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第一四章 挑戦

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「プロデューサーに相談したい事が、有ります」

春木プロデューサーに連絡すると、会ってくれることになった。
たまには奢れって言われたので、伊集院先生の店を指定する。

白のリボンブラウスに、マドラスチェックのタックスカートを合わせた。
先に行って、座って待っていると遅れて来店された。

「待たせたな」

「いえ、無理を言ったのは私ですから」
席に着いたので、直ぐにシャンパンとオードブルが配膳される。
グラスを持って、乾杯した。

「最近はプロデュースしたり、レポーターになったり大活躍じゃないか」

「実は、solemnityからプロデューサー就任の打診を受けています」

「それは面白い。真凛はプロデューサーに向いてるからな」

「本当ですか?」

「プロデュースの基本は、夢を語ることだ。
そのためには、安易な妥協はすべきではない。
皆んなが手放しで賛成したら、その企画はボツにしていい」

「何となく、言われていることは判ります」
今まで何度か一緒に仕事をしたが、ほとんど無茶ブリしていた。

「こんな重要事項を、俺に話していいのか?」

「加山社長と一ノ瀬社長には、了解してもらってます」

「社長たちは、何と言ってるんだ?」

「神輿の上に乗ってればいいと」

「真凛は、周りを巻き込む才能がある。
業界には、お前と仕事をしてみたいと思ってる人間が沢山いるんだ。
俺が言えることは、それぐらいだ」

「ありがとうございます」
返事をして、その後は沙織の話やグループの話をした。
恒例のスタジアムコンサートには来てくれと、招待を受ける。
必ず伺いますと返事をした。

……

家に帰って、聖苑と今日の話をした。
引き受ける決心は出来た、後は何をやるかだ。

聖苑は、solrmnityの一番の理解者であり大ファンだ。
俺が考えていることを、話してみた。

「面白い、絶対やった方がいい」

「モデルは辞めるかもしれない」

「真凛は器用じゃないから、プロデューサーになったら男に戻っていいよ」

「レポーターの契約や専属モデルの契約が切れたら、伊王蒼海に戻ろうかな?」

俺は大学の卒業を目途に、モデル引退を考え始めた。

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