155 / 322
第九章 沙保里
14
しおりを挟む
池袋の外れ、ビルの地下にライブハウスはあった。
普段は午後3時Openの店を、午前中だけ借り切った。
スタッフの手当、メンバーのギャラを考えれば赤字間違いなしの公演だ。
それでも踏み切ったのは、出雲沙織と月城美雪のデビューの為だと言われていた。
スタンディング300席、幻の公演間違いなし。
GWの真っ只中の午前10時、研究生ライブは始まった。
バレンタイン公演を成功させたメンバー10人がいる。
公演は順調に進み、新人二人も必死について行った。
ところがアンコール前の最後の曲で、アクシデントが起きた。
突然、電源が落ちて音楽、照明、エアコン全てが止まった。
その時、ステージではメンバーがアカペラで歌いながら、踊り続けた。
非常用照明の薄明かりの中、ステージが続く。
観客は手拍子とコーラスで音をアシストした。
混然一体の2分間だった。
一体化したステージが終わり、アンコールの休憩に入った。
すぐに電源トラブルは修復されて、アンコールの後、公演は無事に終了した。
「これがライブだ、何が起きても自分達で何とかする。
今日のメンバーは、一生忘れない体験をした。
観客もライブに参加した実感があっただろう。
これだけでも、無理をして公演をやった甲斐があった」
春木プロデューサーも、絶賛だった。
二日目はトラブルも無く、順調に終わった。
GWの最終日、研究生ライブは千秋楽だ。
出雲真凛はオタクの格好をして、メガネにキャップを被った。
もちろんノーメイクで、只の男の子だ。
ギュウギュウ詰めのフロアで、ステージを見ていた。
公演が始まり、爆発的な興奮状態でステージが始まった。
狭いステージにひしめき合う様に、メンバーがいる。
その最後列で、沙織と美雪が踊っていた。
オープニング4曲が終わり、自己紹介MCがあった。
その後、少人数のユニットになったが、3曲目と4曲目に連続して沙織が出た。
本来なら、4曲目だけのはずだった。
何が起きたか、アナウンスもなく公演は終了した。
沙織のデビュー公演を見届けて、俺はライブハウスを後にした。
「やれる、他のメンバーに負けてない」
そう俺には見えた。
普段は午後3時Openの店を、午前中だけ借り切った。
スタッフの手当、メンバーのギャラを考えれば赤字間違いなしの公演だ。
それでも踏み切ったのは、出雲沙織と月城美雪のデビューの為だと言われていた。
スタンディング300席、幻の公演間違いなし。
GWの真っ只中の午前10時、研究生ライブは始まった。
バレンタイン公演を成功させたメンバー10人がいる。
公演は順調に進み、新人二人も必死について行った。
ところがアンコール前の最後の曲で、アクシデントが起きた。
突然、電源が落ちて音楽、照明、エアコン全てが止まった。
その時、ステージではメンバーがアカペラで歌いながら、踊り続けた。
非常用照明の薄明かりの中、ステージが続く。
観客は手拍子とコーラスで音をアシストした。
混然一体の2分間だった。
一体化したステージが終わり、アンコールの休憩に入った。
すぐに電源トラブルは修復されて、アンコールの後、公演は無事に終了した。
「これがライブだ、何が起きても自分達で何とかする。
今日のメンバーは、一生忘れない体験をした。
観客もライブに参加した実感があっただろう。
これだけでも、無理をして公演をやった甲斐があった」
春木プロデューサーも、絶賛だった。
二日目はトラブルも無く、順調に終わった。
GWの最終日、研究生ライブは千秋楽だ。
出雲真凛はオタクの格好をして、メガネにキャップを被った。
もちろんノーメイクで、只の男の子だ。
ギュウギュウ詰めのフロアで、ステージを見ていた。
公演が始まり、爆発的な興奮状態でステージが始まった。
狭いステージにひしめき合う様に、メンバーがいる。
その最後列で、沙織と美雪が踊っていた。
オープニング4曲が終わり、自己紹介MCがあった。
その後、少人数のユニットになったが、3曲目と4曲目に連続して沙織が出た。
本来なら、4曲目だけのはずだった。
何が起きたか、アナウンスもなく公演は終了した。
沙織のデビュー公演を見届けて、俺はライブハウスを後にした。
「やれる、他のメンバーに負けてない」
そう俺には見えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
36
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる