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第十一章 激震
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「シュガーエンターテインメントと佐藤プロが揉めている」
シュガーは、佐藤社長の親戚が作った事務所だ。
社長は田中氏の兄貴分で、独立したかった。
ただ飛び出すと後ろ盾がなかったので、傘下企業に落ち着いた。
最近になって、シュガーの社長と親会社の佐藤社長が経営方針を巡って揉めている。
どちらにも義理がある田中氏は、板挟みになって悩んでいた。
「いい解決方法がある。田中さん次第だけど」
聖苑が提案した。
結局、シュガーエンターテインメントは独立を果たした。
それを機会に、田中氏は会社を辞めた。
……
一ノ瀬流通グループの東京支社で、記者発表が行われた。
「グループ関連会社の人事について、発表します。
株式会社ガーデンズオフィスの新社長に、田中健司が就任します」
「なお、現社長の一ノ瀬聖苑は本社に異動となります」
突然の発表だった。
「俺が社長でいいのか?」
「元々、田中さんが仕切っていたようなものだから。自由にやっていいのよ」
聖苑は社長を譲って、ホッとしたようだ。
「私は田中さんが社長なら文句は無い。沙織も頼ってるから賛成だよ」
こうして、田中氏は社長になった。
最初の仕事は、古田美那との契約だ。
未だ卒業前だったので、仮契約しかしていない。
シュガーが独立したので、仮契約の前提が崩れた。
一ノ瀬流通グループの法務部が、契約のやり直しを提案してきた。
春木プロデューサーは、ガーデンズが契約するならとOKを出してくれた。
シュガーは仮契約を盾に難色を示す。
田中社長は仮契約を買い取る形で違約金を支払う事で、両社納得して解決した。
「田中さんらしい、義理を通したのね」
「いつか役に立つ金だ」
さすがに先が読める、社長の器だ。
俺たちは感心していた。
シュガーは、佐藤社長の親戚が作った事務所だ。
社長は田中氏の兄貴分で、独立したかった。
ただ飛び出すと後ろ盾がなかったので、傘下企業に落ち着いた。
最近になって、シュガーの社長と親会社の佐藤社長が経営方針を巡って揉めている。
どちらにも義理がある田中氏は、板挟みになって悩んでいた。
「いい解決方法がある。田中さん次第だけど」
聖苑が提案した。
結局、シュガーエンターテインメントは独立を果たした。
それを機会に、田中氏は会社を辞めた。
……
一ノ瀬流通グループの東京支社で、記者発表が行われた。
「グループ関連会社の人事について、発表します。
株式会社ガーデンズオフィスの新社長に、田中健司が就任します」
「なお、現社長の一ノ瀬聖苑は本社に異動となります」
突然の発表だった。
「俺が社長でいいのか?」
「元々、田中さんが仕切っていたようなものだから。自由にやっていいのよ」
聖苑は社長を譲って、ホッとしたようだ。
「私は田中さんが社長なら文句は無い。沙織も頼ってるから賛成だよ」
こうして、田中氏は社長になった。
最初の仕事は、古田美那との契約だ。
未だ卒業前だったので、仮契約しかしていない。
シュガーが独立したので、仮契約の前提が崩れた。
一ノ瀬流通グループの法務部が、契約のやり直しを提案してきた。
春木プロデューサーは、ガーデンズが契約するならとOKを出してくれた。
シュガーは仮契約を盾に難色を示す。
田中社長は仮契約を買い取る形で違約金を支払う事で、両社納得して解決した。
「田中さんらしい、義理を通したのね」
「いつか役に立つ金だ」
さすがに先が読める、社長の器だ。
俺たちは感心していた。
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