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第八章 研究生

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正月3が日は、一ノ瀬邸でゆっくり過ごした。

元旦は一ノ瀬家恒例の晴れ着撮影会があり、今年もガーデンズオフィスのHPを飾った。
去年と違ったのは、社長と並んで撮った画像が一ノ瀬流通グループHPのTOPに載った事だ。

「これだけで、ガーデンズオフィスの運営費くらい出る価値がある」
聖苑が言うには、私が出ると閲覧数が跳ね上がるらしい。

翌日のお昼に妹たちや奥様のリクエストで、サツマイモの豚汁とトマトのオムレツを作った。
TV番組の料理が食べられるということで、家族全員が盛り上がった。
陽彩と沙綾がずっとくっついて、お手伝いをしてくれる。

「素朴な味だ。君の母親が素晴らしい人だと言うことが、この一杯で分かる」

「本当に。これを聖苑が作ったのなら私も泣きますわ」

「私の事はいいの。真凛の料理で、これが一番好き」

「大したものは入ってないのにね」俺が答えた。

「母親の食べる人への愛情が入ってる、それ以上のものは無いよ」
社長から、最大限の褒め言葉を頂いた。


3日に、月奈がsolemnityからドレスを2着持ってきた。
名刺交換会の衣装だった。
メイクやスケジュールを確認して、一ノ瀬邸に泊まることになった。
陽彩と沙綾が、月奈にメイクされている。

「真凛ちゃんの妹と3人一緒だと、アイドルユニットみたいになるよ」
月奈が面白がっている。
聖苑が普段着ているsolemnityの服を出して、二人に着せる。
双子コーデが似合っていた。

「まあ、何て可愛いんでしょう」
どこの親も自分の子供が可愛いのが一番だ。
みんなに撮影されて、陽彩と沙綾は楽しんでいた。

夕食の時間になった。
俺もワンピースを着ているので女性6人と社長になる。

「今日はまた、一段と華やかだ。
これだけの美女に囲まれるとは、今年はいい年になりそうだ」
社長は、楽しそうに笑った。

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