超廃課金勢のソシャゲ転生~俺がガチャを引いたら異世界者が転生してくる件について~

嵐を巻き起こす男

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第2章 導かれし王編

第百話 無駄な時間

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 俺は新たなビジネスを思いついていた。それはズバリ郵送業だ。
 なんでこんなことを思いついたかというと、素晴らしい移動手段を発見したからだ。いや、今までも使用してたんだけどね。
 え? 話が見えない? 移動手段ってなにかって? やだなあ、ドラゴン様に決まってるじゃないですか。
 魔王様のところまで自分一人で行ったら何日かかるか……それがドラゴンに連れていってもらったら三時間ほどでもう目の前だ。
 まあそれを言うと「テレポートがあるだろ」とか言い出す人が大勢いるだろうが、それはなんだか味気ないじゃないか。ロマンだよロマン。
 テレポートにロマンがないのかと言われればロマンの塊だと答えるんだけどね。ドラゴンはドラゴンで違う形のロマンがあるだろ?

「着いたぞ、じゃあ達者でな」
「三日後にはまた会いますけどね」
「ふはは、そうだったな」

 俺は王様から降りて魔王様の部屋へと向かった。受付の人を素通りして、部屋の扉を叩く。

「誰かな?」
「荒巻です」
「あー、丁度よかった入って入って」

 俺は言われるままに部屋に入った。すると、そこにはシャルティアたんとミツハたん、それにサリエル様が一堂に会していた。

「あ、お前ら久しぶり」
「久しぶりなのだー」
「お久しぶりですご主人様」
「久しぶりなのじゃ」
「まさかみんな揃ってるとは思わなかったよ、何かあったのか?」
「別に何かあったというわけじゃないんだけどね、とりあえずみんな集まって行動して欲しいというか」

 魔王様はそう言いながらチラチラシャルティアたんのほうを見ていた。あいつまたなんかしたのか……たしかにお目付け役は必要かもな。

「わかりました。丁度手伝って欲しいこともあったので、連れていってもいいですか?」
「もちろん、よろしくね」
「任せてください」

 俺はみんなを引き連れて部屋から出……ようとすると魔王様に呼び止められた。

「えっと、用件があってきたんじゃないのかな?」
「見てたでしょ? あの小型のやつで」
「まあ見てたけど、報告しに帰ろうとか言ってたじゃん」
「まあ必要なかったかなと思って」
「……せっかく何人か見繕っておいたのになー」
「えっ、ちょ、それを先に言ってくださいよ!」
「どうしよっかなー、教えないでおこうかなー」
「教えてください!」
「仕方ないなー」

 そう言うと魔王様は机の中から何枚かの紙を取り出した。

「はいこれ、優秀な奴らのピックアップ」

 魔王様に手渡された紙を見ると、めちゃくちゃ大量の情報が載っていた。口癖や好きな異性のタイプなど意味のわからないものも沢山あった。

「こんな情報どうやって調べたんですか!?」
「うーん、まあ私優秀だし?」
「我が情報を開示してやっただけなのじゃ」
「ちょっ、言っちゃダメじゃん!? ま、まあ情報を整理したのは私だし!?」

 なるほど、つまりミツハたんが最強ということですね。

「と、とにかく、感謝してほしいな!」
「ありがとうございます魔王様、一生ついていきます」
「あっ、うん、素直に感謝されるとは思わなかった」

 情報を整理して候補を絞っておいてくれただけで充分ありがたい、というか魔王様がわざわざ俺のために動いてくれるというだけで嬉しい。惚れた男の弱さってやつだな……。

「かっこいい風にしてるけどただのキモいやつにしか見えないのじゃ」
「だから心を覗くな!」
「嫌なのじゃ」
「……」

 はぁ……もう何言ってもどうしようもないんだろう。とりあえずせっかくの情報だし目を通しておくか。


 何時間経っただろうか。無駄な情報が多すぎてまったく進まない。初めは少し見てわかる程度だと思っていたのに、結局自分の部屋まで戻って見るハメになった。しかも、みんなも一緒についてきていて、俺が真剣に考えている間ずっと暴れていたので、俺の部屋はめちゃくちゃになっている。だが、もはや止めるだけ無駄ということがわかった。
 わかった情報はほとんど意味の無いものだが、なんとか最後の人ーー人族以外にも沢山いたがーーの情報を読み終えた。

「よっしゃー終わったー」
「ん? お主今まで何をしていたのじゃ?」
「見てなかったのか? 王様になる人達の情報を見てたんだよ。ミツハたんが開示してやったって言ってなかったか?」
「あーあれか、なんで見てるのじゃ?」
「だって声をかけに行かないとダメじゃん?」

 確かにあそこまでの情報はいらなかったと思うが。必要な情報もしっかり書いてあったからな。

「もう王様の声はかけておるのじゃが?」
「……なんて?」
「だから、もう王様となる人にはもう声をかけ終わっているのじゃ。お主が声をかけたやつ以外は全部こっちで用意しておいたのじゃ」
「先に言ってくれよ……」
「お主が相談しないのが悪いのじゃ」
「うっ、たしかにそれを言われると痛いけど……でもこっちのことも気にかけてくれてもいいだろ!?」
「こっちも忙しかったのじゃ」
「何をしていたんだ?」
「寝てたのじゃ」

 何もしてねぇじゃねぇか……。
 俺が呆然としている間、俺の部屋はさらに荒れていたが、怒る気力も起こらなかった。
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