（完結） 転生して１６歳から人生やり直し

告白を聞いてみた

旧盆の８月１５日、姉の由衣ゆいが里帰りしていた。
母と同じ部屋で寝ている。

俺は、自分の部屋で寝ていた。

「爺じじい、起きろ！」

「誰だ？」

「光希だよ」

「どこにいる？」

「あんたが俺の身体にいる真相を教えてやろうか？」

「知ってるなら、教えてくれ。
頼む」

「条件がある。
話を聞いたら、俺が出す条件を飲め」

「わかった」

「俺が心は女だということまでは、突き止めたようだな」

「ああ」

「俺は川で溺れて、死の淵で魂が抜けた。
その時『女になりたい』心が叫んで、未練で魂が浮遊していた。
ちょうどその時、俺の姉が女の子を妊娠している。
入ろうとしても、魂の入り口が開いてない。
そこに女の子に入るために、輪廻転生してきた爺がやってきた。
お腹の子の魂の入り口が開いた瞬間、俺は爺を突き飛ばして中に入った。
爺は跳ね飛ばされ、空いていた俺の身体に入った。
これが、真相だ」

「お前は、姉のお腹にいるのか？」

「そうだ。由衣はまだ妊娠に気づいてないけどな」

「記憶は残ってるのか？」

「今はまだ残ってる。
だが、生まれる頃には全部忘れてしまうだろう」