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第1話:勇者参上!
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場面は、良美達がのんきにお弁当を食べていた時から数時間遡る。
月周回衛星をチェックしていた米国航空宇宙局のオペレータは、衛星からの通信が途絶したことに気付いた。
「ディレクター、月周回衛星からの通信が途絶しました。これはもしかして…」
オペレーターは叫び出したくなる気持ちを抑えて、司令席にいるミッション・ディレクターに報告を行った。
「途絶? 衛星のアンテナの故障ではないのか? 途絶前のデータを見直してくれ」
最悪の事態を思い描きながらもミッション・ディレクターは、オペレーターに再度確認を求めた。
「いえ、データを見る限り故障の兆候は無く、アンテナは正常に稼働していました。そして衛星との通信途絶前に送られてきた画像が…これです」
オペレーターは、衛星から送られてきた最後の画像をミッション・ディレクターの端末に転送する。
「こ、これは、おい、スクランブル発生だ! 直ぐにアラートを上げろ。これより現時刻をもって軌道上のオペレーションはSMBシフトに移行する」
ミッション・ディレクターは、ディスプレイに映し出された映像を見るなり立ち上がって緊急事態を宣言した。それを聞いた、オペレーター達は大騒ぎとなり、それぞれのミッション・スタッフに連絡を取り始めた。
なお、SMBはSpace Machine Beastの頭文字であり、SMBシフトとは宇宙機怪獣襲来に備えた監視体勢を取るという意味である。
「ついに来やがったか。データは既に言っていると思うが、一応ペンタゴンに連絡を入れるか」
大騒ぎとなった管制室で、ミッション・ディレクターはペンタゴンに連絡を入れるのだった。
◇
ホワイトハウスの執務室、米国大統領カルータは、国防長官のヘスパーから国防に関する報告を受けていた。
「大統領、中国は宇宙からの侵略者を撃退したと主張しておりますが、それは明らかに嘘であります」
「ふむ、それでは再び奴らは地球にやって来るというのかね?」
「ペンタゴンの分析では…その確率は98%以上です」
「…また奴らによって米国の都市が破壊されるのか。この前の襲撃によってデトロイトは大打撃をうけた。せっかく上向いていた米国経済が横ばいどころか下降線になっているのだ。ここでまた米国に彼奴らがやって来てみろ、リーマンショック並みの酷い状況に逆戻りだぞ!」
大統領は、苦虫を噛みつぶしたような顔で机をどんと叩いた。
「大統領のお怒りはもっともです。しかし御安心ください、現在彼奴らに対抗するための新兵器が開発中です。これが完成すれば、あの侵略者を米国軍の力で撃退できるでしょう」
国防長官はそう言って、大統領に資料を差し出した。その資料には、宇宙機怪獣に対抗する新兵器の開発プランが記載されていた。
「ふむ、私は軍事技術にはそれほど詳しくないが、君が太鼓判を押すのだ、詳しく見せてもらおう」
大統領は、資料を受け取るとざっと目を通し始めた。
しばし書類を読んで頷いていた大統領だが、次第にその手がぶるぶると震えだし顔が真っ赤になっていった。
「こ、国防長官。この兵器が完成すれば、本当に敵を撃退できるのかね? 本当に、ほんとうにそう思っているのかね?」
「ペンタゴンは、そう主張しております」
「…ペンタゴンは、たった一つの兵器に原子力空母2隻分の予算をかけろと言うのかね。私には、この資料がジョークにしか思えないぞ!」
大統領は、国防長官に資料を叩きつけるように返した。国防長官は、資料を受け取り損ね床に資料が散らばった。
「ですが大統領、現用の兵器ではあれには通用しません。そして我が国では、某C国のように国内で核兵器を使うことは、世論が許さないでしょう。となれば、このような兵器も必要となると…」
「幾ら軍事音痴の私でも、そんな馬鹿げたモノに金を突っ込む積もりは…」
大統領が国防長官に反論しようとしたところで、デスクの上の端末が『ピピピッ』とアラーム音を響かせて着信を知らせた。端末に表示された表示は、最高レベルの緊急事態での着信であることを示していた。
「うむ、私だ。いったい何が起きたのだね?」
国防長官との会話を中断し、大統領は端末を操作して着信をとる。通信が繋がると、端末のモニターには米国空軍の将軍が映し出された。
『大統領、緊急事態です。NASAからの報告がありました。どうやら月面に異常が発生したようです』
将軍は興奮しているのか、顔が紅潮し早口でまくし立てるように大統領に話しかけてきた。
「落ち着きたまえ。月面の異常とは何かね? 政治でもビジネスでも報告は正確にするものだ!」
嫌な予感に冷や汗を流しながらも大統領は、冷静な口調で将軍に説明を求めた。
『大統領、アレとはもちろん宇宙機怪獣の事です。あの宇宙悪魔が再び地球に来襲するのです』
「将軍…本当かね?」
『大統領、この件に関して、私が嘘をつく必要があるのでしょうか? もちろん事実です。あと数時間…6時間程で、あの悪魔は再び地球に襲来します!』
「オーマイガッ!」
最悪の予感が当たってしまった大統領は、天を仰いで叫んだ。
『大統領、全軍の警戒態勢をデフコン1に上げますが、宜しいでしょうか。ええ、前回は我が軍は負けましたが、今回はそうはいきませんよ。ラプターに対空核ミサイルを搭載すべく改造中です。今度こそアレを撃墜して見せますよ』
「おい、貴様今何と言った。核ミサイルだと? まさか核を使うつもりなのか?」
核ミサイルという言葉を聞いて、大統領は慌てて端末に向き直った。
『米軍が負けるなど、あってはならぬのです。幸いC国が核の有効性を示してくれたのです。我が軍も使用するべきです。そうだ、どうせなら大気圏突入前にICBMをぶつけるべきでしょう…』
端末では、テンパって目がグルグル状態になった将軍がとんでもない事を叫んでいた。
「(彼は正気を失っている)」
大統領が国防長官に目をやると、スマフォで何処かと連絡を取っていた彼は肩をすくめて首を横に振った。
「前回の敗戦がショックだったのでしょう。将軍は休ませるべきですな」
「うむ、分かった。その件は君に任せる。取りあえずアレの襲撃地点が判明するまで、軍はデフコン4…警戒態勢を上げるだけにしておこう。今迂闊に軍隊を動かすと相場に悪影響が出る」
大統領はこの状況になっても相場の方が心配だった。
「了解しました。…それで、この件についてはどうしますか?」
そう言って国防長官は床に散らばった資料に目をやった。
「…保留だ」
そう言って、大統領は将軍との通信を切断するのだった。
◇
月面を飛び立った宇宙機怪獣は、重力を無視した軌道をとり六時間ほどで地球大気圏に突入した。NASAは、宇宙機怪獣の突入進路から今回の目的地が日本であると結論づける。
その報告を聞いた米国大統領は、米国がターゲットとならなかったことに安堵すると同時に、軍事的同盟国である日本に警告を発した。
『シンドー、今から耳寄りな情報を伝えよう…』
月周回衛星をチェックしていた米国航空宇宙局のオペレータは、衛星からの通信が途絶したことに気付いた。
「ディレクター、月周回衛星からの通信が途絶しました。これはもしかして…」
オペレーターは叫び出したくなる気持ちを抑えて、司令席にいるミッション・ディレクターに報告を行った。
「途絶? 衛星のアンテナの故障ではないのか? 途絶前のデータを見直してくれ」
最悪の事態を思い描きながらもミッション・ディレクターは、オペレーターに再度確認を求めた。
「いえ、データを見る限り故障の兆候は無く、アンテナは正常に稼働していました。そして衛星との通信途絶前に送られてきた画像が…これです」
オペレーターは、衛星から送られてきた最後の画像をミッション・ディレクターの端末に転送する。
「こ、これは、おい、スクランブル発生だ! 直ぐにアラートを上げろ。これより現時刻をもって軌道上のオペレーションはSMBシフトに移行する」
ミッション・ディレクターは、ディスプレイに映し出された映像を見るなり立ち上がって緊急事態を宣言した。それを聞いた、オペレーター達は大騒ぎとなり、それぞれのミッション・スタッフに連絡を取り始めた。
なお、SMBはSpace Machine Beastの頭文字であり、SMBシフトとは宇宙機怪獣襲来に備えた監視体勢を取るという意味である。
「ついに来やがったか。データは既に言っていると思うが、一応ペンタゴンに連絡を入れるか」
大騒ぎとなった管制室で、ミッション・ディレクターはペンタゴンに連絡を入れるのだった。
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ホワイトハウスの執務室、米国大統領カルータは、国防長官のヘスパーから国防に関する報告を受けていた。
「大統領、中国は宇宙からの侵略者を撃退したと主張しておりますが、それは明らかに嘘であります」
「ふむ、それでは再び奴らは地球にやって来るというのかね?」
「ペンタゴンの分析では…その確率は98%以上です」
「…また奴らによって米国の都市が破壊されるのか。この前の襲撃によってデトロイトは大打撃をうけた。せっかく上向いていた米国経済が横ばいどころか下降線になっているのだ。ここでまた米国に彼奴らがやって来てみろ、リーマンショック並みの酷い状況に逆戻りだぞ!」
大統領は、苦虫を噛みつぶしたような顔で机をどんと叩いた。
「大統領のお怒りはもっともです。しかし御安心ください、現在彼奴らに対抗するための新兵器が開発中です。これが完成すれば、あの侵略者を米国軍の力で撃退できるでしょう」
国防長官はそう言って、大統領に資料を差し出した。その資料には、宇宙機怪獣に対抗する新兵器の開発プランが記載されていた。
「ふむ、私は軍事技術にはそれほど詳しくないが、君が太鼓判を押すのだ、詳しく見せてもらおう」
大統領は、資料を受け取るとざっと目を通し始めた。
しばし書類を読んで頷いていた大統領だが、次第にその手がぶるぶると震えだし顔が真っ赤になっていった。
「こ、国防長官。この兵器が完成すれば、本当に敵を撃退できるのかね? 本当に、ほんとうにそう思っているのかね?」
「ペンタゴンは、そう主張しております」
「…ペンタゴンは、たった一つの兵器に原子力空母2隻分の予算をかけろと言うのかね。私には、この資料がジョークにしか思えないぞ!」
大統領は、国防長官に資料を叩きつけるように返した。国防長官は、資料を受け取り損ね床に資料が散らばった。
「ですが大統領、現用の兵器ではあれには通用しません。そして我が国では、某C国のように国内で核兵器を使うことは、世論が許さないでしょう。となれば、このような兵器も必要となると…」
「幾ら軍事音痴の私でも、そんな馬鹿げたモノに金を突っ込む積もりは…」
大統領が国防長官に反論しようとしたところで、デスクの上の端末が『ピピピッ』とアラーム音を響かせて着信を知らせた。端末に表示された表示は、最高レベルの緊急事態での着信であることを示していた。
「うむ、私だ。いったい何が起きたのだね?」
国防長官との会話を中断し、大統領は端末を操作して着信をとる。通信が繋がると、端末のモニターには米国空軍の将軍が映し出された。
『大統領、緊急事態です。NASAからの報告がありました。どうやら月面に異常が発生したようです』
将軍は興奮しているのか、顔が紅潮し早口でまくし立てるように大統領に話しかけてきた。
「落ち着きたまえ。月面の異常とは何かね? 政治でもビジネスでも報告は正確にするものだ!」
嫌な予感に冷や汗を流しながらも大統領は、冷静な口調で将軍に説明を求めた。
『大統領、アレとはもちろん宇宙機怪獣の事です。あの宇宙悪魔が再び地球に来襲するのです』
「将軍…本当かね?」
『大統領、この件に関して、私が嘘をつく必要があるのでしょうか? もちろん事実です。あと数時間…6時間程で、あの悪魔は再び地球に襲来します!』
「オーマイガッ!」
最悪の予感が当たってしまった大統領は、天を仰いで叫んだ。
『大統領、全軍の警戒態勢をデフコン1に上げますが、宜しいでしょうか。ええ、前回は我が軍は負けましたが、今回はそうはいきませんよ。ラプターに対空核ミサイルを搭載すべく改造中です。今度こそアレを撃墜して見せますよ』
「おい、貴様今何と言った。核ミサイルだと? まさか核を使うつもりなのか?」
核ミサイルという言葉を聞いて、大統領は慌てて端末に向き直った。
『米軍が負けるなど、あってはならぬのです。幸いC国が核の有効性を示してくれたのです。我が軍も使用するべきです。そうだ、どうせなら大気圏突入前にICBMをぶつけるべきでしょう…』
端末では、テンパって目がグルグル状態になった将軍がとんでもない事を叫んでいた。
「(彼は正気を失っている)」
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大統領はこの状況になっても相場の方が心配だった。
「了解しました。…それで、この件についてはどうしますか?」
そう言って国防長官は床に散らばった資料に目をやった。
「…保留だ」
そう言って、大統領は将軍との通信を切断するのだった。
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