった。
 僕は慌ててみんなのいる場所に戻って行った。
 息を切らして、前屈みになり四つん這いになって、クチバシを大きく開いて空気を吸おうと必死に呼吸する。

「お前、薪はどうしたんだよ?」
「そ、それよりも、ま、まま、魔物が!!」
「森なんだから魔物ぐらい出るだろ!」
「やだぁあああ!!」

 ジタバタジタバタ。

「いや、本当にどうやってその歳まで生きて来たんだ?」
「そうよね。ほっといたら本当に一日で飢え死にするか、魔物に食べられちゃうような見た目なのに」
「うう、そんなこと言わないでよ……僕だって、生まれてこのかた親元を離れて15年、就職活動に勤しんで、毎日家に帰っては自炊洗濯して暮らして来たんだ。なのに、なのにこんなことになるなんて……ううう!? ああああああああっ、手が翼にぃいいい!! もうダメだぁおしまいだ!!」
「泣いたり叫んだり、すげぇ煩わしいやつだな」
「面と向かって言わないでよぉおおお!
ある日、突然目が覚めたら鶏になってた人の気持ちがあんたらに分かるか!」
「実際になったわけないから気持ちもへったくれも分からないだろ」
「うわあああん、エリアスさん、僕をよしよししてください!」
「私よりも年上で、見た目がかわいくても友達ですらない人間の男性をよしよしするのはちょっと……引きますわ」

 ガーン……歳ってそんなに大切……なん。

「エリアス、鳥が風化してるぞ。言い過ぎじゃないか?」
「それはそれ、これはこれですわ。第一に、特別扱いできるお年ではないでしょう。冒険者の隣にある武器屋の店主、今年で30歳になりますけど、彼は大人っぽくて、正直言って“よしよしする”というより、されたいですわ、私」
「……そうだね。僕は、精神年齢きっとよわよわなんだね」
「あーあ、落ち込んじゃった。どうするよ薪」
「僕より薪の心配ですか!!!! お願いぃいい! もっと僕に優しくしてぇええええ!!!」
「横から口挟んで申し訳ないけど、まともに就職して働いて生活した方がいいよ。30代なら家庭持っててもおかしくない年頃だし」
「あ、がっ……」
「畳み掛けるね~、追い打ちされてるよ」
「それに、趣味で鳥を飼ってる私から見て、君の性別は雄ではなく、まごうことなき雌だね」

 あ、が、ががががががが……。

「なんかもう、全てが崩れ去ってるぞ、この鳥」
「ええええ! 鳥さん、雌だったの!?」
「いいや、違う!! 僕は雄だ! 自分の体のことは自分で把握してる!」
「その割には毎回、自分の身体見て発狂してると思うが?」
「違うもん! っていうかその話はいっそのことどうでもいい!!
僕が何を言いたいかというと、もう少し労わってほしいなって」
「ああ、たく……労わってやるから薪持ってこいよ、早く!!」
「鳥さんお願い、労わってあげるから薪が必要なの」
「じゃあ行ってくる……」
「早くいけ~」

 アギとエリアスが手を振って送り出してくれる。本当かな?

「……本当に労わってくれる?」

 手を振ってくれている。

「行ってくる……」

「煩わしいやつだな」
「ほんと煩わしいわね」
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