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第1話:勇者参上!
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「なお…くんなの?」
「うん。どうやらブレイブガインと一体化してみたいだ。まるでブレイブガインが自分の体のように動かせるよ」
ブレイブガインの肩から落下する良美を受け止めたのは、ブレイブガインと一体化した作だった。予想外の出来事に良美は、目を丸くして驚いていた。
そして作は、ブレイブガインの体が思い通りに動かせることを良美に見せようと、右手と左手の指を器用に動かしていた。
「(この状況って、なおくんとゴーレムの間にリンクが繋がったのかな?) そう言えば、スマフォはどこに居るの?」
良美は取り落としてしまったスマートフォン見当たらなかったため、作に居場所を尋ねると。
「スマフォは、ブレイブガインの中に入ってる。おっと、そんな事を言っている場合じゃなかった!」
「なおくん、それは無理だよ、逃げて!」
良美と話しているからといって、宇宙機怪獣が待ってくれる道理もなかった。
良美を受け止めた状態で、グラウンドに座っていたブレイブガインには、宇宙機怪獣が振り下ろした棍棒を避けることは不可能だった。
「よっちゃんは、俺が護る!」
振り下ろされる棍棒を避けられないと理解したブレイブガインは、被害を最小限にとどめようと左手で棍棒を受け止めた。しかし、校舎の瓦礫から作られたブレイブガインの体はもろく、棍棒は受け止められないはずだった。
ガッとグラウンドに金属と金属が衝突した音が響く。
「…えっえっ? なおくん、受け止めちゃったの? それに体の色が変わってるよ」
良美の予想を覆して、ブレイブガインは棍棒を軽々と受け止めていた。そして灰色一色だったブレイブガインの体が急速に着色されていった。
脚から胴体、そして腕が白と黒のツートンカラーに着色され、肩に付けられた赤いパトライトが点滅を始めた。胸の青い排気口から、棍棒を受け止めた衝撃を逃がすかのようにガスが吹き出した。
そして最後に頭部が変化する。形だけで何の機能も無かった目は黄色いクリスタル状の物質に変化して、意思を感じる輝きを灯した。
「体に力がみなぎってくるぞ。とぉっ!」
左手で受け止めていた棍棒を宇宙機怪獣に向けて押し返すと、ブレイブガインは、右手と左手をクロスさせて、アニメで勇者ブレイブガインが取っていたポーズを決めるのだった。
そう今この瞬間、1/1のプラモデルだったブレイブガインは勇者ブレイブガインとして生まれ変わったのだ。
「きゅぅ。目が回るよ」
ブレイブガインが調子に乗ってポーズを決める中、右手にしがみついていた良美は、手の動きに振り回され目を回していた。
「おっと、このままじゃ危なくて戦えないぞ」
良美の状態に気付いたブレイブガインは、グラウンドの隅に移動すると、
「よっちゃんは、とりあえずここに隠れてて」
良美をバックネットの裏に降ろした。
「なおくん無理しないでね? うう、目が回るよ~バタンキュー」
目がグルグル状態の良美は、そのままグラウンドに倒れ込んでしまった。
「ああ、無理はしないよ。それに何故か宇宙機怪獣に負ける気はしないんだ」
そう言ってニヒルな笑いを浮かべブレイブガインは、宇宙機怪獣をにらんだ。対して宇宙機怪獣は、突然ブレイブガインの様子が変わってしまった事を訝しんでいるのか、こちらもブレイブガインを睨み付けていた。
「(ワイバーン型じゃない人型の宇宙機怪獣。つまり初めてやって来る宇宙機怪獣だよな。だけど棍棒を受け止めた時の感じだと、力も大したことはない。武器も棍棒だけで飛び道具もなさそうだ。これならブレイブガインでも勝てるぞ)」
今まで各国を襲撃していた宇宙機怪獣の姿は、架空のモンスターであるワイバーンにソックリであった。しかし今ブレイブガインの前にいるのは、脚より手が長く、毛の無いゴリラと言った容貌の巨人であった。
ゴリラに似ていると言っても生物ではなく宇宙機怪獣である。素材不明の緑色の金属で体は作られており、腕と脚は蛇腹状パーツで構成され、胴体にはリベット状の突起が多数ついていた。頭部も目の部分が黒いバイザーで覆われている。
「(この姿、何処かで見たな。…ああ、思い出した。魔人ロボZXZに出てきたクミチョウロボットにそっくりなんだ)」
作は、人型の宇宙機怪獣の姿が、昔のアニメに出てきたロボットに似ていることに気付くのだった。
「うん。どうやらブレイブガインと一体化してみたいだ。まるでブレイブガインが自分の体のように動かせるよ」
ブレイブガインの肩から落下する良美を受け止めたのは、ブレイブガインと一体化した作だった。予想外の出来事に良美は、目を丸くして驚いていた。
そして作は、ブレイブガインの体が思い通りに動かせることを良美に見せようと、右手と左手の指を器用に動かしていた。
「(この状況って、なおくんとゴーレムの間にリンクが繋がったのかな?) そう言えば、スマフォはどこに居るの?」
良美は取り落としてしまったスマートフォン見当たらなかったため、作に居場所を尋ねると。
「スマフォは、ブレイブガインの中に入ってる。おっと、そんな事を言っている場合じゃなかった!」
「なおくん、それは無理だよ、逃げて!」
良美と話しているからといって、宇宙機怪獣が待ってくれる道理もなかった。
良美を受け止めた状態で、グラウンドに座っていたブレイブガインには、宇宙機怪獣が振り下ろした棍棒を避けることは不可能だった。
「よっちゃんは、俺が護る!」
振り下ろされる棍棒を避けられないと理解したブレイブガインは、被害を最小限にとどめようと左手で棍棒を受け止めた。しかし、校舎の瓦礫から作られたブレイブガインの体はもろく、棍棒は受け止められないはずだった。
ガッとグラウンドに金属と金属が衝突した音が響く。
「…えっえっ? なおくん、受け止めちゃったの? それに体の色が変わってるよ」
良美の予想を覆して、ブレイブガインは棍棒を軽々と受け止めていた。そして灰色一色だったブレイブガインの体が急速に着色されていった。
脚から胴体、そして腕が白と黒のツートンカラーに着色され、肩に付けられた赤いパトライトが点滅を始めた。胸の青い排気口から、棍棒を受け止めた衝撃を逃がすかのようにガスが吹き出した。
そして最後に頭部が変化する。形だけで何の機能も無かった目は黄色いクリスタル状の物質に変化して、意思を感じる輝きを灯した。
「体に力がみなぎってくるぞ。とぉっ!」
左手で受け止めていた棍棒を宇宙機怪獣に向けて押し返すと、ブレイブガインは、右手と左手をクロスさせて、アニメで勇者ブレイブガインが取っていたポーズを決めるのだった。
そう今この瞬間、1/1のプラモデルだったブレイブガインは勇者ブレイブガインとして生まれ変わったのだ。
「きゅぅ。目が回るよ」
ブレイブガインが調子に乗ってポーズを決める中、右手にしがみついていた良美は、手の動きに振り回され目を回していた。
「おっと、このままじゃ危なくて戦えないぞ」
良美の状態に気付いたブレイブガインは、グラウンドの隅に移動すると、
「よっちゃんは、とりあえずここに隠れてて」
良美をバックネットの裏に降ろした。
「なおくん無理しないでね? うう、目が回るよ~バタンキュー」
目がグルグル状態の良美は、そのままグラウンドに倒れ込んでしまった。
「ああ、無理はしないよ。それに何故か宇宙機怪獣に負ける気はしないんだ」
そう言ってニヒルな笑いを浮かべブレイブガインは、宇宙機怪獣をにらんだ。対して宇宙機怪獣は、突然ブレイブガインの様子が変わってしまった事を訝しんでいるのか、こちらもブレイブガインを睨み付けていた。
「(ワイバーン型じゃない人型の宇宙機怪獣。つまり初めてやって来る宇宙機怪獣だよな。だけど棍棒を受け止めた時の感じだと、力も大したことはない。武器も棍棒だけで飛び道具もなさそうだ。これならブレイブガインでも勝てるぞ)」
今まで各国を襲撃していた宇宙機怪獣の姿は、架空のモンスターであるワイバーンにソックリであった。しかし今ブレイブガインの前にいるのは、脚より手が長く、毛の無いゴリラと言った容貌の巨人であった。
ゴリラに似ていると言っても生物ではなく宇宙機怪獣である。素材不明の緑色の金属で体は作られており、腕と脚は蛇腹状パーツで構成され、胴体にはリベット状の突起が多数ついていた。頭部も目の部分が黒いバイザーで覆われている。
「(この姿、何処かで見たな。…ああ、思い出した。魔人ロボZXZに出てきたクミチョウロボットにそっくりなんだ)」
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