蒼い海 ~女装男子の冒険~

灰色 猫

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第十七章 決断

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1月2日、朝から東京駅に集合した。
新幹線で約1時間、最寄り駅に到着する。
ホームに降りると迎えが来ていて、前後にガードマンがつく。
これには両親も驚いたようで、きょろきょろして落ち着かないようだ。

「ここでは、ガードマンがつくんだ。
沙織はアイドルだし、俺も一応有名人だしね」

駐車場まで歩く間、両親に説明しておいた。
俺たちや沙織はもう慣れていたが、両親からすればさっそく一ノ瀬家の洗礼を受けたようだ。

車2台に分乗して、一ノ瀬の家に到着した。
玄関に一ノ瀬の両親、陽彩、沙綾が並んで出迎えてくれる。

「わざわざこんな遠方まで足を運んで頂き、ありがとうございます。
ここは寒いので、まずは中にどうぞ」
社長自ら、車から降りた両親と俺たちを迎えてくれた。

「お招き頂き、ありがとうございます。
では、遠慮なく失礼します」
父親が返礼の挨拶をして、家の中へ案内される。
応接室か、座敷かと思っていたが、いつものリビングに通された。

「あまり堅苦しいと、話も弾まないでしょう。
普段の我が家を見て頂くために、リビングでお迎えしました」

奥様が言うが、この広さだけでも俺の両親には結構な圧力だろう。
俺も初めて来たときには、驚いた。

その点、沙織は気楽なものだ。
早速、聖苑の妹たちと久しぶりの再会を喜んでいる。
俺たちの話し合いに参加する気も無く、ダイニングテーブルに移動して3人ではしゃいでいた。

俺と聖苑、伊王の両親、一ノ瀬の両親が席に着くと、そこに老人の夫婦が入って来た。
聖苑が祖父母だと小声で教えてくれる。
全員が揃ったところで、俺が両親を紹介した。
続いて聖苑が両親、祖父母を紹介したところで、一ノ瀬社長が話し始めた。

「二人が相談して、蒼海君が一ノ瀬に婿入りしてくれることになった。
伊王君のご両親には、心配をかけたと思う。
お二人とは、奇譚のない意見の交換をしていきたい」

「では、お聞きしたい。
一ノ瀬グループは多くの従業員を抱える巨大な組織でしょう。
そこの長女と結婚する、蒼海の立場はどうなるんでしょう?
聖苑さんは後継者と噂されている、蒼海がお家騒動や権力争いに巻き込まれないか。
親は、無用な心配をしてしまうのです」

俺の父親は、真っ直ぐな質問をぶつけて来た。


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